センター試験から大学入学共通テストに変わり、その違いや共通テストの対策の仕方に不安を感じている受験生が多いことでしょう。
ここでは、大学入学共通テストの生物基礎・生物対策について、出題傾向やセンター試験からの変更点、共通テストの生物基礎・生物では何が求められるのか解説していきます。共通テストの生物基礎・生物の問題傾向、センター試験との違いをしっかりと把握して正しい共通テスト対策を行っていきましょう。
大学入学共通テスト生物基礎の問題傾向
| 問題内容 | 配点 |
第1問 | A:生物の共通性と多様性と細胞とエネルギーに係る理解と,観察・実験に関する情報を整理・統合して課題を解決する力を問う問題 | 17点 |
第2問 | A:肝臓について,生物の体内環境の維持の仕組みに係る理解と,初見の図から必要な情報等を抽出し,その働きについて整理する力を問う問題 | 19点 |
第3問 | A:バイオームの性質について,地球上の植生の分布などに係る理解と,グラフから必要な情報を抽出し,整理・処理する力を問う問題 | 14点 |
大学入学共通テスト生物基礎の問題傾向としては、何となくの暗記では対応しづらい正確な知識を必要とする問題が出題されます。計算問題や、会話型の実験観察問題、複数の単元からなる総合的な問題、グラフなどを利用した考察問題も出題されます。
共通テスト生物基礎のプレテスト(施行テスト)出題内容
平成30年度プレテストの出題内容
第1問:配点17点
A:アキラとカオルがオオカナダモの葉を光学顕微鏡で観察し、スケッチをした。2人の会話や図をもとに問いに答える問題。
B:ゲノムの知識問題と、塩基配列の種類について当てはまる数値を特定する問題。
第2問:配点19点
A:ヒトの肝臓の問題。
B:アスカとシンジが病院の待合室で薬の投与法について議論。2人の会話をもとに、インスリンについての正しい記述を選んだり、ハブに咬まれた患者に血清注射をした際の抗体量の変化を示すグラフを選ぶ問題。
第3問:配点14点
A:バイオームに関する知識問題、計算問題。
B:大気中の二酸化炭素濃度の変化に生態系がどのように関係しているのかについて考えるユヅルとサラ2人の会話に沿って問いに解答する問題。
共通テスト生物基礎のセンター試験からの変更点
| 共通テスト(プレテスト) | センター試験 |
試験時間 | 60分(理科基礎2科目) | 60分(理科基礎2科目) |
配点 | 50点 | 50点 |
新たな | 会話形式の問題 |
|
- センター試験:試験時間は理科基礎2科目で60分、マーク式、配点50点
- 共通テスト:試験時間は理科基礎2科目で60分、マーク式、配点50点
共通テスト生物基礎のセンター試験からの変更点ですが、共通テスト生物基礎では2人の会話文を読んで問いに答えるタイプの問題が目立ちます。複数の単元が入り混じった総合的な問題も出題されます。
大学入学共通テスト生物基礎の対策
大学入学共通テスト生物基礎の対策ですが、用語の名前を覚えるだけのような対策では不十分です。用語についての知識を正確に理解しておく対策が必要となります。また、計算問題も頻出なので、計算問題対策は欠かせません。
そういった対策にはセンター過去問が効果的です。教科書で正確な知識を養ったうえでセンター過去問を解くことにより、共通テスト生物基礎対策としての実践力も磨きましょう。そして、共通テスト生物基礎の新傾向を把握するためにプレテストの問題に挑戦してみましょう。
共通テスト生物基礎で必要な力
共通テスト生物基礎で必須となる力は、正確な知識を身につける力、問題文や図から得た情報を整理・統合する力、実験の過程や結果を考察する思考力などです。実験・観察の考察問題を攻略するためにも、学校等で実験をする機会を大切にしましょう。実験・観察に対して高い意識を持って取り組んでおくことが、共通テスト生物基礎対策につながってくるでしょう。
大学入学共通テスト生物の問題傾向
| 問題内容 | 配点 |
第1問 | A:缶詰のツナの顕微鏡観察標本を題材として,動物の刺激の受容と反応に係る理解と,写真や図を活用して,情報を分析 ・解釈する力を問問題 | 12点 |
第2問 | A:教科書でも扱われている花粉管の誘導について,植物の発生や進化・系統に係る理解と,複数の分野にわたる内容を統合して考察できる力を問うとともに,身近にある多様な植物について,知識 を活用する力を問う問題 | 30点 |
第3問 | ハエを題材として,節足動物に分類される昆虫の発生に関わる遺伝子の働きについて,動物の発生や生物の系統に係る理解と,複数の情報を整理・統合して課題を解決する力を問う問題 | 14点 |
第4問 | 個体群の動態や絶滅のリスクについて,動物の生態と環境や,生殖に係る理解と,情報を整理・統合して考察する力を問うとともに,多くの世代を経過した集団で現れる遺伝子型について,情報を整理・解釈して,原理 ・法則に従って処理する力を問問題 | 18点 |
第5問 | A:遺伝子組換えに関する技術について,生命現象とタンパク質や,バイオテクノロジーに係る理解と,複数の資料を活用・整理し,示された条件に沿って課題を解決する力を問う問題 | 26点 |
大学入学共通テスト生物の問題傾向ですが、知識問題にしても単なる用語の丸暗記では解けない問題が多いです。過不足なく選択しなさいなどの骨のある選択肢もよく出るので、用語についての知識を正確に理解しておく必要があります。
会話文を読みつつ、実験データの図や表を見つつ、考察や計算をしていくという形式の問題も必出です。1つの単元だけでなく、複数単元にまたがった問題も出題傾向にあります。
共通テスト生物のプレテスト(施行テスト)出題内容
平成30年度プレテストの出題内容
第1問:配点12点
A:缶詰のツナを利用した骨格筋の観察実験問題。
B:1500m走において消費するエネルギーに対するATP供給法の割合の時間経過に伴う変化を示したグラフを考察する問題。
第2問:配点30点
A:生物の異種間での交雑を妨げるしくみを探る実験を題材にした花粉管誘引の考察問題。
B:園芸植物を育てるという場面における光周性や原種の生育環境を推定するなどの問題。
第3問:配点14点
ハエを題材として、節足動物に分類される昆虫の発生に関わる遺伝子の働きについての知識や考察力を要求する問題
第4問:配点18点
リスを題材とし、個体群の動態や絶滅のリスクについて計算・考察する問題。
第5問:配点6点
A:遺伝子組み換えに関する技術について、生命現象とタンパク質やバイオテクノロジーに係る理解と、複数の資料を活用し、示された条件に沿って課題を解決する問題。
B:お酒を飲んだときに顔が赤くなることをテーマとした会話文に沿って、考察・計算する問題。
共通テスト生物のセンター試験からの変更点
| 共通テスト(プレテスト) | センター試験 |
試験時間 | 60分 | 60分 |
配点 | 100点 | 100点 |
新たな | 知識問題の減少、1つ1つの選択肢を深く検討しないと解けない問題の増加 |
|
- センター試験:試験時間60分、マーク式、配点100点
- 共通テスト:試験時間60分、マーク式、配点100点
共通テスト生物のセンター試験からの変更点ですが、単純に難易度が上がったという点が印象的です。単純な知識問題はほとんど見られず、選択肢1つ1つを深く検討する必要がある問題が多くなりました。
共通テスト生物では、深い知識理解を要する問題がセンター試験以上に多く出ますし、初見の実験データの表・図からの情報を素早く整理・統合するような形式の問題も頻出です。
第2回のプレテスト(試行調査)における生物の正答率は全科目の中で最低点でしたので、暗記に傾向せず、理解重視で知識を習得していきましょう。
大学入学共通テスト生物の対策
大学入学共通テスト生物の対策としては、用語の名前を覚えるだけでは不十分で、用語についての知識を正確に理解しておく必要があります。また、計算問題も頻出なので、計算問題対策は欠かせません。
共通テストの生物は、センター試験より難易度の高い問題が出題されると思われますが、まずは教科書範囲の基礎事項を深く理解する対策が最優先です。教科書範囲の正確な知識を身に付けたうえで、共通テストの生物対策としてセンター過去問を解くことにより実践力も磨きましょう。そして、共通テスト生物の新傾向を把握するためにプレテスト(試行調査)の問題に挑戦してみましょう。
共通テスト生物で必要な力
共通テスト生物で必須となる力は、正確な知識を身につける力、問題文や図から得た情報を素早く整理・統合する力、実験の過程や結果を考察する思考力などです。実験・観察の考察問題を攻略するためにも、学校等で実験をする機会を大切にしましょう。実験・観察に対して高い意識を持って取り組んでおくことが、共通テスト生物対策につながってくるでしょう。
生物基礎・生物以外の他教科の大学入学共通テスト対策
生物基礎・生物共通テストでは、センター試験から出題傾向が変化するため、受験対策も共通テストに対応して行う必要があります。以下では生物基礎・生物以外の他の教科の共通テストの科目別問題傾向と対策を詳しく説明していますので、是非参考にして共通テスト対策の勉強を進めていきましょう。