じゅけラボ予備校は、子どもが現在不登校になっている保護者300人を対象に、不登校生徒の学習選択肢に関する実態調査を実施しました。今回のアンケート調査により、不登校生徒が選択する学習方法の傾向と割合が明らかになりました。
■調査概要
調査概要:不登校生徒の学習方法に関するアンケート
調査期間:2023/11/28~2023/11/30
調査方法:インターネット調査
有効回答:現在不登校の子どもがいる保護者300人
目次
不登校生徒が選ぶ学習方法の選択肢。多様性と主流の傾向
- 学校のオンライン学習のサポートを受けている:17.7%
- 別室登校・保健室登校で学習している:21.7%
- フリースクールを利用している:16.7%
- オンラインフリースクールを利用している:7.7%
- ホームスクールを利用している:4.3%
- その他:13.0%
- 独学で自宅学習している:38.7%
不登校生徒の学習方法の選択肢は、家庭の状況や個々のニーズに応じて多様にあります。最新のアンケート調査により、不登校生徒を持つ保護者が選択している学習方法の選択肢とその割合が明らかになりました。
自宅での独学が最も多い38.7%!不登校生徒の家庭が選ぶ自主学習の道
38.7%の最も多くの保護者が報告する独学での自宅学習は、不登校生徒の学習スタイルの中で最も一般的な選択肢という結果になりました。
自宅での独学を選択する不登校の家庭が多いのは、デジタル技術の進化とともに、既存の教育サービスに加えて、多様なプログラムのオンライン教育サービスが普及しているからだと想定されます。オンライン教育サービスが一般的になった結果、不登校生徒は自宅にいながらも、ライフスタイルや個別のニーズに合わせてカスタマイズされた教育が手軽に受けられるようになっているので、独学を選択する不登校生徒が多いのは納得の理由です。
学校のオンライン学習と別室登校の利用者も多数。学校の柔軟なサポート
17.7%の生徒が学校のオンライン学習を利用し、21.7%が別室登校や保健室登校を選択しています。
学校のオンライン学習サポートは、家にいながらにして学校の授業やカリキュラムにアクセスし、教育の継続を可能にするものです。
別室登校や保健室登校という形で学校のサポートは、従来の教室環境が難しい生徒に対しても、学校とのつながりを維持し、より個別化された、圧力の少ない学習環境を提供します。別室・保健室登校は、生徒の心理的な安定や学習への適応を支援する重要な手段です。
これらの方法は、学校が不登校生徒に対して提供する柔軟な学習環境を示しており、生徒が学校の教育システムと繋がり続ける手段となっています。
ただ、このように学校の学習サポートがあるにも関わらず、自宅での独学を選択する不登校生徒が多いことは注目に値します。この選択は、家庭や生徒がよりプライベートで制御可能な学習環境を好む傾向があることを示していると思われます。
自宅独学の選択は、生徒の個々の学習スタイル、心理的な快適さ、または特定の教育ニーズに対する家庭の反応として理解することができます。
フリースクールの選択。16.7%がリアル、7.7%がオンライン。広がるフリースクールの新しい学習の場
16.7%の生徒がリアルなフリースクールを、7.7%がオンラインフリースクールを利用しています。
フリースクールとは、小学校、中学校、高校に、何らかの理由で「学校に通えない」「行けない」「行かない(積極的不登校)」子供たちが学べる場を提供している場所、教室になります。
フリースクールは学校と連携をとり、授業に出席して、レポートに取り組むことで学校への出席扱いを学校に認定してもらうように働きかけてくれる点で、復学や受験を視野に入れている家庭の選択肢として認知されています。
ただ、やはりこの場合もフリースクールを選択するよりも、自宅での独学を選択する不登校生徒が多いことは注目に値します。
ホームスクールの選択。不登校生徒の少数派4.3%の家庭が選択する、学校教育に縛られない個別化された教育
ホームスクールは、全体の4.3%とまだ多くはないものの、特定の家庭にとって重要な教育選択肢となっています。少ない理由はホームスクールの存在自体を知らない人も多いというのも理由に挙げられます。
ホームスクーリングは、学校環境や教育カリキュラムに適応できない、特定の学習ニーズを持つ、または家庭の教育哲学に基づいて教育を受けさせたいという理由から選ばれることが多いです。この選択肢は、保護者と子ども自身に教育の完全なコントロールを与え、子どもの興味やペース、伸ばしたい能力に合わせた学習を可能にします。また、ホームスクールは、特定の学習スタイル、宗教的信念、または家庭の生活状況に合わせて教育をカスタマイズできる柔軟性を提供します。ホームスクーリングは、教育的な自立と家族の絆を深める機会を提供し、学習の質と経験を自宅の安全な環境で最大化します。
最近はオンラインで学校教育に縛られない独自のカリキュラムを提供するホームスクールサービスも多数存在しているので、以前よりは選択肢として考慮しやすくなってはいます。
この選択肢が少数派であるにもかかわらず、ホームスクールサービスが提供する個別化と柔軟性は、特定のニーズを持つ家庭にとっては計り知れない価値があります。
まとめ
最新のアンケート調査を通じて、不登校生徒とその保護者が直面する学習環境の選択とその背景にある多様なニーズが明らかになりました。保護者は、学校の提供するオンライン学習や別室登校などの柔軟な教育サポート、フリースクールやホームスクーリングなどの代替教育オプション、そして独学による自宅学習など、幅広い選択肢から子供の個別の状況やニーズに最も適した学習環境を選択しています。
学校のオンライン学習や別室登校、またはフリースクールを利用することで、一定数の不登校生徒が学校システムとの接点を維持し、学習を続けています。一方で、少数派であるもののホームスクーリングを選択する家庭もあり、これらは従来の学校システムから離れ、より自由で個別化された学習環境を求める傾向を示しています。最も多い選択肢である独学は、家庭での自主性と柔軟性を重視する家庭にとって魅力的なオプションであることがわかりました。
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