2024年度大学入試共通テスト国語の傾向と対策
大学入学共通テストも3年目となり、知識の量ではなく、応用力や分析力を問う傾向が定着してきました。
ここでは大学入学共通テスト・国語出題傾向・対策などを解説していきます。共通テストの傾向をしっかりと把握して正しい共通テスト対策を行っていきましょう。
2023年度共通テスト国語の解説(現代文・古文・漢文)
2023年度の国語は、どのような傾向にあったのか。項目ごとに解説します。
2023年度共通テスト国語(現代文・古文・漢文)の平均点と2022年からの推移
2023年度大学入学共通テストの国語は、前年度の平均と比較するとマイナス4.52点とやや難化しました。
やや難化した2023年度共通テスト国語
科目 | 満点 | 2023年度 平均点 |
2022年度 平均点 |
前年度との差 |
---|---|---|---|---|
国語 | 200 | 105.74 | 110.26 | ▲4.52 |
難易度としては標準でしたが、選択肢の丁寧な吟味や、各大問で複数の文章・資料を見比べる手間ことの手間もあり、その分平均点がやや下がったと思われます。
共通テスト国語の問題傾向・構成と2024年度の予想
共通テスト国語の構成は、評論・小説・古文・漢文の4題の出題形式は例年どおりでした。
複数の文章や資料から情報を適切に把握し読み解く力を問うと問題が引き続き出題され、共通テストの趣旨である思考力や応用力を問う傾向が続きました。
また、試験時間に対して問題量が多く、スピーディーな読解力も求められていることも変わりません。
基本的な読解力を身につけたうえで、共通テストの過去問や予想問題などを活用し応用力・思考力を鍛えることが求められます。
2023年度共通テスト(現代文・古文・漢文)配点
2023年度共通テスト国語の大問ごとの配点は下記のとおりで、例年通り評論・小説・古文・漢文の4題が従来どおり出題されました。
上述通り、評論・小説・古文・漢文の4題が従来どおり出題されました。
2023年度共通テスト国語 大問ごとの配点
大問 | 内容 | 配点 |
---|---|---|
1 | 評論 | 50 |
2 | 小説 | 50 |
3 | 古文 | 50 |
4 | 漢文 | 50 |
2024年度共通テスト国語の対策
共通テスト 国語の問題傾向や配点などをお伝えしてきました。
それではどのように準備をしていけばよいのでしょうか。
何から? 共通テスト国語で高得点を取るためのおすすめの勉強法
ここでは、共通テスト 国語のおすすめの勉強法を紹介します。
まずは基礎基本の徹底
共通テストの傾向として、思考力や応用力を当出題がされますが、基礎的なことができている前提となっています。まずは基礎基本を徹底し、教科書で問われている知識については間違いなく理解できるようにしましょう。
できない分野をつぶす
幅広い分野から偏りなく出題されるため、苦手分野を残すと得点に響きます。基礎的な事項から丁寧に理解し、演習を繰り返し、苦手分野をなくしましょう。
難しい問題集より、簡単な参考書を徹底する
共通テストに限らず、入試は教科書の範囲からの出題が基本です。難解な問題集にチャレンジするよりも、基本的な問題集・参考書を徹底的に理解するほうが、結局高得点に繋がります。
試行調査、共通テスト模試、予想問題集、過去問を利用
基礎を抑えたら、次に演習です。その際には共通テストの過去問にも積極的に取り組みましょう。共通テストとセンター試験は傾向が異なる部分もありますが、十分参考になります。
時間内に問題解決に導けるスピードを身につけるため、時間を測りながらの演習も必須です。
理系の受験生はいつから共通テストの国語の対策に取り組むべきか
理系の生徒でも、国語とくに現代文で身につく読解力は数学や英語、理科の読解に直結します。また現代文の学習は長い時間がかかるものですので、早めに取り組みましょう。
古文や漢文については、個別試験で出題があれば春から始めましょう。特に医学部志望などで高得点が必要な場合も春から始めたほうがいいでしょう。ない場合でも夏ぐらいから取り組みましょう。多様な題材(予想問題集や過去問など)を活用して演習に取り組みましょう。直前期でいいというアドバイスがされることもありますが、早めに取り組み問題のパターンやスピードに慣れておくことをおすすめします。
文系で国立・公立大学を目指す場合の古文や漢文への取り組みはいつからやるべきか
できるかぎり早くスタートしましょう。直前でも間に合うという意見もありますが、そうすると他の教科・科目の勉強時間を削らなくてはならなくなり、焦ることになります。古文・漢文は基礎的な知識を身に着けた上で何度も読解を繰り返さないと、インプットした知識が定着せず、応用的な問題が全く解けません。一日少しの時間でいいので早めに学習を始めることで知識が定着し、受験直前の準備も楽になります。
共通テスト国語 直前対策
共通テスト直前になったら、できなかった問題を繰り返しやり、確実に解けるようにしておきましょう。何度も間違ってしまう問題は、基本的なことが理解できていない可能性があります。放置すると他にも解けない問題が出てくる可能性があるため、さかのぼって復習することも忘れずに。
また、過去問や模試を使っての時間配分の確認も重要です。
せっかく解ける問題を時間切れで解けないのはもったいないので、時間内に解ききることができるようにトレーニングをしておきましょう。
共通テスト国語 対策問題集・参考書
基礎基本を固めた上で読解力・理解力が求められていることを踏まえて、共通テストの傾向に沿った解説・アドバイスをしてくれる教材を吟味して、徹底的に使い倒しましょう。
人気の参考書やオリジナルで制作されたものなどが悪いわけではありませんが、自分の実力にあったものを徹底するほうが地力はつきます。
2023年度共通テスト国語 時間配分
共通テストはセンター試験に比べて読解量が多くなり、時間がタイトになっている傾向にあります。ここでは時間配分の例を紹介します。
共通テスト国語 時間配分例
共通テスト国語の時間配分例は下記のとおりです。
試験時間は80分。
見直し・チェックは余裕を持って行いたいところなので、時間を短縮できるよう工夫が必要です。
共通テスト 国語 時間配分例
大問1 | 評論 | 30分 |
---|---|---|
大問2 | 小説 | 20分 |
大問3 | 古文 | 15分 |
大問4 | 漢文 | 10分 |
見直し | 5分 | |
計 | 80分 |
上記はあくまで目安です。
得意な問題傾向の設問は時間を短縮して、苦手問題傾向の設問には時間を余分にとるなどの調整は必要になります。あと、見直しの時間も最初から考慮した時間配分で取り組めるとミスもなくなり高得点に繋がります。
過去問や予想問題などで解き方のコツをつかもう
時間内に解ききるためのコツをいくつかご紹介します。
設問・選択肢を先に読む
まず設問・選択肢を先に読んで、「何が問われているか」を把握したうえで問題文を読みましょう。
わからない問題はとばす
わからない問題にこだわって時間がなくなってしまうとあとの大問をまるまる解けないということもありえます。
わからない問題は潔く飛ばして、解ける問題から解いていきましょう。
2024年共通テストで9割を目指すには?
国語の共通テストで安定して9割取るためにやるべきことは?
共通テスト国語で9割を目指すには、やはりなるべく早い段階から準備を始める必要があります。とくに現代文の場合文章を読む力が必須ですが、一朝一夕で身につくものではありません。なるべく高1・高2段階から漢字や語句を覚える、読書の習慣をつけるなどして、読解力を養成しておく必要があります。
高3から始める場合でも、まずは漢字・語句の暗記が必要です。最低限の漢字・語句がわかっていないと文章の意味や設問の意味がわからず、9割を超えるのは難しいでしょう。とはいえすべてを完璧に覚える必要はなく、問題集などで最低限必要なものはマスターしましょう。
現代文の対策の際には、闇雲に問題を解くのではなく、まず現代文のパターンを抑えることが大切です。そのため現代文の正しい読み方を伝える参考書などを一冊マスターし、その上で問題集や過去問に当たるようにしましょう。
過去問に取り組む際は、共通テストだけではなくセンター試験の過去問も活用しましょう。
8割切らない学習方法は?
基本的には上述の9割を超えるための学習法と大きく違いはありません。現代文であれば漢字や語句、古文・漢文は文法や語法・句法を確実なものにし、そのうえで解き方のパターンを参考書などで習得しましょう。
8割以上の得点を狙う場合、時間切れを避けることも重要です。そのためには素早い読解力が必要です。評論や古文を多く読み込み話題や展開、独特の言い回しに慣れるようにしましょう。
国語の点数が取れない生徒の対処法
国語で点数が取れないという生徒は、現代文が苦手、または古文や漢文がよくわからないという場合が多くあります。
現代文の場合は上述の「9割を目指すには」と同様、まずは漢字や語句をマスターし、そのうえで現代文の正しいパターンをおさえましょう。また読解力は一朝一夕で身につくものではないので、なるべく早く対策を始めることが重要です。
古文・漢文の場合は文法や句法・語法をおさえることがまず重要です。そこをおろそかにしているとどんなに問題の量をこなしたとしても得点はおぼつきません。
共通テスト利用入試で国語は使える?おすすめの受け方は??
多くの私立大学で共通テストを利用した入試が採用されています。
そのメリットやオススメの受け方には、どんなものがあるでしょうか。
共通テスト利用で国語を使うメリットデメリット
共通テスト利用入試のメリットは、なんといっても複数の大学の対策を同時に行えることです。共通テストの点数次第で複数の大学に出願して合格できる可能性が高くなります。とくに国公立を受験する人で私立も併願する人は、共通テストで高得点を取れれば私立受検をせずとも良くなる可能性もあります。
多くの私立大学で共通テスト利用入試を取り入れていっているため、積極的に利用したいところです。
ただ、募集人数が少なく倍率が高くなる傾向にあること、大学によって出願のスケジュールなどが大きく異なるため、個別に確認しなければならないことなど、いくつかのデメリットは存在します。
共通テスト国語を使って受験するおすすめの受け方
国語のなかでも現代文が得意という場合は、国語は現代文のみの3教科型で受験できる大学が複数あるため、そちらへの出願をすることで合格可能性を上げることができます。
たとえば青山学院大学や立教大学、法政大学、中央大学など、いわゆるGMARCHでも複数の学部で2教科・3教科型で国語は現代文のみという学部学科があるため、検討するとよいかもしれません。
国語以外の他教科の大学入学共通テスト対策
2021年・22年と実施された共通テストも傾向がはっきりしてきました。基礎的な知識が身についていることを前提に、思考力や応用力を問われるというのが全教科・科目を通じての傾向です。
受験対策も暗記中心のセンター試験対応のものから、共通テストに対応して行う対策に切り替えて行う必要があります。
国語以外の他の教科の共通テストの科目別問題傾向と対策を詳しく説明していますので、是非参考にして共通テスト対策の勉強を進めていきましょう。