じゅけラボ予備校は、第一志望の難関私立大学(※1)に現役合格した160名とそれ以外の第一志望の私立大学に現役合格した510名の合計670名を対象に、受験勉強の開始時期や勉強時間に関する調査を実施しました。
■調査概要
- 調査概要:大学受験勉強の開始時期・志望校決定時期に関するアンケート
- 調査期間:2024/3/5~2024/3/12
- 調査方法:インターネット調査
- 有効回答:「第一志望の難関私立大学(※1)に現役合格した19~25歳の男女160名」と「第一志望の難関以外の私立大学に現役合格した19~25歳の男女510名」の合計670名
(※1)難関私立大学と定義した大学一覧…早稲田大学・慶應義塾大学・上智大学・国際基督教大学・GMARCH・関関同立・東京理科大学
目次
難関私大・その他の私大ともに高3の春夏に志望校を決めるボリュームが多いが、早期決断の割合の違いに顕著な差
第一志望の私立大学現役合格者が志望校を決めた時期
志望校を決めた時期 | 難関私立大 | その他の私立大 |
---|---|---|
高校入学前 | 9.4% | 4.9% |
高1の4月~6月 | 1.3% | 1.4% |
高1の7月~9月 | 3.1% | 1.8% |
高1の10月~12月 | 1.3% | 1.0% |
高1の1月~3月 | 0.0% | 0.6% |
高2の4月~6月 | 2.5% | 2.7% |
高2の7月~9月 | 10.6% | 9.6% |
高2の10月~12月 | 13.1% | 8.0% |
高2の1月~3月 | 13.1% | 6.5% |
高3の4月~6月 | 20.6% | 30.6% |
高3の7月~9月 | 16.9% | 25.7% |
高3の10月~12月 | 5.6% | 5.1% |
高3の1月~3月 | 2.5% | 2.2% |
今回の調査で難関私立大学と定義した大学は、早稲田大学・慶應義塾大学・上智大学・国際基督教大学・GMARCH・関関同立・東京理科大学です。それ以外の私立大学をその他私立大学として集計しています。
難関私立大学とその他の私立大学に現役合格した人に共通している特徴の一つは、高校3年生の「春から夏」(4月~6月)および「夏」(7月~9月)に志望校を決定した人の割合が多いことです。難関私立大学合格者ではこの期間の決定がそれぞれ約20.6%、16.9%となっており、その他の私立大学合格者もこれに近い30.6%、25.7%という割合を示しています。このボリュームゾーンは、学生たちが受験準備を本格化させる重要な時期に位置しており、多くの学生が最終的な意思決定を行うタイミングとして重要視されていることを示しています。
難関私立大学の現役合格者は、より早期に志望校を決定している傾向
しかし、ボリュームゾーンの共通点にも関わらず、難関私立大学とその他の私立大学合格者の間で異なる背景が存在します。
難関私立大学合格者は高校2年生までで、合計54.4%が自分の目指す大学に対する計画を持っているのに対し、その他の私立大学合格者は36.5%です。この差、17.9%は、双方が進路決定に対して取るアプローチの違いを明確に示しています。
具体的には、難関私立大学合格者の中で高校2年生の10月~12月に第一志望校を決めた割合が13.1%、高2の1月~3月も同じく13.1%となっており、合計で26.2%が高校2年生の時点で自分の目指す大学に対する明確な計画を持っています。この割合は、その他の私立大学合格者の高2の10月~12月(8.0%)および高2の1月~3月(6.5%)の合計13.5%と比較しても約2倍高く、難関私立大学合格者が比較的早い段階での計画立案と実行に重きを置いていることが伺えます。
これに対して、その他の私立大学合格者では、高校3年生の4月~6月に志望校を決める割合が30.6%、高3の7月~9月が25.7%と非常に高く、難関私立大学合格者の20.6%(高3の4月~6月)および16.9%(高3の7月~9月)と比較すると、その差が顕著です。このことから、その他の私立大学合格者は、高校生活の終盤になってから自分の将来についてより深く考え、慎重に志望校を選択していることがわかります。
つまり、難関私立大学合格者は「早期に計画を立て、実行する」という戦略を取りながら、その他の私立大学合格者は「時間をかけて慎重に決定する」というアプローチを取っていると言えるでしょう。この違いは、受験に対する準備期間の長さだけでなく、それぞれが置かれている環境や目標に対するアプローチの違いを示しています。
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「挑戦を選ぶ」難関私立大合格者は65%に対し、その他私立大学合格者はわずか26.7%と2倍以上の開き
第一志望校を決めた時に自分が感じていた合格の可能性
合格可能性 | 難関私立大 | その他の私立大 |
---|---|---|
非常に難しいと感じていた | 15.0% | 1.8% |
難しいと感じていたが、可能性はあると感じていた | 50.0% | 24.9% |
合格可能性が高いと感じていた | 22.5% | 47.3% |
容易に合格できると感じていた | 12.5% | 26.1% |
現役合格者の調査結果によると、難関私立大学合格者の中で、実に65%が第一志望校への合格を「非常に難しい(15%)」と感じたり、「難しいが可能性はある(50%)」と感じていることが明らかになりました。これに対し、その他の私立大学合格者ではこれらの感情を持つ割合は合わせても26.7%(非常に難しい: 1.8%、難しいが可能性はある: 24.9%)と留まり、その差は2倍以上になりました。
この差異は、受験生が自分の学力と志望校のレベルをどのように認識しているかに大きく影響されますが、この顕著な差は、難関私立大学を目指す学生たちが自らに課す高いハードルと、それに直面する際の心理的な覚悟を示していると想定されます。彼らは、難関私立大学合格への道が容易ではないことを認識しつつも、それを乗り越える可能性を信じ、より一層の努力を惜しまない構えを見せています。
それに対し、その他の私立大学合格者は、自分の選んだ道に対してより確信を持ち、合格への自信が高いと感じています。
難関私立大学とその他私立大学合格者の志望大学選びの選択基準の優先度の違いが明らかに。
第一志望校を決めた時に重視した点
志望校を決めた時に重視した点 | 難関私立大学 | その他私立大学 |
---|---|---|
学部・学科の特色 | 44.4% | 54.3% |
ネームバリュー | 20.6% | 2.9% |
立地(通いやすい) | 8.8% | 16.5% |
就職実績 | 8.8% | 7.5% |
評判やランキング | 6.3% | 2.2% |
学校の雰囲気や部活動・サークル活動など | 5.6% | 6.3% |
研究設備や環境 | 2.5% | 2.9% |
授業料や奨学金の有無 | 2.5% | 4.9% |
その他 | 0.6% | 2.5% |
今回の調査から、難関私立大学合格者とその他の私立大学合格者が第一志望大学を選ぶ際に最も重要視した要素について、その違いと共通点が明らかになったので以下で詳しくお伝えします。
学部・学科の特色(難関私大1位・その他私大1位)
難関私立大学合格者の44.4%が、学部や学科の特色を重視しています。これは、その他の私立大学合格者の54.3%と比較しても、学問への強い興味や専門性を求める意欲が共通していることを示しています。学生たちは自分の学びたい分野や将来のキャリアに直結するプログラムを提供している大学を選ぶことを優先しているようです。
ネームバリュー (難関私大2位・その他私大6位)- 最も大きい差異
難関私立大学合格者においては、ネームバリューを重視する割合が20.6%に達し、その他の私立大学合格者の2.9%と大きく差があります。この結果から、難関私大を目指す学生は、大学のブランドや社会的地位を大学選びの重要な要素として考えていることが伺えます。これは、社会的な評価や将来のキャリア展望に影響を与える大学を選びたいという意識の現れと言えるでしょう。
立地の重視(難関私大3位・その他私大2位)
立地を重視する割合は、その他の私立大学合格者が16.5%で、難関私立大学合格者の8.8%を上回っています。これは、その他の私立大学を志望する場合、日常生活の便利さや通学のしやすさを大学選択の決め手とする学生がより多いことを示しており、生活の質を考慮する傾向にあることがわかります。
難関私大を目指す生徒は立地は重視しつつも、それよりは大学のネームバリューの方を重視している傾向があります。
就職実績の考慮(難関私大3位・その他私大3位)
就職実績を重視すると答えた割合は、難関私立大学とその他の私立大学がほぼ同じで、それぞれ8.8%と7.5%でした。これは、どちらのグループの学生も、大学が提供するキャリアサポートや卒業後の就職に関する実績を重要な判断材料としていることを示しています。
評判やランキング(難関私大5位・その他私大8位)
大学の評判やランキングを重視すると回答した難関私立大学合格者は6.3%であり、これがその他の私立大学合格者の2.2%と比較して約3倍の差を示しています。難関私立大学を目指す学生は、大学の社会的な地位や学術的な評価を大学選びの重要な基準として考慮に入れています。一方、その他の私立大学合格者は評判やランキングよりも、自分にとって直接的な学びや生活環境の要素を優先していることが伺えます。
授業料や奨学金の有無(難関私大7位・その他私大5位)
授業料や奨学金の有無を重視する人の割合にも明らかな差が見られます。難関私立大学合格者の中でこの点を重視したのは2.5%に対し、その他の私立大学合格者では4.9%と、ほぼ倍の人が経済的な要因を考慮していることがわかります。このことから、その他の私立大学合格者は、授業料の負担や奨学金の有無を大学選択の際の重要な判断材料としていることが示されており、学生にとって経済的な支援の可否が学びたい分野や将来のキャリアへのアクセスに直接的な影響を与える可能性があることを反映しています。
難関私立大学合格者は約6割が高2までに、その他私立大学合格者は約6割が高3から受験勉強を開始していることが判明
大学受験勉強の開始時期についての調査結果(私立大学現役合格者)
勉強開始時期 | 難関私立大学 | その他の私立大学 |
---|---|---|
高校入学前 | 2.5% | 1.8% |
高1の4月~6月 | 5.6% | 4.5% |
高1の7月~9月 | 2.5% | 1.6% |
高1の10月~12月 | 2.5% | 1.0% |
高1の1月~3月 | 0.6% | 0.8% |
高2の4月~6月 | 5.0% | 4.5% |
高2の7月~9月 | 9.4% | 6.5% |
高2の10月~12月 | 15.0% | 6.1% |
高2の1月~3月 | 17.5% | 10.4% |
高3の4月~6月 | 23.8% | 27.1% |
高3の7月~9月 | 11.3% | 25.5% |
高3の10月~12月 | 1.3% | 7.5% |
高3の1月~3月 | 3.1% | 2.9% |
【学年別】大学受験勉強の開始時期についての調査結果(私立大学現役合格者)
勉強開始時期 | 難関私立大学 | その他の私立大学 |
---|---|---|
入学前+高1 | 13.7% | 9.7% |
高2 | 46.9% | 27.5% |
高3 | 39.5% | 63.0% |
今回の調査結果から、難関私立大学現役合格者は全体的に早期からの勉強開始が顕著で、特に高校2年生の段階で勉強を開始する割合が46.9%と、全体のほぼ半数を占めています。高校入学前と高1から受験勉強を開始している学生は合計で60.6%になります。これは、難関私立大学を目指す学生が早い段階から受験準備を始め、長期的な視点で準備を進める傾向にあることを示しています。
一方で他の私立大学の現役合格者は高校3年生になってから勉強を開始する割合が63.0%と最も高く、学生生活の最後の年に受験準備を集中させる傾向が見られます。難関私立大学合格者も39.5%と高い割合でこの時期に勉強を開始していますが、全体としては高校2年生からの準備が主流ということがわかりました。
高3春から受験勉強を開始する人が難関私大・その他私大ともに最も多い
最も多くの難関私立大学合格者が受験勉強を開始する時期は、「高3の4月〜6月」が23.8%であり、その他の私立大学合格者でも最も多い27.1%がこの時期に勉強をスタートしています。これは志望大学を決定した時期と同じであり、多くの学生が志望大学を決めてから受験勉強を開始する傾向がみてとれます。
高2までに受験勉強を開始した人の割合に20%以上も差が
難関私立大学現役合格者は高2までに受験勉強を開始した割合が60.6%、その他の私立大学現役合格者は37.2%と20%以上も差が出る結果となりました。
このデータは、難関私立大学を目指す学生たちが、より計画的に早期から受験準備を始める傾向が強いことを示しています。一方で、その他の私立大学を目指す学生は、高校生活の後半に入ってから受験勉強を本格化させるケースが多いことが見受けられます。
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まとめ
難関私立大学およびその他私立大学に現役合格した人へのアンケート調査結果によると、両者ともに高校3年生の春から夏にかけて(4月~9月)に志望校を決定する割合が高いことが明らかになりました。しかし、難関私立大学合格者は比較的早期から志望校を決定し、その割合は高校2年生までに54.4%が自分の目指す大学に対する計画を持っているのに対し、その他私立大学合格者は36.5%という結果でした。この差は、進路決定に対するアプローチの違いを示しています。また、難関私立大学合格者は受験勉強を高校2年生までに開始する割合が60.6%に上り、その他私立大志望者は高校3年生で勉強を開始する割合が63.0%と、勉強開始の時期にも顕著な違いが見られました。
第一志望校選びで重視した点では、学部・学科の特色が難関私立大学合格者とその他の私立大学合格者共に最も重要視されていましたが、ネームバリューを重視する割合が難関私立大学合格者で20.6%、その他の私立大学合格者で2.9%と大きな差がありました。これは、難関私立大学を目指す学生が大学のブランドや社会的地位をより重要視していることを示しています。
加えて、難関私立大学合格者の中で65%が合格を「非常に難しい」と感じていたり、「難しいが可能性はある」と感じており、その他の私立大学合格者と比較してもその差は2倍以上になっています。これは、難関私立大学を目指す学生がより高い目標を設定し、それに向けての覚悟を持って挑戦していることを示唆しています。
この調査結果は、難関私立大学を目指す学生は計画的に早期から受験準備を始め、学校のネームバリューや学部・学科の特色を重視する傾向にあること、また、受験勉強開始のタイミングや志望校選びの基準において、難関私立大志望者とその他の私立大志望者の間で顕著な違いが存在すること明らかにするものとなりました。
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