2024年度大学入学共通テスト
倫理の傾向から考察
大学入学共通テストも3年目となり、知識の量ではなく、応用力や分析力を問う傾向が定着してきましたた。
ここでは大学入学共通テスト・倫理の出題傾向・対策などを解説していきます。共通テストの傾向をしっかりと把握して正しい共通テスト対策を行っていきましょう。
目次
2023年度の倫理はどのようになっていたのでしょうか。
項目ごとに解説します。
2023年度大学入学共通テストの倫理は、前年度の平均と比較すると4.27のマイナスでした。
科目 | 満点 | 2023年度 平均点 |
2022年度 平均点 |
前年度との差 |
---|---|---|---|---|
倫理 | 100 | 59.02 | 63.29 | 4.27 |
2023年の共通テスト倫理の構成は、大問数4題、33問の出題で昨年と同様でした。
大問の導入はすべて会話文の形式で、全体的に会話文の読解が例年よりやや難しく、平均点がやや下がりました。
共通テストの全体的な傾向どおり、基本的な知識をみにつけていることを前提として論理的な思考力や応用力が求められる出題がなされました。
センター試験で出題されていたの短文の正誤問題が減ったのが特徴ですが、2024年度もそうであるとは限りませんので注意が必要です。
2023年度共通テスト倫理は、上述通り大問数4題、小問数33問と、前年度と問題数は同じでした。大問ごとの配点は下記のとおりで、2022年度と同じ構成となっています。
大問 | 内容 | 配点 |
---|---|---|
1 | 源流となった思想 | 24 |
2 | 日本の思想 | 24 |
3 | 西洋の思想(近代) | 24 |
4 | 青年期と人間の特質、現代社会の諸課題 | 28 |
2022年・2023年度と大問構成・問題数とも変化がありませんでした。倫理は出題範囲があまり広くなく、2024年度もそこまで大きい変化はされてないと予想されます。ただ、特定の分野だけに偏った学習をするようなことはせず、教科書範囲はすべて理解できるようにしましょう。
下記に2024年度共通テスト・倫理の対策を掲載します。
共通テスト倫理の問題傾向や配点などをお伝えしてきました。それではどのように準備・対策をしていけばよいのでしょうか。
ここでは、共通テスト 倫理のおすすめの勉強法を紹介します。
共通テストの傾向として、思考力や応用力を問う出題がされますが、基礎的なことができている前提となっています。まずは基礎的な知識を徹底して身につけ、教科書で問われている知識については間違いなく理解できるようにしましょう。
幅広い分野から偏りなく出題されるため、苦手分野を残すと得点に響きます。基礎的な事項から丁寧に理解し、演習を繰り返し、苦手分野をなくしましょう。
共通テストは教科書の範囲からの出題が基本です。難解な問題集にチャレンジするよりも、基本的な問題集・参考書を徹底的に理解するほうが、結局高得点に繋がります。
基礎を抑えたら、次に演習です。その際には共通テストの過去問にも積極的に取り組みましょう。共通テストとセンター試験は傾向が異なる部分もありますが、十分参考になります。
時間内に問題解決に導けるスピードを身につけるため、時間を測りながらの演習も必須です。
理系の生徒で共通テストでのみ倫理を受験する場合、できれば春から、遅くとも夏ぐらいからは取り組みましょう。直前期でいいというアドバイスがされることもありますが、基本的な知識が身につけたうえでの演習が大切。早めに取り組み知識の定着を図った上で演習に取り組みましょう。
現在の知識レベルによって何時間の学習をすればよいかは異なりますが、ベースがなければその分習得時間を割かなければいけなくなります。英語・数学・理科に割く時間が少なくなってしまうので、少しずつでもいいので早めに取り組むことをおすすめします。
共通テスト直前になったら、できなかった問題を繰り返しやり、確実に解けるようにしておきましょう。何度も間違ってしまう問題は、基本的なことが理解できていない可能性があります。放置すると他にも解けない問題が出てくる可能性があるため、さかのぼって復習することも忘れずに。
また、過去問や模試を使っての時間配分の確認も重要です。
せっかく解ける問題を時間切れで解けないのはもったいないので、時間内に解ききることができるようにトレーニングをしておきましょう。
基礎基本を固めた上で読解力・理解力が求められていることを踏まえて、共通テストの傾向に沿った解説・アドバイスをしてくれる教材を吟味して、徹底的に使い倒しましょう。
人気の参考書やオリジナルで制作されたものなどが悪いわけではありませんが、自分の実力にあったものを徹底するほうが地力はつきます。
共通テストはセンター試験に比べて読解量が多くなり、時間がタイトになっている傾向にあります。ここでは時間配分の例を紹介します。
共通テスト倫理の時間配分例は下記のとおりです。
試験時間は60分。
見直し・チェックは余裕を持って行いたいところなので、時間を短縮できるよう工夫が必要です。
大問1 | 13分 |
---|---|
大問2 | 13分 |
大問3 | 14分 |
大問4 | 14分 |
見直し | 6分 |
計 | 60分 |
上記はあくまで目安です。
得意な問題傾向の設問は時間を短縮して、苦手問題傾向の設問には時間を余分にとるなどの調整は必要になります。あと、見直しの時間も最初から考慮した時間配分で取り組めるとミスもなくなり高得点に繋がります。
時間内に解ききるためのコツをいくつかご紹介します。
まず設問・選択肢を先に読んで、「何が問われているか」を把握したうえで問題文を読みましょう。
わからない問題にこだわって時間がなくなってしまうとあとの大問をまるまる解けないということもありえます。
わからない問題は潔く飛ばして、解ける問題から解いていきましょう。
まずは教科書内容を確実に理解しましょう。色々なものに手を出すのではなく、教科書準拠の参考書や標準問題集をマスターすることがまず必要です。
次に対策問題集を活用し、問題演習をしながらより理解を深めましょう。すでに理解が進んでいる人や、時間がない人は、過去問の演習に移ります。共通テストはもちろん、センター試験の過去問も活用しましょう。
共通テスト、さらにその先にある個別試験を考えた時、公民科目は倫理、政経、倫理政経のどの科目を選択するのがよいでしょうか。
倫理は、「倫理・政治経済」に比べて政治・経済分野がない分学習範囲が狭く、必要な勉強量を最小限でという場合にはおすすめです。共通テストでしか地歴公民科目を使わない理系の人などには向いているでしょう。
ただ、倫理を選択可能な科目に入れてない大学も多く、注意が必要です。志望・受験大学が代わった際に倫理だと受験できないとなるとたいへんですので、その点は考慮しておきましょう。
政治経済に比べ、倫理のほうが範囲が狭く、公民科目に時間をかけられない人にとってはよいでしょう。しかし上述の理由で倫理を選択可能な科目に入れていない場合もあり、その点は注意が必要です。
基礎的な知識が身についていることを前提に、思考力や応用力を問われるというのが全教科・科目を通じての共通テストの傾向となっています。
受験対策も暗記中心のセンター試験対応のものから、共通テストに対応して行う対策に切り替えて行う必要があります。
倫理以外の他の教科の共通テストの科目別問題傾向と対策を詳しく説明していますので、是非参考にして共通テスト対策の勉強を進めていきましょう。
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