2024年度大学入学共通テスト
世界史の傾向から考察
大学入学共通テストも3年目となり、知識の量ではなく、応用力や分析力を問う傾向が定着してきました。
ここでは大学入学共通テスト・世界史の出題傾向・対策などを解説していきます。共通テストの傾向をしっかりと把握して正しい共通テスト対策を行っていきましょう。
目次
2023年度の世界史はどのようになっていたのか。
項目ごとに解説します。
2023年度大学入学共通テストの世界史(世界史B)は、前年度の平均と比較すると7.53のマイナスととなりました。前年度に比べやや南下したと言えます。
科目 | 満点 | 2023年度 平均点 |
2022年度 平均点 |
前年度との差 |
---|---|---|---|---|
世界史B | 100 | 58.43 | 65.83 | ▲7.53 |
2023年の共通テスト世界史Bの構成は、大問数5題、小問数34問と、前年度と同じでした。共通テストの全体の傾向通りに会話文や資料が多用され、知識だけではなく資料や問題文の適切な読解ができる応用力が必要とされる問題が出題されました。上述通り資料・史料を用いた問題が多く出題され、教科書の知識を習得していることを前提に資料を読みとき回答を導く思考力・応用力を問うという問題形式が目立ちました。資料を読解しなければ解けない問題が多く、曖昧な知識のまま臨むと回答が難しかったと予想されます。
ただ、細かい知識が必要なわけではなく、教科書の記載の基本的な知識があれば解答できる問題が出題されており、まずは基礎基本をしっかり身につけることが大切です。
2023年度共通テスト世界史(世界史B)は、上述通り大問数5題、小問数34問と、前年度と同じでした。
大問ごとの配点は下記のとおり。
2022年度に比べて、ヨーロッパ史からの出題が増加し、中国史を中心にアジア史からも多く出題されました。戦後史はほぼ出題されず、古代・中世史からの出題が多めでした。
分野としては政治史からの出題が多かったものの、中国史を中心に文化史の出題が増加。社会経済史を題材とした大問も出題されました。
大問 | 配点 |
---|---|
1 | 16 |
2 | 18 |
3 | 24 |
4 | 24 |
5 | 18 |
共通テスト世界史Bの問題傾向や配点などをお伝えしてきました。それではどのように準備・対策をしていけばよいのでしょうか。
ここでは、共通テスト 世界史のおすすめの勉強法を紹介します。
共通テストの傾向として、思考力や応用力を問う出題がされますが、基礎的なことができている前提となっています。まずは基礎的な知識を徹底して身につけ、教科書で問われている知識については間違いなく理解できるようにしましょう。
幅広い分野から偏りなく出題されるため、苦手分野を残すと得点に響きます。基礎的な事項から丁寧に理解し、演習を繰り返し、苦手分野をなくしましょう。
共通テストは教科書の範囲からの出題が基本です。難解な問題集にチャレンジするよりも、基本的な問題集・参考書を徹底的に理解するほうが、結局高得点に繋がります。
基礎を抑えたら、次に演習です。その際には共通テストの過去問にも積極的に取り組みましょう。共通テストとセンター試験は傾向が異なる部分もありますが、十分参考になります。共通テストは思考力や判断力を当傾向が顕著になっていますが、センター試験の時点でも徐々に思考力・判断力重視の傾向に変化してきていました。そのため、センター過去問も共通テスト対策として十分に活用できます。
時間内に問題解決に導けるスピードを身につけるため、時間を測りながらの演習も必須です。
理系の生徒で共通テストでのみ世界史を受験する場合、できれば春から、遅くとも夏ぐらいからは取り組みましょう。直前期でいいというアドバイスがされることもありますが、世界史は基本的な知識が身についてないと全く太刀打ちできません。早めに取り組み知識の定着を図った上で演習に取り組みましょう。
現在の知識レベルによって何時間の学習をすればよいかは異なりますが、ベースがなければその分習得時間を割かなければいけなくなります。英語・数学・理科に割く時間が少なくなってしまうので、少しづつでもいいので早めに取り組むことをおすすめします。
世界史Aで受験を考えている場合、近現代史が中心となります。ただ正確な知識を持とに図表やグラフ・各種資料を読み解き正解を導く応用力が問われていることには違いがありません。まずは基礎的な知識を身に着けた上で、各種の問題集を用いて演習を行いましょう。
世界史Aの問題集は世界史Bに比べてやや入手しにくいですが、内容が近い新課程の歴史総合の問題集であれば入手しやすいので、活用しましょう。歴史総合は世界史部分が大きく、日本史Aの対策には使いづらいため、日本史選択の人は要注意です。
共通テスト直前になったら、できなかった問題を繰り返しやり、確実に解けるようにしておきましょう。何度も間違ってしまう問題は、基本的なことが理解できていない可能性があります。放置すると他にも解けない問題が出てくる可能性があるため、さかのぼって復習することも忘れずに。
また、過去問や模試を使っての時間配分の確認も重要です。
せっかく解ける問題を時間切れで解けないのはもったいないので、時間内に解ききることができるようにトレーニングをしておきましょう。
新しいことに取り組むのではなく、これまでに解いてきた参考書や問題集を一冊、重点的に見直して全体像を把握しておきましょう。抜けているところや漏れがあるところに気づいたらその漏れを埋め、精度を上げることに注力しましょう。
基礎基本を固めた上で読解力・理解力が求められていることを踏まえて、共通テストの傾向に沿った解説・アドバイスをしてくれる教材を吟味して、徹底的に使い倒しましょう。
人気の参考書やオリジナルで制作されたものなどが悪いわけではありませんが、自分の実力にあったものを徹底するほうが地力はつきます。
共通テストはセンター試験に比べて読解量が多くなり、時間がタイトになっている傾向にあります。ここでは時間配分の例を紹介します。
共通テスト世界史の時間配分例は下記のとおりです。
試験時間は60分。
見直し・チェックは余裕を持って行いたいところなので、時間を短縮できるよう工夫が必要です。
大問1 | 11分 |
---|---|
大問2 | 10分 |
大問3 | 11分 |
大問4 | 11分 |
大問5 | 11分 |
見直し | 6分 |
計 | 60分 |
上記はあくまで目安です。
得意な問題傾向の設問は時間を短縮して、苦手問題傾向の設問には時間を余分にとるなどの調整は必要になります。あと、見直しの時間も最初から考慮した時間配分で取り組めるとミスもなくなり高得点に繋がります。
時間内に解ききるためのコツをいくつかご紹介します。
まず設問・選択肢を先に読んで、「何が問われているか」を把握したうえで問題文を読みましょう。
わからない問題にこだわって時間がなくなってしまうとあとの大問をまるまる解けないということもありえます。
わからない問題は潔く飛ばして、解ける問題から解いていきましょう。
共通テスト世界史の出題範囲・分野は、年度によって違いはあるものの、特定の時代や地域に偏るということはありません。そのためどの地域・時代もバランスよく理解しておく必要があります。
共通テスト世界史の出題範囲・分野は、年度によって違いはあるものの、特定の時代や地域に偏るということはありません。そのためどの地域・共通テストの傾向として、教科書内容の知識理解を前提とした上で応用力を試しています。まずは前提となる知識を習得していないと高得点は叶いません。その際にはただ用語を暗記するのではなく、いつ、何きっかけで、誰が、何のために、何をしたのかという背景をおさえることが重要です。そうして歴史の流れをおさえたうえで、標準レベルの問題集を確実に解けるようにしましょう。
共通テスト世界史の出題範囲・分野は、年度によって違いはあるものの、特定の時代や地域に偏るということはありません。そのためどの地域・共通テストの1〜2ヶ月前には過去問の演習に移り、できていないところを教科書や参考書・問題集に戻って補いましょう。共通テストの過去問は絶対数が少ないため、センター試験の過去問も活用したいところです。
世界史AとBの違いは、その範囲の広さにあります。世界史aは現代の世界を理解することを目的としており、大航海時代前後〜現代までが中心です。それに対して世界史bは、古代から現代まで、歴史の流れに沿う形でトータルに学習します。
暗記する項目やマスターするまでの所要時間を考えると、世界史より日本史のほうが取り組みやすいと言えます。
ただ、世界史に比べ日本に限定しているため、より深く細かい知識が必要になり、一概にどちらが有利とは言えません。
基礎的な知識が身についていることを前提に、思考力や応用力を問われるというのが全教科・科目を通じての共通テストの傾向となっています。
受験対策も暗記中心のセンター試験対応から、共通テストに対応して行う対策に切り替えて行う必要があります。
他教科の共通テストの科目別問題傾向と対策も詳しく説明していますので、是非参考にして共通テスト対策の勉強を進めていきましょう。
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