2021年と2022年の共通テストの違い。入試傾向や難易度はどう変わったのか?
2年目を迎えた共通テストですが、初年度と比較してどのような面が違ったのでしょうか。ここでは、前年の共通テストとの傾向の違いや難易度の変化について解説します。
共通テストの入試傾向の変化
2年目を迎えた2022年度の共通テストは、前年同様センター試験に比べて問題文の分量が多い傾向が続きました。そのため時間的な余裕がなく、全てを解ききることができなかった人が多かったのではないでしょうか。また、思考力を問う傾向がより顕著となり、基礎的な学力は当然として、それを応用できる力について問われていると言えます。
2022年度は難化したのか?難易度の変化
2022年の共通テストは前年(2021年)に比べ大幅に難化しました。
とくに生物、数学Ⅰ・AとⅡ・Bは20点前後下がり、日本史Bや倫理、化学も10点近く低下しました。2020年度までのセンター試験を含めても、数学Ⅰ・A、日本史B、化学、生物は過去最低値で、前年に比べて難化の度合いが激しかったと言えます。
ただ昨年度は公民・理科で得点調整が実施されましたが、今年度は科目間の差が大きくなることはなかったため、得点調整はありませんでした。

大学別や大学レベル別の平均点の変化
上述通り、2022年の共通テストは前年に比べて大幅に難化しました。
文系の7科目型平均点が前年より40点以上、理系の7科目型平均点は50点以上下がり、2004年以降で最も低い点数となりました。
2013年にも、センター試験の平均点が前年より大きく下がりました。この時は点数の低下を受けて国公立大学の出願を断念する受験生が多く見られました。浪人を避けるための安全志向が目立ち、医学部を始めとした難関学部から他の学部への変更が目立ちました。
2022年共通テスト問題からみる2023年共通テスト問題の出題傾向予想

出題形式は前年を踏襲
試行調査・2021年・2022年と実施され、概ね共通テストの形式は整ってきたと思われます。
センター試験においては、同形式の問題が続くと塾・予備校がパターン化して対策を受験生にたてさせるのを防ぐため、おおよそ2年ごとに問題を再検討・マイナーチェンジをしていたと考えられます。そのため3年目となる2023年は2021年・2022年とはややことなる問題が出題される可能性はあります。
しかし、出題形式などがある程度定着してきたと思われるため、2023年は出題傾向を大きく変える可能性は少ないと考えられます。
試行調査や2021年・2022年の問題形式に慣れておくことが重要な対策になるでしょう。
数学や化学は難易度が下がる可能性
上述通り、2022年は数学IA・ⅡBや化学が難化し、平均点が前年と比べて大きく下がりました。そのため、2023年度は難易度の易化と、出題量の減少が予想されます。とはいえすべてが平易な問題ということではなく難問の出題も予想されるため、平易な問題は確実にかつすばやく解けるように、そして難問を解く時間を確保できるように準備する必要があります。
知識をもとに思考力を試す問題は引き続き出題
共通テストではセンター試験のように知識のみが問われる問題ではなく、その知識をもとにした応用力・思考力が試されます。理科であれば実験結果の考察、社会であればグラフや統計・史料などを読み解いた上での回答などが求められ、暗記や計算のみでは太刀打ちができません。 基本的な知識や公式などは確実に身に着けた上での応用力を鍛えることが必要です。
2023年共通テスト利用ができる私立大学予想
現在のところ下記の私立大学では、共通テストの利用による入試方式の適用が予想されます。基本的には共通テストの得点のみで合否の判定が行われます。一般入試と同様に共通テストの3教科の結果のみで出願可能な大学も増えてきており、私立大学の共通テスト方式の志願者は増加傾向で、今後も増加していくと考えられます。また、志願者数の増加とともに、共通テスト利用の募集定員を拡大する大学も増加傾向にあり、苦手科目を避けて得意科目だけで勝負するという戦略も考えられます。
※同じ大学でも、どのぐらいの得点率(9割、8割等)が求められるかは、学部によって異なります。また、個別試験が課される場合があります。
※詳しくは出願要件をご確認ください。
2023年国公立大学入試の共通テストボーダー予想
ボーダーラインは各予備校が設定した、合格者の割合が”指定した割合”になる点数のことを指します。前年度の入試結果や募集人員など様々な要素を分析して設定されます。
この”指定した割合”は予備校によって異なり、河合塾の場合は合格者の割合が50%になる点数を、駿台・ベネッセdは合格者の割合が60%になる点数をそれぞれボーダーラインに設定しています。
共通テストでボーダーラインを割る点数であっても、二次試験で良い点数を取ることで合格する場合もあります。
大手予備校の模試を受けると志望校の合格可能性を判定してくれます。A判定・B判定・C判定等の指標がありますが、あくまでもその模試の受験者の得点から算出されたものです。指標の1つとして活用しつつも、実際の志望大学のボーダーを念頭に置いて準備を進めましょう。
各大学のボーダーは、大学の公式WEBサイトや赤本等にも「合格最低点」「得点率」などの項目で掲載されている場合があります。ぜひ、志望校のボーダーをチェックして模試や過去問に挑みましょう。
90%以上必要な大学
共通テストのボーダーが90%以上の大学は次の通りです。
85%以上必要な大学
共通テストのボーダーが85%以上の大学は次の通りです。
80%以上必要な大学
共通テストのボーダーが80%以上の大学は次の通りです。
75%以上必要な大学
共通テストのボーダーが75%以上の大学は次の通りです。
70%以上必要な大学
共通テストのボーダーが70%以上の大学は、その他の国公立大学です。
共通テスト対策はいつからするべき?

共通テスト対策は、いつから取り組むのがよいのでしょうか。
ここでは国公立・私立および最難関・医学部にわけて、それぞれいつごろから始めるのがよいかについて記載しました。
ご自身の第一志望がどこかによって取り組むのが良い時期も変わってきますので、参考にしてください。
国公立大学(理系・文系)

英語・数学・現代文を除く2次試験の受験科目でない科目については、遅くとも夏以降は対策が必要です。理系の場合は古文・漢文と社会科目、文系の場合は理科・社会の2次試験受験科目でない科目については、遅くても夏休みから取り組むようにしましょう。
2次試験の受験科目については基礎固めは早急に終わらせて2次試験対策を行い、11月頃から共通テスト対策を始めましょう。2次試験対策がそのまま共通テスト対策になりますが、基礎固めができていないまま取り組んでも結果が出にくいので注意しましょう。
私立大学(理系・文系)

私立大学を第一志望にする場合は、基本的には一般入試を重視するのが鉄則です。そのため、共通テスト対策は直前期に行います。
個別の入試の過去問演習を優先しながら、余裕がある場合は11月くらいから共通テストの勉強も始めるといいでしょう。
注意したいのが、一部の大学や学部・学科では共通テスト受験が必須となっていることです。
たとえば立教大学は、全学部で大学独自の英語試験を廃止し、共通テストの英語か英検やTOEICなどの外部検定を判定に用いることになっています。
志望大学・学部の受験科目などはあらかじめチェックしておきましょう。
最難関大学(東大・京大)

東大・京大を受験するためにはもちろん共通テストの受験が必要ですが、配点は2次試験のほうが高めです。ただ足切りがありますので、共通テストで十分な高得点を得る必要があります。
2次試験に必要でない科目についても遅くとも夏頃から準備を始め、11月ごろからすべての科目で本格的に共通テスト対策を始めましょう。
医学部

とくに国公立大学の医学部を受験する場合、二次試験の勉強については十分に対策ができているという前提で考えるなら、11月頃から始めることをおすすめします。センター試験のときと同様、共通テストでも足切りがあります。共通テストで十分な高得点を見込めるよう、11月ごろには共通テスト対策を始めましょう。
11月・12月に大手予備校の共通テスト模試が開催されます。これを受験して自分に足りないもの、苦手な科目や問題などを把握・分析し、早急に対策をしなくてはなりません。
共通テストに関するアンケート結果では、勉強を始めるのに最適な時期と実際に始めた時期にズレが
じゅけラボでは、2023/4/26~2023/5/2の期間で、大学入学共通テストを受験したことがある方を対象に、大学入学共通テストに関するアンケートを実施しました。

「大学入学共通テストの勉強はいつから始めましたか?」という質問では、ボリュームゾーンが高3の4月~6月、高3の7月~9月、高2の10月~12月という結果になりました。

「共通テストの勉強はいつから始めるのが良いと思いますか?」という質問では、ボリュームゾーンは高2の10月~12月、高2の7月~9月、高1の4月~6月という結果になりました。
この結果から、実際に共通テストの勉強を始めた時期と、勉強を始めるのに最適だと思う時期にずれがあることが分かります。

個別の回答を見ても、「勉強をいつから始めるのが良いか」の質問で回答した時期より実際に勉強を始めた時期の方が遅かった人が半数以上を占め、共通テストの勉強を始める時期は早ければ早いほど良いということが分かります。

志望校合格のためには、早めの戦略立案・対策を

上記のアンケート結果を見ても分かるように、共通テスト対策は早めに取り組んだほうが有効です。
ただ、基礎的なことができていないままに闇雲に過去問に取り組んでも効果はありません。
受験大学や教科・科目によって取り組む時期に差はありますが、基本的な知識を身につけたうえで余裕を持って対策を始めましょう。
共通テスト対策ならじゅけラボ。カリキュラムの特徴はこちらセンター試験過去問は現役生にも浪人生にも共通テスト対策としておすすめの問題集・教材
共通テスト対策に引き続き有効なセンター試験の過去問には、時間をかけて作成された良問が多く存在します。なぜかというと、ほとんどの受験生が受験するだけでなく、その得点はそれぞれの大学の入試結果に大きく影響するからです。
センター試験の過去問には、学力の基礎となる要素が随所にみられます。また、今年実施された共通テストに関しても同様です。共通テストに向けた対策をすることは、結果として基礎固めに繋がるのです。浪人生・現役生問わず必携の問題集であることは間違いないでしょう。
授業で基礎基本を習得するのはもちろんのこと、センター試験・共通テスト対策に取り組むことで基礎固めを徹底的に行うことは、合格・高得点への欠かせないルートです。
2023年度の科目別共通テスト対策方法
上述通り、2022年度の共通テストの出題形式は概ね前年度を踏襲しており、2023年度も大きくは変わらないと考えられます。そのため2023年度の共通テスト対策の勉強法としては2021年・2022年度の共通テストを過去問とし、これまでの対策を基本とするとよいでしょう。
知識をもとにした応用力・思考力を試される問題が出題されるため、知識/公式の暗記にとどまらない学習をふだんから心がける必要があります。
英語
2022年度の共通テスト英語は、2021年度と大きな傾向の変化は見られませんでした。出題形式に若干の変化はあったものの文法やアクセントの問題は前年度と同じくなくなり、応用力・思考力を問われる問題が主となっています。
リーディングに関しては大幅に語数が増え、読解のスピードが求められました。ただ平均点は前年度(2021年度)と大差なく3点のアップだったため、大きく易化・難化することはないものと予想されます。
英語は積み重ねが必要な教科のため、早いうちから基礎・基本の定着を図り、その上でセンター試験・共通テスト過去問および準拠の問題集で演習を積んでいきましょう。
共通テスト 英語の対策について詳しくはこちら数学
2022年は前年度に比べて難易度が大きく上がり、平均点が大幅に下がりました。そのため2023年度は分量・難易度とも易化する可能性がありますが、けっして油断せずに準備しましょう。
2021年・2022年度ともに箱ひげ図やヒストグラム、散布図などの資料の読み取り問題が出題され、2023年度でもその傾向が続くものと思われます。
また、思考力・応用力が問われる問題が出題されるため、マークに絞った対策問題よりしっかり答案を書く練習をするほうが有効です。
共通テスト 数学の対策について詳しくはこちら国語
2021年度と比較して大きな傾向の変化は見られず、思考力を問う傾向が強化されました。複数のテキストや資料を比較して検討するという出題形式は2022年も踏襲され、2023年度も引き続き出題されることが予想されます。
基本的な語彙や知識をベースにした思考力・応用力を身につけることが今後の学習ではますます欠かせなくなっています。
共通テスト 国語の対策について詳しくはこちら生物
2022年度の生物は前年に比べて難化しました。その分2023年度はやや易化する可能性がありますが、2021年の第2日程の平均点とはさほど変わらなかったため、易化するとしても大幅な易化は考えにくいと思われます。
生物の知識に対するしっかりとした理解を前提とした出題で、暗記中心の学習をしていてはまったく太刀打ちできない内容となっています。分野に跨がる融合問題やデータから読み取る問題、実験結果から考察する問題が出題され、生物的知識に基づく思考力・応用力が求められています。また文章量が長くなっており、読解力・処理能力も必要とされているので、入念な準備が必要です。
共通テスト 生物の対策について詳しくはこちら化学
他の科目と同じように、図やグラフなどから読み取り答えさせるといった出題が目立ち、センター試験とは異なり思考力や応用力が問われています。大きな傾向は2023年度も変わらないと考えられますし、2022年度の共通テスト化学は前年度に比べて難化したため、2023年度は易化が予想されます。とはいえ知識や公式の暗記だけでは太刀打ちできない、分野に渡った融合問題や考察問題が出題されるため、決して油断せず入念な準備をしましょう。
共通テスト 化学の対策について詳しくはこちら物理
2022年度は2021年度に、引き続き公式や解法を丸暗記しただけでは対応できない応用力を問われる問題が出題された。また物理の全範囲からの出題で、特定分野だけに偏った出題がされることはないということも同じで、2023年度もその傾向は続くと思われます。
大問1は小問の集合、大問2〜4は各分野からの出題で、その傾向は続くと考えられます。
共通テスト 物理の対策について詳しくはこちら地学
2022年度の共通テスト地学は大問数は5題で2021年とかわらず、第1問は総合問題として「地学的発見」をテーマに大気・海洋、天文、地震、地史、岩石の各分野の地学現象についての基本的な知識問題・考察問題が出題され、第2問〜第5問は各分野からの出題と、各分野からバランスよく出題されました。
前年度に引き続き単純な知識問題は減少し、探究活動となる実験や観察の記録を題材に考察する問題、図やグラフから必要な情報を抽出して関係性や傾向をとらえる問題を中心に出題されました。この傾向は2023年度も続くと思われます。
共通テスト 地学の対策について詳しくはこちら生物基礎
2022年の生物基礎は、生物の基本的な知識・用語を正しく理解し、それを活用できているかを問う設問が目立ちました。考察問題の比率が増えており、基本的な知識を基にした応用力や思考力を問うという、共通テストの傾向通りの出題だったと言えます。
特定の分野に偏ることなく幅広い分野から出題され、教科書の内容が身についていないと差がついたものと思われます。
共通テスト 生物基礎の対策について詳しくはこちら化学基礎
2022年の化学基礎は、前年度と同じく大問1は小問集合形式、大問2が総合問題でした。大問2はグラフや表を基に解答を導く必要がある読解力や応用力が求められる問題で、基本的な知識を基にした思考力・応用力を問うという共通テスト全体の傾向どおりの出題でした。この傾向は2023年度も続くと思われます。
共通テスト 化学基礎の対策について詳しくはこちら物理基礎
2022年の物理基礎は、マーク数は減ったものの公式を用いるだけで解けるような設問が減り、思考力・判断力を必要とする設問が増えました。また計算問題や思考力を問われる問題などさまざまな形式の問題が出題されました。
基礎的な知識を基にした応用力や判断力などを問う共通テスト全体の傾向に沿った出題で、この傾向は2023年度も変わらないと思われます。
地学基礎
2022年の地学基礎は前年度よりも大問が一つ増えたもののマーク数は変わらず、各分野からバランスよく出題されました。
地学の基本的な知識・用語を正しく理解し、それを活用できているかを問う設問が目立ちました。考察問題の比率が増えており、基本的な知識を基にした応用力や思考力を問うという、共通テストの傾向通りの出題でした。
共通テスト 地学基礎の対策について詳しくはこちら日本史
2022年度の日本史Bは正確な歴史知識をもとにした思考力や推論する力が試される出題で、前年に比べて難化し、平均点が大幅に低下しました。
前年度に引き続き会話やメモを用いながら1つのテーマについてさまざまな角度から考察させる問題が出題され、地図や絵図、写真・グラフなどを駆使した出題は定着したと考えられます。
今後も知識をもとに思考力を試す傾向は変わらず、一問一答などの暗記中心の学習では共通テストには対応できないと思われるため、正確な知識を身につけた上でその知識を応用できるように準備しましょう。
共通テスト 日本史の対策について詳しくはこちら世界史
2022年度の世界史Bは前年と比べて難度に大きな差はなかったものの、出題傾向などに若干の違いが見られました。空所補充の語句と文の組合せ問題が減少し、代わりにセンター試験でよく出題された正誤判定問題が増加。また2021年度は近現代からの出題が多かったのに対して、2022年度は全時代からの出題でした。
とはいえ地図や資料などの資料を用いた考察問題・応用力を問う問題が多く出題され、正確な知識をもとにした思考力や応用力を問うという共通テストの傾向は変わらっていません。2023年度も出題地域や分野、時代の違いは見られるかもしれませんが、この大きな傾向は変わらないでしょう。
共通テスト 世界史の対策について詳しくはこちら地理
2022年度の地理は前年度から引き続き、正確な知識を基にして各資料から論理的に正解を導く必要がある問題が出題されました。この傾向は続くものと思われ、まずは地理に関する正確な知識を身につけることを前提として、思考力・応用力が求められる出題がされると考えられます。
自然災害や環境問題、あるいはSDGsなどの地球規模の課題や、人口構成の変化などから推測する地域的課題などのテーマに基づく出題が目立ち、教科書の知識だけでなく、時事的なテーマや身近な体験から考えさせる問題も見られるため、地理的な事象を日常から問題意識をもって観察することが有効と言えます。
共通テスト 地理の対策について詳しくはこちら政治経済
2022年度は前年度に比べて設問の数は同じでも問題の分量が増え、速読力が求められました。問題の傾向としては他の科目と同じく、正確な知識をもとにした思考力や応用力を求める問題で、この傾向は2023年度も続くと思われます。
特徴として、選択肢が6つ以上ある設問が年々増えており、より正確な知識が求められるようになっていると言えます。出題範囲は教科書を超えることはありませんが、曖昧に覚えているだけでは太刀打ちできないと言えるでしょう。
共通テスト 政治経済の対策について詳しくはこちら倫理
2022年度の共通テスト倫理は前年度と出題範囲や設問数、問題の構成に変化はありませんでした。しかし資料・統計に関する問題が増え、難易度は若干上がったと言えるでしょう。他の科目と同じように、正確な知識をもとにした応用力・思考力を求める共通テストの趣旨に沿った出題で、この傾向は2023年も同様と思われます。
細かい知識を問うよりも、現代の事例・具体例に沿って出題する例が目立ち、この傾向も続くと思われます。時事や社会的な事象に目を向けておくことが対策になりますので、日頃から社会に関心を持っておくことが大事です。
共通テスト 倫理の対策について詳しくはこちら倫理、政治・経済
2022年度の倫理、政治・経済は、前年度と同様、会話文・資料文を読ませる設問が多く出題されました。2023年度も大きな変化はないものと予想されます。
特に政治経済分野では知識に加えて文章読解力・資料読解力・論理的思考力などが必要とされ、基本的な知識を身につけていることを前提として論理的な思考力や応用力が求められる共通テストの全体的な傾向どおりでした。
会話文や資料文を読ませる設問が多く出題され、読解力・速読力がないと回答に時間がかかると予想されます。読解力・速読力を鍛えることが求められます。
現代社会
2022年度の共通テスト現代社会は、前年度と比較して問題の構成や出題範囲、設問数に変化はなく、2023年度も大きな変化はないものと予想されます。概ね半分が知識が身についているかを問う問題、半分が知識を身に着けた上での思考力・応用力を問う問題で、他の科目と同様に共通テストの趣旨に沿うものとなっています。
設問数や難易度に大きな差はありませんでしたが、設問文がセンター試験に比べて長くなっており、読解力のない受験生にとっては難易度が上がったように思われるかもしれません。長文を素早く読み趣旨を掴む力をつけておくことが求められます。
共通テスト 現代社会の対策について詳しくはこちら大学入試共通テスト2023年度(令和5年度)科目別対策
2021年・2022年の共通テストの出題形式、出題傾向、難易度等を基にして、2023年の共通テスト対策を科目ごとに最適な対策を行いましょう。センター試験ほど過去問がたくさんないからこそ、正しい分析、早い時期からの対策が必須です。共通テストの科目別問題傾向と対策を詳しく説明していますので、是非参考にしていち早く共通テスト対策を進めていきましょう。
2023年度(令和5年度)の共通テスト日程
出願から共通テスト当日までのスケジュール
2023年度の共通テストは、2023年1月14日(土)・15日(日)で実施予定です。
例年どおりであれば、6月頃に選抜要項発表、10月上旬に出願開始となります。
そして共通テストの自己採点結果をもとに最終的な出願校を選定していきます。
共通テスト当日のタイムスケジュール
2023年度の共通テストは上述通り2023年1月14日(土)・15日(日)の2日間で実施。
出題教科と試験時間は下記のとおりとなっています
- 国語 80分
- 地理歴史・公民 1科目選択 60分、2科目選択 130分うち解答時間120分
- 数学 数学I 70分、数学Ⅱ 60分
- 理科 理科1 2科目選択 60分、理科2 1科目選択 60分/2科目選択 130分うち解答時間120分
- 外国語(英語) リーディング 80分、リスニング 60分うち解答時間30分
共通テスト当日のタイムスケジュール ※試験時間は2022年度のもの
試験日 | 教科 | 科目 | 試験時間 |
---|---|---|---|
1月14日(土) | 地理歴史公民 | 世界史A 世界史B日本史A 日本史B地理A 地理B現代社会 倫理政治経済 倫理・政治経済 | 2科目選択9:30 - 11:401科目選択10:40 - 11:40 |
国語 | 国語 | 13:00 - 14:00 | |
外国語 | 英語ドイツ語 フランス語中国語 韓国語 | 英語(リーディング)ドイツ語 フランス語中国語 韓国語15:10 - 16:30 英語(リスニング)17:10 - 18:10 | |
1月15日(日) | 理科① | 物理基礎 化学基礎生物基礎 地学基礎 | 9:30 - 10:30 |
数学① | 数学I 数学I・A | 11:20 - 12:30 | |
数学② | 数学Ⅱ 数学Ⅱ・B簿記・会計 情報関係基礎 | 13:50 - 14:50 | |
理科② | 物理 化学 生物 地学 | 2科目選択15:40 - 17:501科目選択16:50 - 17:50 |
2023年共通テスト対策カリキュラム
志望大学の共通テストボーダーを踏まえた学習内容と学習計画

志望大学・学部が決まり、合格に必要な共通テストボーダーがはっきりしたら、現在の学力と照らし合わせて合格するためにはどんな勉強をしなければいけないのか、どれくらいの時間と量の学習をしなければいけないのかを把握しましょう。
ひたすら問題演習をくりかえしたりたくさんの参考書を読んだりしても必要な学力は身につきません。
何をどれくらい勉強しなければいけないのかを正確に把握し計画を立てましょう。
共通テストの入試傾向と対策を明確にした効率的な勉強

試行問題・2021年度・2022年度と経過してきてはっきりしてきたのが、共通テストの趣旨に沿って単に知識を覚えるだけでは対応できない問題が出題され、思考力や判断力・応用力が問われるということです。
正確な知識・理解は当然として、それを基にした応用力・思考力です。そのため、単に暗記量を増やすだけでは太刀打ちできません。
共通テストの傾向と照らし合わせて、最短の時間で合格できるよう効率的な学習を行いましょう。
思考力を必要とする問題を解く力を身につける

各種の資料や統計・グラフから読み解く、会話文や長文から出題意図などを正確に読み解くなど、単なる知識・公式の暗記だけでは太刀打ちできない出題がされています。
まずは教科書内容の正確な理解と知識の確実な定着のうえで、思考力・応用力を身に着けられるよう準備することが求められます。
単なる暗記や問題をひたすら解くといった学習では合格は覚尽きません。共通テストで求められる学力を身に着けられるような学習をこころがけましょう。
大切なのは、早期に対策を始めること。そして共通テストで求められる学力が身につけられるように計画を立て学習をすすめることです。
じゅけラボ予備校なら、ひとりひとりの現状に合わせた最短距離で効率的にすすめるオーダーメイドカリキュラムに沿って学習ができます。
令和7年(2025年度)さらに変化!大学入学共通テストの出題科目
高等学校の新学習指導要領が定まり、2022年4月に高校に入学する生徒から順に新学習指導要領に基づく授業を受けることになっています。それに伴い2025年度入試から出題教科や内容が変更されます。
大学入学共通テストも大幅に刷新されることになっています。
教科「情報」が加わり、現行の6教科30科目から7教科21科目となります。
また、試験時間も変わることになります。
出題教科・科目の変更点は下記のとおりとなっています。
現行 | 2025年度 | |
---|---|---|
国語 | 国語 | 国語 |
地理歴史 | 世界史A・B日本史A・B地理A・B | 地理総合、地理探求歴史総合、日本史探求歴史総合、世界史探求地理総合、歴史総合、公共公共、倫理公共、政治経済 |
公民 | 現代社会倫理政治経済倫理、政治経済 | |
数学 | 数学I、数学I・A数学Ⅱ、数学Ⅱ・B簿記・会計情報関係基礎 | 数学I、A数学I数学Ⅱ、B、C |
理科 | 物理、物理基礎化学、化学基礎生物、生物基礎地学、地学基礎 | 物理、物理基礎化学、化学基礎生物、生物基礎地学、地学基礎 |
外国語 | 英語ドイツ語フランス語中国語韓国語 | 英語ドイツ語フランス語中国語韓国語 |
情報 | ー | 新設 |
大学入学共通テストについてのよくある質問
2022年度の共通テスト、前年度との違いは?
昨年度同様、思考力を問う傾向がより顕著となり、基礎的な学力は当然として、それを応用できる力について問われていると言えます。
共通テストが利用できる私立大学は?
多くの私立大学で共通テストを利用した入試が実施されており、さらに拡大しています。
共通テストのボーダーはどれくらい?
共通テストのボーダーは大学ごとに異なります。9割以上の得点が必要な大学もあれば、7割程度の得点で合格可能性がある大学もあります。
センター過去問は共通テスト対策になる?
共通テストではセンター試験から形式や傾向が変わった部分がありますが、センター試験の過去問は共通テスト対策になります。
共通テスト対策はいつからするべき?
共通テスト対策は今からでもすぐに始めましょう。できるだけ早く傾向把握に取り組むことが大切です。
共通テストの対策方法は?
共通テストは2021年・2022年と実施され、傾向が定まってきました。対策するには、この出題傾向をしっかりと分析して、共通テストに必要な学習に絞って進めていきましょう。
どんな塾・予備校を選べばいいの?
共通テストの傾向をきちんと把握して指導してくれるところを選びましょう。もちろんじゅけラボでは共通テストの傾向と難易度、出題範囲を把握してカリキュラムを提供します。
2023年度は2022年に比べて難易度は下がると言われていますが本当でしょうか?
2022年の共通テストは数学・化学などの難易度が上がり平均点が大幅に下がりました。そのため例年の傾向から、翌年(2023年)は難易度を調整するという予想がされています。
しかしもしかすると、他の科目の難易度が大きく上る可能性もあります。
受験生がやるべきことはどのような出題がされても対応できるように準備をし、対策をすることが重要です。