大学入学共通テスト
倫理の傾向と対策

センター試験から大学入学共通テストに変わり、その違いや共通テストの対策の仕方に不安を感じている受験生が多いことでしょう。

ここでは、大学入学共通テストの倫理対策について、出題傾向やセンター試験からの変更点、共通テストの倫理では何が求められるのか解説していきます。共通テストの倫理の問題傾向、センター試験との違いをしっかりと把握して正しい共通テスト対策を行っていきましょう。

大学入学共通テスト倫理の問題傾向

 

問題内容

配点

第1問

A:19世紀頃に西欧で描かれた「人生の段階図」や,認知や発達などの考え方を踏まえた道徳性の発達段階などを題材として,資料に示された人生観や発達観等についての理解と,資料を通して倫理的諸課題について考察する力を問う問題
B:アリストテレスの『ニコマコス倫理学』を題材として,徳や技術などについての理解と,倫理的   な見方や考え方を活用して,倫理的諸課題について論理的に思考したり,善や真などの概念を批判的に吟味したりする力を問う問題
C:人間としての在り方生き方について,自らの課題と重ね合わせて考えを深める探究活動の場面を通して,人生における哲学や宗教のもつ意義などについての理解と,倫理的諸課題について考察する力,考察した過程や結果を理由や根拠に基づいてまとめる力を問う問題

34点

第2問

A:神体である滝を描いた「那智滝図」などを題材として,日本における仏教の受容などについての理解と,日本人にみられる宗教観の特質について資料から必要な情報を読み取り,その特色について考察する力を問う問題
B:日本における外来思想の受容をテーマとして,中世から近代までの先哲の考え方についての基本的な理解と,諸資料を基に,日本人にみられる思想の特色について考察する力を問う問題

24点

第3問

A:人間と社会の在り方に関して,原典資料や芸術作品等を手掛かりとして,人間観や芸術観などについての理解や,倫理的な見方や考え方を働かせて,論理的に思考する力を問う問題
B:自己の在り方を考えるということをテーマとして,人間観や世界観についての理解や,先哲の考え方を手掛かりとして,様々な立場からの主張を,根拠に基づいて多面的・多角的に考察する力を問う問題
C:古代ギリシアから近代までの労働に関する先哲の考え方についての理解を問う問題

24点

第4問

A:生命倫理に関する課題探究を始める場面を通して,民主社会の形成の基礎となった先哲の思想を手掛かりにして,生命観や人間が本来的にもつ権利についての理解と,現代の倫理的諸課題の解決を探るために必要な論理的に思考する力を問う問題
B:課題探究の成果をまとめて発表する場面を通して,倫理的な見方や考え方を働かせて,倫理的諸課題について環境倫理の視点から考察する力や,考察した過程や結果を理由や根拠に基づいてまとめる力を問う問題

18点

 

 大学入学共通テストの倫理は、様々な文章や図などの資料から必要な情報を読み取る形式の思考・考察問題が大量に出題される傾向にあります。基本的な倫理の知識を身につけた上で、資料の情報を的確に読み取る力を鍛えれば、高得点を狙うことも可能です。

特殊な設問形式の問題もあるので、プレテスト(試行調査)の問題を確認して対策をしておきましょう。

共通テスト倫理のプレテスト(施行テスト)出題内容

【平成30年度プレテストの出題内容】

第1問:配点34点

 A:男女別の「人生の段階図」を見比べる問題、マズローの欲求の階層について理解する問題、資料の考え方にあてはまらない事例を判別する問題が出題されました。Aの3問は倫理の知識がない人でも資料読解することで十分正解できます。

 B:アリストテレスの『ニコマコス倫理学』を題材とした、徳や技術などについての理解に基づく問題です。問4と問5は知識も必要で、問6は資料読解力のみで正解可能な問題でした。

 C:天国、空、非政、梵我一如についての問題、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教に共通する特色に関する問題、愛についての問題、『荘子』の寓話をもとに儒家と道家の考え方の違いについて比較考察する問題が出題されました。問7と問9は解答が前問の解答と連動し、正答の組み合わせが複数ある問題です。問8は当てはまる選択肢を過不足なくすべて答えないといけない難問です。

第2問:配点24点

 A:神体である滝を描いた『那智滝図』などを題材として、日本における仏教の受容などについての理解と、日本人に見られる宗教観の特質について資料から必要な情報を読み取り、その特色について考察する問題です。問4は資料読解力のみで正解可能なのに対し、問1~問3は知識も必要です。

 B:仏教の考え方についての問題、朱子学についての問題、和辻哲郎の資料を基に考察する問題が出題されました。3問とも多少の知識と思考力で解ける問題です。

第3問:配点24点

 A:人間と社会の在り方に関して、原典資料や芸術作品等を手掛かりとして、論理的に施行する問題です。問1は2つとも正解するのは難しいですが、1問正答して部分点は確保しましょう。絵画を読み取る問2の難易度は高くありません。問3は簡単そうに見えて難問です。

 B:デカルト、ヒューム、ヤスパースら哲学者の考え方についての問題です。

 C:アーレントの労働観を手掛かりにして、古代ギリシアから近代までの様々な先哲の考え方とその特色をとらえる問題です。設問の選択肢が絞りやすくなっているので、そこまで難しい問題ではありません。

第4問:配点18点

 A:ロックの所有権の考え方についての問題、臓器移植や安楽死などの生命倫理に関わる日本の法整備などの現状を問う問題が出題されました。難易度は標準です。

 B:課題研究の成果をまとめて発表する場面を通して、倫理的な見方や考え方を働かせて、考察した過程や結果をまとめる力を問う問題です。与えられた文章の意図を読み取ることができれば正解できる問題です。問4はやや難です。

共通テスト倫理のセンター試験からの変更点

 

共通テスト(プレテスト)

センター試験

試験時間

60分

60分

配点

100点

100点

新たな
問題傾向

25行ほどの問題文がなくなる
資料考察問題の増加
前の設問の結果を利用する連動型問題

 

 

  • センター試験:試験時間60分、マーク式、配点100点
  • 共通テスト:試験時間60分、マーク式、配点100点

 共通テストの倫理は、センター試験と比べて問題傾向が大きく変化します。センター試験の倫理は各大問の最初に25行程の文章がセットになっており、図や表はあまり使われていませんでした。共通テストの倫理では最初の文章とその読解問題が無くなり、その代わりに図やレポートなど様々な資料がセットとなった考察問題が多く出題されます。

難易度の面を見ると、倫理はセンター試験よりも共通テストの方が簡単と感じる受験生も多いのではないかと感じます。図表等の資料から与えられた情報を読み取ることさえできれば、深い知識を使わずに正解できる問題もあるためです。

また、設問の選択肢においても大きな変化が見られます。センター試験の倫理においては、3段構えの正誤判定問題が頻出でしたが、その形式の設問は共通テストでは出題されなさそうです。その代わり、解答が次の設問に連動する形式の問題が出題されます。

h2 大学入学共通テスト倫理の対策

 大学入学共通テストの倫理の対策は、まずはプレテスト(試行調査)の問題をチェックすることで出題傾向を把握するところから始めましょう。与えられた文章や図表から情報を読み取り考察するタイプの問題が多く出題されるので、そのような形式の問題に慣れる対策が最重要です。日本史や地理、現代社会の共通テストにおいても、倫理と同様の考察問題が多数出題されるので、それら他科目のプレテスト(試行調査)を練習台にして考察力をのばすのもよいでしょう。

共通テストの倫理では、従来のセンター試験と比べると知識問題の数は減ります。しかしそれでも、最低限の基本知識は持っておかないといけません。また、有名な思想家の考え方については、教科書でしっかりと知識を備えておきたいです。教科書で倫理の基礎を押さえつつ、センター過去問でアウトプットする対策はしておきましょう。センター過去問には良質な知識問題がたくさん出ているので、それら類似問題が共通テストで再び出題される可能性は十分あります。

共通テスト倫理で必要な力

 共通テストの倫理で必要な力は、与えられた図やレポートなどの資料データを正確に読み取る力と、読み取った情報をもとに思考・考察する力です。読み取らないといけない情報量はまずまず多いので、プレテスト(試行調査)で傾向に慣れておきましょう。

 

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