高校1年生という学年は、どうしても勉強に対する気が緩みやすい時期です。高校受験の緊張感から解放されたばかりですし、しばらくは勉強のことなんて忘れて新しい環境に慣れることに集中したいものですよね。
しかし大学受験というものはそれほど甘くありません。
高校受験勉強であれば中学3年生の1年間しっかり努力すれば志望校に合格することが普通にできたかもしれませんが、大学受験はそう容易くはないのです。もちろん受ける大学のレベルにもよりますが、ある程度の難易度の大学を受けるのであれば高3の1年間だけの努力では勉強時間が全く足らないでしょう。
高1の頃から大学受験を見据えた勉強法を身に付け、大学受験対策の準備をコツコツ始めていくことが非常に重要です。
高1からの大学受験勉強の始め方。高1でやるべき基礎を固める勉強法
受験を意識して高一から勉強している生徒は、基礎の土台が固まっていることが多く、高3から受験勉強を始める生徒に対して非常に優位に立つことができるでしょう。
高1からの大学受験勉強の始め方ですが、決して特別な難しい作業をする必要はありません。やるべきなのは基礎を固める勉強法。学校の授業で習った内容の中で、現在のところ自分はどこが得意でどこが苦手なのかを判別するところからまずは始めてみましょう。
教科書の目次などを利用し、得意単元には○、苦手単元には×、得意とも苦手とも言えない単元には△を付けてみてください。
×や△が付いた分野に対して、応用問題には手を出さなくて良いので、基礎問題を確実に解けるようにしておくことが大切です。
高2になると学習内容がますます難しくなるので、高1の内容は高1のうちに何とかしておかないといけないとうい意識を強く持ってください。
高1英語の基礎を固める大学受験勉強法
高校生の英語には、「コミュニケーション英語」と「英語表現」という授業があります。 コミュニケーション英語は英語長文を読めるようになることを目指すもの。 英語表現は英文法を身に付け、英作文を書けるようにもなることを目指すもの。
高1英語においてどちらを優先すべきかと言われれば、英語表現の方を優先すべきでしょう。やはり文法が身に付いていなければ英文を正しく読むことができないので、まずはきちんと英文法のルールを理解することに集中してください。
あらゆる参考書に手を出すのではなく、教科書に載っている英文法を1つ1つマスターしていくことに注力しましょう。
英語が苦手で高1英語でつまずく場合は中学英語の「単語」と「文法」を完成させる!
英語の勉強の仕方が分からないという悩みを持っている高校生の多くは、そもそも中学英語が中途半端にしか理解できていません。中学英語を総復習したところ高校英語の点数が伸びたという例がよくあります。
高1英語でつまずきを感じる方は、まず中学英語で習った文法と英単語・熟語を完成させることに目を向けましょう。中学英語がしっかりと身に付けば、自然と高校英語も苦手に感じなくなるはずです。
高1数学の基礎を固める大学受験勉強法
高1数学で習う数学1や数学Aは、正しく対策すれば共通テストにおいて高得点を取りやすい科目です。
しかし高校数学は最初でつまずくと泥沼式にどんどん分からなくなってしまうので、学校の授業でよく分からないことがあれば必ずその日のうちに教科書やノートを見返して納得状態にしておかないといけません。
最低限、基本的な公式をきちんと覚え、学校で与えられる問題集の基礎問題は解けるレベルには到達しておきましょう。
帰宅してからの復習と、できれば明日習う範囲の簡単な予習をするといった予習復習の勉強法を実践すると、高1数学の授業についていけるようになるでしょう。
高1数学でつまずく場合は中学数学の抜けをなくす!
高1数学に全然ついていけないという場合は、中学数学があやふやにしか理解できていない可能性が高いです。
高校数学の基礎となるのが中学数学。中学数学における方程式や1次関数、2次関数、確率、証明問題などがさらに難易度アップした状態で高校数学でも出てきます。
中学数学の完成度に自信が無い方は、まずは中学数学の教科書に載っている公式を全て使いこなせるようにし、頻出の計算問題は即座に解けるレベルに到達することを目指してください。
中学数学の完成度が高くなれば、高1数学の内容も理解しやすくなります。
高1の現代文の勉強法
現代文は、英数と並んで高1の時期に頑張っておくべき科目です。教科書や参考書を理解する力、問題文を正確に読み取る力、英語の日本語訳・古典の現代語訳をする力なども、現代文の学習によって向上します。
現代文は1〜2ヶ月短期集中的に勉強してすぐに伸ばすということはなかなかできません。高3の受験期は、短期集中的に点数が伸ばしやすい理社などに時間を掛けたいので、現代文は高1の頃に最も頑張っておくことをおすすめします。
理社などの暗記科目はしばらく放っておくとすぐ忘れてしまいますが、現代文の解き方や読解力・解釈力、作文力というものは一度身に付けるとすぐには忘れないという意味でも、現代文は高1の早い時期に解き方や書き方のコツをつかんでしまうのが理想です。
高1の現代文の勉強法としては、参考書や問題集に載っている評論文・小説・エッセイを3日に1題のペースで解く習慣をつけましょう。入試においては評論文の出る確率が最も高いので、特に評論文は優先的に取り組みたいです。
国公立大学の2次試験や、学校の定期テストにおいては記述問題が出題されるので、記述慣れも高1の間にしておきたいです。長文を読んで、その内容を100字程度で要約する練習をしてみると読解力と記述力を同時に鍛えることができます。
高1の古文の勉強法
古文は苦手というイメージを持っている受験生が多くいます。古文は確かに漢文よりも覚えないといけない事項が多くマスターするのに時間が掛かりますが、それはあくまでも漢文と比べたらというだけ。
英語や理社の暗記量と比べたら、古文で覚えないといけない量は遥かに少ないです。大学受験にあたり、例えば英単語は5000~6000語を覚える必要があるのに対して、古文単語は300~500語程度だと言われています。
古文はしっかりと対策をすれば比較的短期間で高得点をも狙える科目だと思っていただいて大丈夫です。
高1の古文の勉強においてやるべきことは、まずは古文文法を修得することです。動詞の活用、助詞や助動詞の活用形などを覚えた上で、品詞分解がすんなりできる状態を目指しましょう。
また古文を現代語訳するためには、古文単語を暗記する作業も当然必要となります。高1の頃から少しずつ暗記していくと受験期に慌てなくて済みます。
高1の漢文の勉強法
漢文は高校で学習する科目の中で最も点数が取りやすい科目だといえます。150〜200語程度の単語の読み方や意味、そして漢文の文法ルールをいくつか覚えるだけで事足りる科目だからです。
高1の漢文の勉強法としては、まずは漢文ルールの基本である返り点とレ点を理解し、書き下し文を書けるようになることが第一目標です。次いで置き字、再読文字などを覚えていきましょう。絶句や律詩といった漢詩の形式についても理解しておくと良いでしょう。
高1で漢文を勉強する際には特別な参考書を使用するよりも、学校の教科書で基礎知識を叩き込むことを重視しましょう。
高1の理科科目の勉強法
高校で学習する理科科目は、化学、物理、生物、地学があります。またそれぞれの基礎科目として、化学基礎、物理基礎、生物基礎、地学基礎があります。
高1で習う理科科目は高校によって異なります。先々の大学受験のことを考えると、理系学生は共通テストで理科2科目が必要でありることが多く、なおかつ2次試験においても理科1〜2科目が必要となってきます。
特に、物理と化学は必須科目に指定される場合がよくあるので、高1で物理(物理基礎)や化学(化学基礎)を学習する場合はとりわけ集中して授業を聞くようにしましょう。
物理や化学は、序盤でつまずくとその後ますます理解に苦しむこととなってしまうので、最初が本当に肝心です。
高1の社会科目の勉強法
高校で学習する社会科目は、大別すると「地理・歴史」と「公民」に分けることができます。 地理、日本史、世界史が地歴系科目。 政経、倫理、現代社会が公民系科目です。
高1で習う社会科目は高校によって異なります。先々の共通テストのことを考えると、文系学生は社会2科目(基本は地歴1科目+公民1科目)が必要となる場合が多いので相当な暗記量が求められます。
受験直前の丸暗記だけで対応できるボリュームではないので、高1の頃からコツコツと暗記の習慣を付けておく必要があります。
最低限、学校の授業をしっかり聞き、教科書に出てくる太字の用語を覚えること、その用のの関連情報を理解しておくことはしておきましょう。1回覚えただけではすぐに忘れてしまうので、定期的に何度かノートを見返すなど反復の意識を持ちましょう。
高1で必要な大学受験対策の勉強時間は?
本格的な大学受験対策を行うのは高3になってからかもしれませんが、高3の受験期というのはどんなに勉強しても勉強しても時間が足りなく感じるものです。
もっと早い時期から勉強しておけば良かったと後悔しなくて済むように、心理的に余裕のある高1のうちからある程度の勉強時間を確保して少しずつ大学受験プレ対策を進めていきましょう。
まずは受験勉強習慣!毎日勉強時間を確保しよう!
高1の間は一体どれくらいの勉強時間を確保すれば良いのでしょうか。
高1からいきなり6〜7時間も勉強するなど根を詰めすぎても途中でバテてしまうかもしれないので、まずは毎日1時間でも必ず机に向かうといった毎日の勉強習慣を作ることを目指しましょう。
高1の1日の勉強時間は1~2時間
高1の1日の勉強時間は最低1時間、できれば2時間くらいを目標に設定すると良いでしょう。
1日1〜2時間でも毎日コツコツ続けている人とそうでない人では、高2高3になったときに大きな差となっていることでしょう。
高1夏休みの受験対策 夏休みの勉強計画と勉強時間
高1の夏休み。遅れを取り戻す大きなチャンス期間なので、しっかりと勉強計画を立てて夏休み明けのテストで結果を出したいですね。
高1の夏休みの受験勉強スケジュール 勉強計画の立て方
高1の夏休みにおける受験勉強スケジュールの立て方ですが、優先すべき教科は数学と英語です。
数学と英語に関しては、1学期の内容が分からないままだと2学期以降とんでもなく苦しむことになってしまいます。そうならないように、夏休みを活かして1学期で習った公式や文法をきちんと使いこなせるようにすることが最優先事項です。
数学と英語の2教科に対してある程度の自信を付けることを目標とし、並行して学校から出される各教科の夏休み課題を早めに終わらせることを優先すれば大丈夫です。
夏休みの宿題も終われば、残った時間で文系志望ならば社会科目を中心としたスケジュールを、理系志望ならば理科科目を中心としたスケジュールを立てるとよいでしょう。
高校の理社は覚えないといけない知識量が膨大なので、高1の頃から少しでも復習しておく方が受験期を有利に過ごすことができます。
高1の夏休みの受験勉強時間は?
高1の夏休みにおいては、1日3~4時間を目安に勉強時間を確保してみましょう。一気に3~4時間勉強するというよりは、昼と夜で2時間ずつに分けるなどすると無理なくこなせると思います。
高1の夏休み中、毎日4時間ずつの勉強を続けることができれば、1学期の遅れを十分取り戻すことができるはずです。
高1の夏休みは1学期の復習と2学期の予習を計画的に!
高1の夏休みは1学期の復習をすることが最優先ですが、2学期の予習まで計画的に行うことができれば言うことなしです。
やはり1学期と比べて2学期で学習する内容は難易度も上がりますので、時間に余裕のある夏休みの間に多少なりとも2学期の予習をしておくことが理想です。
高1冬の模試の偏差値と大学選び
高1冬の模試結果の偏差値については、大学選びの1つの目安にすることはできます。高1の1年間を過ごしてきた時点での自分の実力がどれくらいなのかを測ることができる模試ですので、その結果によって今の自分ならどのような大学がチャレンジ圏・努力圏・合格圏内なのかをチェックしてみることで大学受験へのモチベーションにもつながるかもしれません。
高1の模試結果は判定や偏差値より抜け漏れ確認に活かせ!
ただし高1の模試結果については判定や偏差値を見て一喜一憂するよりも、抜け漏れ確認に活かすことが最も重要です。
模試に出題される問題は良問も多く、本番の入試において類似問題が出る可能性が十分あります。
模試で間違えた問題は必ず解答解説を読み、なるほどそういうことかと納得できる段階まではもちろん、再度問題を見て自力で解けるようにしておくことが大切です。
特に低い偏差値を取ってしまった科目については、基礎固めからやり直す必要性が高いです。
高1からの大学選びは模試の科目別偏差値を参考に
高1からの大学選びにおいては模試の科目別偏差値を参考にすることも1つの手です。
例えば英語の偏差値が高く、国語の偏差値が低い場合は、2次試験の試験科目に国語が設定されていない大学を探してみるという作戦があります。英語の配点比率が大きく設定されているような大学・学部もありますよ。
ただ1つ注意点としては、入試科目ばかりに目を向けて大学選びをしてしまうと、無事に合格はできたとしても入った後に後悔してしまう可能性があります。
その大学に入ったら自分のやりたいことができるのか、将来の夢につながりやすい環境があるのかといった視点を持ち大学選びをすることも大切です。