医学部受験対策のための勉強法

医学部受験の勉強時間はどのくらい?高1・高2・高3・浪人別に解説

勉強する女子学生

講師

本ページでは以下のことがわかります。

医学部受験の勉強時間について現役高校生、浪人別に詳しく解説します。医学部現役合格を実現した先輩たちが高1・高2・高3の時に平日と休日に何時間勉強していたのか調査したデータも紹介して勉強時間について詳しく掘り下げます。

医学部受験生の勉強時間はどのぐらい?

医学部受験生の勉強時間はどのぐらい?

狭き門である医学部の合格のために、どれくらいの勉強時間の確保が必要なのでしょうか。また、いつから受験勉強を始めればいいのでしょうか。

一般に、医学部に合格するために必要な学習時間の総計は5000時間と言われています。これは学校の授業の時間を除いての時間(予備校での授業時間は含む)で、高1のはじめから医学部の受験勉強を始めるのであれば3時間/日(週20時間程度)、高2から始めるなら4時間/日(30時間程度)、高3になってから始めるなら6時間/日(週40時間程度)が必要な勉強時間の目安です。

また、浪人生の場合は一日に13時間(週90時間程度)の勉強時間が目安ということになります。高1のときに勉強をせず、高2・高3になってから勉強を開始するのであれば、1日に必要な勉強時間は増えるということです。医学部を受験するのを決めるのは早ければ早いほどよいことがわかります。

 早い段階から志望大学を決める事が出来れば、志望大学に合わせた対策を考えスケジュールをたてることができますし、余裕を持って自分にあった勉強方法を確立することもできます。

医学部に【現役合格】した学生の平日と休日の勉強時間は?調査結果から明らかに。

医学部現役合格を実現した学生が高校生の時の平日と休日に何時間勉強していたのかを調査しましたので、そのデータをもとに勉強時間について解説します。

医学部現役合格者の【平日】3時間以上勉強をしている学生の割合

(n=第一志望大学医学部に現役合格できた19~24歳の男女89人。調査期間:2024/03/05~2024/03/12)

勉強時間高校1年生高校2年生高校3年生
3時間以上43.82%53.93%76.41%
4時間以上25.84%35.95%62.93%
5時間以上13.48%25.84%48.32%
6時間以上7.86%13.48%32.59%
7時間以上5.61%7.86%24.72%
8時間以上4.49%4.49%19.10%
9時間以上3.37%4.49%10.11%
10時間以上3.37%3.37%8.99%
11時間以上3.37%3.37%5.62%

医学部に現役合格した学生の平日の勉強時間の調査結果から、高1から高3にかけて、長時間勉強する学生の割合が顕著に増加していることが確認できます。特に高3では、平日にもかかわらず約8割(76.41%)が3時間以上、約5割(48.32%)が5時間以上、約3割が6時間以上勉強しており、医学部現役合格という目標達成に向けた強い意志と努力が反映されています。

医学部現役合格者の【休日】3時間以上勉強をしている学生の割合

(n=第一志望大学医学部に現役合格できた19~24歳の男女89人。調査期間:2024/03/05~2024/03/12)

勉強時間高校1年生高校2年生高校3年生
3時間以上44.95%64.04%85.41%
4時間以上30.34%43.82%70.80%
5時間以上21.35%33.71%59.56%
6時間以上19.10%23.60%44.95%
7時間以上15.73%16.86%39.33%
8時間以上12.36%13.49%31.46%
9時間以上6.74%6.75%21.35%
10時間以上3.37%4.50%19.10%
11時間以上2.25%2.25%12.36%

医学部現役合格生の休日の勉強時間の調査結果から、高1の約半数(44.95%)が3時間以上勉強しており、5時間以上勉強する学生に関しては約2割(21.35%)いる事がわかりました。これは高校生活の早い段階から受験に向けた意識が高まっていることを示しています。

高2では、5時間以上の割合が約3割(33.71%)と増加していて受験への準備をより本格的に始めていることがうかがえます。

面白い事に、6時間以上勉強している医学部受験生の割合が高1と高2を比べても大きく変化していない事から、高1の時から休日に6時間以上勉強している意識高い学生が、そのまま高2になっても勉強していると想定されます。

高3になると休日における勉強時間はさらに増加し、約6割(59.56%)が5時間以上、約4割(44.95%)が6時間以上、約3割(31.46%)が8時間以上と長時間勉強に取り組んでいます。

10時間以上勉強する学生の割合も約2割(19.1%)に達し、医学部現役合格者は特に高校3年生の時に、休日を最大限に活用して勉強時間を確保していることが明確にわかりました。

>医学部現役合格者の勉強時間に関する調査データ

平日と休日での勉強時間と1日のスケジュール例

医学部を目指すなら、平日は学校から帰宅して3時間、休日は7時間以上の勉強時間を目安としましょう。

医学部受験のための勉強を開始するのが遅くなれば、一日あたりの学習時間は増えていきます。とはいえ、医学部に合格をする受験生は現役・浪人生を問わず、睡眠時間はしっかり確保しています。

8割以上の医学部受験生が6時間以上の睡眠を確保しており、部活との両立をしている人も多いです。睡眠不足に陥ると、勉強に対する集中力も低下し、記憶の定着にも害があり、時間をかけて勉強をしてもいっこうに結果が出ないということもありえます。

スマホやゲームなどの無駄な時間を減らす、休日に時間を確保して平日の不足を補う、適度に休憩を挟んで集中力をキープするなどの工夫をし、睡眠時間の確保が必要です。

高校1年生から医学部を目指す場合の勉強時間の目安

医学部というと特別だと思ってしまいがちですが、一部の私立を除き、高校の教科書の内容しか問われません。教科書の内容を完全に理解したうえで応用力を磨くことで、合格のための学力を身につけることができます。そのため、高1の段階では受験勉強のための特別な勉強というのは必要なく、まずはしっかりした基礎を身につける・徹底することを意識していただければと思います。

では「基礎とはなにか?」ですが、高1で行われる授業はすべてが基礎となります。たとえば、数Ⅰで理解できないところがあれば数Ⅱ・Ⅲはもちろん、理科の科目も全く理解できないこともありえますし、化学基礎でmolの理解が不十分であればその後の計算をすべて落としてしまうことになります。

では、必要な勉強量・勉強時間はどれくらいで、どのように学習を進めていけばいいでしょうか?

勉強時間の目安

医学部に現役合格した学生を対象とした調査結果(※上部の調査結果の表がある見出しに内部リンク)から、医学部に現役合格した学生は高校1年生の時に約44%が平日3時間以上、約45%が休日3時間以上勉強していることがわかりました。

冒頭でも記載していますが、高1のはじめから医学部の受験勉強を始めるのであれば、学校の授業以外に3時間/日(週20時間程度)が必要です。これは、塾・予備校での学習時間も含みます。この時間であれば、部活との両立も十分にできると思います。

医学部に受かる為に、高1で目指すべき学習目標と学習スケジュール

医学部に受かる為に、高1で目指すべき学習目標と学習スケジュール

医学部に受かる為にどれくらいの学力レベルが必要かというと

①定期テストで満点をとる

②授業準拠の問題集は、標準問題まで完璧にする

つまり、教科書の内容は完璧にすることが求められます。

そのうえで、学校の内容を先取りします。学校によりますが、教科書の全範囲が終了するのが高3の秋という場合が多いですが、それだと2次試験の学習が不十分になります。少なくとも高3の夏までに、二次試験の受験科目の基礎固めが必要です。

その対策として、

①数Ⅲまでの範囲に一通り触れておく

②英検準一級を取得する

ぐらいをしておけば、かなり有利になります。

>高1から医学部合格に向けて自宅学習を最適化したい方はこちら

高校2年生から医学部を目指す場合の勉強時間の目安

高校2年生から医学部を目指す場合の勉強時間の目安

高2から医学部入学を目指すのであれば、1日に4時間以上(週30時間程度)の勉強時間を学校の授業以外で確保することが必要です。

医学部に現役合格した学生は調査結果(※上部の表のある見出しに内部リンク)からわかるように、高校2年生の過半数は平日も休日も3時間以上勉強しており、4時間以上勉強している生徒も平日は約36%、休日は約44%いることがわかりました。

ただ、この数字には高校入学前や高1の早期から医学部受験勉強を始めた学生の割合も含まれるので、もし高校1年生部分の学習が不足している場合で、高校2年生から本格的に医学部合格に向けて勉強する場合は平日に4時間以上はもちろん、休日は勉強時間を更に伸ばして5時間以上勉強する事を目安にした方が良いです。

医学部に受かる為に、高2で目指すべき学習目標と学習スケジュール

医学部に受かる為に、高2で目指すべき学習目標と学習スケジュール

高1の時と同じく、基礎を徹底的に固めることは必須です。

高2から医学部に向けて勉強をスタートする場合の学習目標については以下を参考にしてください。

・高2の終わりまでに、英語および数Ⅰ・Ⅱ・A・Bの基本は完璧にする
数Ⅲも全範囲の習得は済ませる
少なくとも理科1科目は全範囲の習得を済ませる

とくに英語と数Ⅰ・Ⅱ・A・Bは、共通テストで8割以上が取れるレベルにまで引き上げてしておくことが目標です。

また理科では、ほとんどの大学で「化学・生物・物理から2科目を選択」となっています。基本的には化学+物理もしくは化学+生物を選択することになります。自分の実力や得意・苦手を加味して選択しましょう。

高2になると部活では中心的な存在とならなければいけませんし、学校行事もあると思います。しかし、全く勉強をしない日は作らず、継続して学習を進める習慣を高2のうちに確実に身につけておきましょう。

>高2から医学部合格に向けて自宅学習を最適化したい方はこちら

高校3年生から医学部を目指す場合の勉強時間の目安

高3になってから「医学部に行きたい!」と思い本気で医学部合格を目指すなら、学校の授業以外に6時間/日(週40時間程度)が必要です。これは、塾・予備校での学習時間も含みます。

医学部に現役合格した学生は調査結果(※上部の表のある見出しに内部リンク)からわかるように、高校3年生の約48%は平日でも5時間以上、33%が6時間以上勉強しており、休日では約60%が5時間以上、約45%が6時間以上勉強しています。

この割合には高1、高2の早期から医学部に向けて受験勉強を開始している学生の割合も含んでいるので、もし高1、高2の学習が不足している場合で、高校3年生から医学部を本格的に目指す場合は1日6時間以上を必須とし、休日は8時間以上勉強するなど、更に時間を伸ばして勉強時間を確保する事をおすすめします。

医学部に受かる為に、高3で目指すべき学習目標と学習スケジュール

高3から医学部現役合格を目指すことは、相当にハードルが高いと言えます。医学部に現役で合格する人は少なくとも高2、早い人は高1から準備して計画を立てて取り組んでいます。それでも医学部現役合格率が国公立大学が48%前後、私立大学が35%前後(平成30年度の文部科学省が公開しているデータを集計)であることを考えると、入試まで1年間を切っている状態からの逆転合格は相当に困難であることがわかると思います。

それでもどうしても医学部に合格したいのであれば、起きている時間はほとんど勉強するくらいのスケジュールを組み、モチベーションを保ち続けることができるのであれば可能性はなくはありません。

現在の学力・成績にもよりますが、現役合格を目指す場合、共通テストで国語・社会も必須の国公立ではなく、教科がある程度絞り込める私立に絞る、または志望大学医学部の入試傾向に特化した効率的な勉強法で1年間徹底的に勉強をやり抜くなどにより、合格の可能性を少しでも引き上げる工夫が必要となります。

高3から医学部受験に取り組むとなると、模試での偏差値を気にするあまり、難しい演習問題に取り組んだり、今の学力とかけ離れた問題集や参考書に取り組みがちです。しかしまずは基礎を固めることがもっとも大事です。教科書の範囲を完璧に理解・定着することからはじめることが大事です。

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浪人生から医学部を目指す場合の勉強時間の目安

浪人生から医学部を目指す場合の勉強時間の目安

現役高校生の時の学力によりトータルの勉強時間や各科目ごと時間配分は大きく変わってくると思いますが、医学部浪人生の1日の平均勉強時間は、10時間以上が推奨され、医学部を目指す多くの浪人生は1日13時間、年間約5,000時間の勉強時間を目安としています。

医学部に受かる為に、浪人生が取り組むべき学習の進め方

浪人生はまず、現在の学力と昨年度の学習方法を分析し、改善点を明らかにして同じ失敗を避けるべきです。次に、志望大学を再検討し、必要な学力と現状とのギャップを明確にして具体的な目標を設定します。

この目標に基づき、一年間のスケジュールを立て、夏までに基礎固めと苦手克服を終え、夏以降は二次試験対策に専念します。特に英数理には重点を置き、科目ごとの年間スケジュールを構築します。さらに、年間計画をもとに月間・週間、そして1日のスケジュールを立て、実行します。このプロセスでは、計画に余裕を持たせ、復習時間を確実に設けることが重要です。

勉強時間を各科目に最適に配分!勉強の効率と質を上げよう!

勉強時間を各科目に最適に配分!勉強の効率と質を上げよう!

勉強時間の最適な配分は、効率的かつ質の高い学習を実現する鍵です。各科目に必要な時間を適切に割り当てることで、全体の学習効果を最大限に高めることができます。まず、自分の強みと弱みを正確に把握し、苦手科目にはより多くの時間を確保しましょう。しかし、得意科目の学習をおろそかにしてはいけません。得意科目はさらなる得点源となるため、定期的な復習と深化を図ることが重要です。

時間管理においては、短期的な目標と長期的な目標を設定し、それに基づいて日々の学習計画を立てることが大切です。また、定期的な自己評価を通じて、学習計画の見直しと調整を行うことで、常に最適な学習スケジュールを保つことが可能になります。

ただ、勉強時間の配分が最適化されても勉強法が効率的でないと学習効果が最大化されません。科目ごとに勉強時間を最適に配分するための具体的な戦略や、効果的な勉強法に関心がある方は、以下のページをご覧ください。

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