2025年度大学入学共通テスト
物理の傾向から考察

本ページでは以下のことがわかります。
大学入学共通テストも5年目となり、知識の量ではなく、応用力や分析力を問う傾向が定着してきました。
ここでは、大学入学共通テストの物理の出題傾向・対策などを解説していきます。共通テスト物理の傾向をしっかりと把握して、正しい対策を行っていきましょう。
目次
2025年度の共通テスト物理はどのような傾向だったのでしょうか。項目ごとに解説します。
2025年度大学入学共通テストの物理は、前年度の平均と比較すると4.01点のマイナスで、ほぼ前年並みの難易度だったと言えます。
| 科目 | 満点 | 2025年度平均点 | 2024年度平均点 | 前年度との差 |
|---|---|---|---|---|
| 物理 | 100 | 58.96 | 62.97 | -4.01 |

2025年の共通テスト物理は、大問数は2024年と変わらず4題・設問数は23問で3問増加しました。
基本的な知識を身につけていることを前提として、論理的な思考力や応用力が求められる共通テストの傾向通りの出題でした。
丁寧に説明されていて取り組みやすい問題が多いものの、問題文を読む量も多く独自の設定・テーマで出題されているため、丁寧かつスピーディに処理していく力が求められます。計算問題も多く、計算ミスにも気を付けながら解いていく必要があります。
2025年度共通テスト物理は、上述通り大問数4題、設問数23問、マーク数は24個でした。全分野から出題され、大きな偏りはみられませんでした。
大問ごとの配点と出題分野は下記のとおりとなっています。
| 大問 | 内容 | 配点 |
|---|---|---|
| 1 | 小問集合 | 25 |
| 2 | 力学分野 | 25 |
| 3 | 熱力学分野•波動分野 | 25 |
| 4 | 電磁気分野 | 25 |
大問1の小問集合は、熱力学、力学、電磁気、原子の分野から出題されました。

2025年度も問題量が多く解答に時間はかかるものの、説明が丁寧で解きやすい問題も多く、前年に比べ難易度は大きく変わりませんでした。また、基本的な理解を前提として思考力・応用力を問うという共通テスト全体の傾向は変わらず、物理分野全体から出題されており、2026年度も同様の傾向が続くと思われます。
また、実験や身近な現象と絡めた問題は今年も出題され、全体としてグラフや図と絡めた問題の数も増加しました。このようなより実用的なテーマと結びつけた出題の傾向も、来年以降も継続されることが予想されます。
対策については次から解説していますので、参考にしてください。
共通テスト物理の問題傾向や配点などをお伝えしてきました。それではどのように準備・対策をしていけばよいのでしょうか。

ここでは、共通テスト 物理のおすすめの勉強法を紹介します。
共通テストの傾向として、思考力や応用力を問う出題がされますが、基礎的なことができている前提となっています。まずは基礎的な知識を徹底して身につけましょう。
この際、ただ用語や公式を覚えるのではなく、その公式がなぜ成り立つのか、根本から理解しておくことが大切です。これにより、応用問題や変化球の問題にも対応できるようになります。
できない分野をつぶす
共通テストは幅広い分野から偏りなく出題されるため、苦手分野を残すと得点に響きます。基礎的な事項から丁寧に理解し、演習を繰り返し、苦手分野をなくしましょう。
共通テストは教科書の範囲からの出題が基本です。難解な問題集にチャレンジするよりも、基本的な問題集・参考書を徹底的に理解するほうが、結局高得点に繋がります。
共通テストで9割や満点を目指すには、基本的な知識や公式を確実に抑えておく必要があります。共通テスト全体の傾向として、基本的な知識を理解していることを前提として思考力や応用力が問われています。そのため、基本的な知識がおろそかになっていれば、高得点は望めません。まずは必須知識や解法を使いこなせる状態を作ってから難易度の高い問題集にステップアップしましょう。
共通テストで出題される実践と絡めた実験等の問題も、根本にあるのは典型問題です。高校1年生、2年生のうちから典型問題に数多く触れ、解き方を覚えてしまうくらい繰り返し解いておくことがおすすめです。典型問題が完璧になっていれば、応用も効きやすくなり、共通テストの問題にも対応できるようになります。
基礎を抑えたら、次に演習です。その際には共通テスト模試や予想問題集、共通テストの過去問にも積極的に取り組みましょう。共通テストとセンター試験は傾向が異なる部分もありますが、センター試験の問題自体は良問が多いため十分参考になります。
近年の共通テスト物理では、見慣れない実験やグラフ、図と絡めた問題が登場し、問題の意図を把握するのに時間がかかります。問題量やマーク数が増加傾向にあり、時間に余裕がありません。しっかりと傾向をとらえて、問題の意図を素早く読み取り回答する演習を積む必要があります。
時間内に問題解決に導けるスピードを身につけるため、時間を測りながらの演習も必須です。

文系の生徒で共通テストでのみ物理を受験する場合、できれば春から、遅くとも夏前からは取り組みましょう。早めに着手して知識の定着を図った上で演習に取り組みましょう。
現在の知識レベルによって何時間の学習をすればよいかは異なりますが、少なくとも週に5時間程度は時間を割くことが必要です。ベースがなければその分習得時間を割かなければいけなくなります。主要教科に割く時間が少なくなってしまうので、少しずつでもいいので早めに取り組むことをおすすめします。

共通テスト直前になったら、できなかった問題を繰り返しやり、確実に解けるようにしておきましょう。何度も間違ってしまう問題は、基本的なことが理解できていない可能性があります。放置すると他にも解けない問題が出てくる可能性があるため、さかのぼって復習することも忘れずに。
また、過去問や模試を使っての時間配分の確認も重要です。本番と同じ形式の問題を時間を測りながら解き、自分に合った時間配分を見つけましょう。
せっかく解けるようになった問題を、時間切れで解けないのはもったいないので、時間内に解ききることができるように優先順位の見極めなど、トレーニングをしておきましょう。
基礎基本を固めた上で読解力・理解力が求められていることを踏まえて、共通テストの傾向に沿った解説・アドバイスをしてくれる教材を吟味して、徹底的に使い倒しましょう。
人気の参考書やオリジナルで制作されたものなどが悪いわけではありませんが、自分の実力にあったものを徹底するほうが地力はつきます。
共通テストはセンター試験に比べて読解量が多くなり、時間がタイトになっている傾向にあります。ここでは時間配分の例を紹介します。共通テスト物理の時間配分例は下記のとおりです。
試験時間は60分。見直し・チェックは余裕を持って行いたいところなので、時間を短縮できるよう工夫が必要です。
| 大問1 | 12分 |
|---|---|
| 大問2 | 14分 |
| 大問3 | 16分 |
| 大問4 | 10分 |
| 見直し | 8分 |
| 計 | 60分 |

上記はあくまで目安です。
得意な問題傾向の設問は時間を短縮して、苦手な問題傾向の設問には時間を余分にとるなどの調整が必要になります。また、見直しの時間も最初から考慮した時間配分で取り組めるとミスもなくなり高得点に繋がります。
わからない問題にこだわって時間がなくなってしまうと、あとの大問をまるまる解けないということもありえます。わからない問題は潔く飛ばして、解ける問題から解いていきましょう。時間配分には問題の見極めも非常に重要です。

共通テストの理科では、下記のパターンから科目を選択します。
・文系:基礎科目から2分野 または 基礎を付さない科目から1科目
・理系:基礎を付さない科目から2科目 または 基礎2分野と基礎を付さない科目1科目
理系の国立・公立大2次試験や私立大個別試験では、理科のうち1科目または2科目選択しますが、多くの場合、基礎科目と基礎を付さない科目の全範囲から出題されます。
物理に限らず理科は、特別な理由がある場合を除いて、授業でとった選択科目を選択し、内容を復習しつつ共通テスト対策に臨むのがベターです。
また、上述通り受験する大学の受験科目になっているかも事前に調査した上で、慎重に検討しましょう。自分が受験しようと考える大学・学部に必要な科目は何かを把握し、いざ出願というときに必要科目を受けられるように選択しましょう。
共通テスト直前になったら、できなかった問題を繰り返しやり、確実に解けるようにしておきましょう。何度も間違ってしまう問題は、基本的なことが理解できていない可能性があります。放置すると他にも解けない問題が出てくる可能性があるため、さかのぼって復習することも忘れずに。
また、過去問や模試を使っての時間配分の確認も重要です。本番と同じ形式の問題を時間を測りながら解き、自分に合った時間配分を見つけましょう。
せっかく解けるようになった問題を、時間切れで解けないのはもったいないので、時間内に解ききることができるように優先順位の見極めなど、トレーニングをしておきましょう。
共通テストの理科では、下記のパターンから科目を選択します。
・文系:基礎科目から2分野 または 基礎を付さない科目から1科目
・理系:基礎を付さない科目から2科目 または 基礎2分野と基礎を付さない科目1科目
理系の国立・公立大2次試験や私立大個別試験では、理科のうち1科目または2科目選択しますが、多くの場合、基礎科目と基礎を付さない科目の全範囲から出題されます。
物理に限らず理科は、特別な理由がある場合を除いて、授業でとった選択科目を選択し、内容を復習しつつ共通テスト対策に臨むのがベターです。また、受験する大学の受験科目になっているかも事前に調査した上で、慎重に検討しましょう。
基礎的な知識が身についていることを前提に、思考力や応用力を問われるというのが全教科・科目を通じての共通テストの傾向となっています。
他教科の共通テストの科目別問題傾向と対策も詳しく説明していますので、是非参考にして共通テスト対策の勉強を進めていきましょう。
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