2026年度大学入学共通テスト
化学の傾向から考察

本ページでは以下のことがわかります。
大学入学共通テストの傾向も定まってきて、知識の量ではなく、応用力や分析力を問う傾向が定着してきました。ここでは大学入学共通テスト化学の出題傾向・対策などを解説していきます。共通テストの傾向をしっかりと把握して正しい共通テスト対策を行っていきましょう。
目次
2026年度の共通テスト化学は、2025年度と比べると解きやすい問題が多く、基礎知識と典型問題の理解が得点につながりやすい出題でした。
2025年度は平均点が大きく下がり、問題文やグラフの読み取り、実生活に絡めた設定、処理量の多さなどで苦戦した受験生が多く見られました。一方、2026年度は、共通テスト対策教材や標準的な問題集で身につけた知識・解法を活用しやすい問題が多く、しっかり準備していた受験生にとっては得点しやすい内容だったといえます。
ただし、これは「化学が簡単な科目になった」という意味ではありません。共通テスト全体として、7割前後までは取りやすい一方で、8割以上の高得点を安定して取るには、単なる暗記だけでなく、問題文・図表・実験設定を読み取り、知識を使いこなす力が必要です。
特に旧帝大や都市部の難関国公立大学など、共通テストで8割以上が必要になる大学を目指す場合は、共通テスト用教材だけで高得点を狙うのは難しい可能性があります。早い段階から二次試験レベルの典型問題や応用問題にも取り組み、化学の本質的な理解を深めておくことが重要です。
2026年度大学入学共通テストの化学は、2025年度と比べて平均点が上昇しました。2025年度は平均点が低く、共通テスト化学としてはかなり難しい出題でしたが、2026年度は解きやすい問題が増え、基礎・標準レベルの内容を確実に押さえていた受験生が得点しやすい構成でした。
| 科目 | 満点 | 2025年度平均点 | 2026年度平均点 | 前年度との差 |
|---|---|---|---|---|
| 化学 | 100 | 45.34 | 56.86 | +11.52 |
ただし、平均点が上がったからといって、上位層にとっても簡単だったとは限りません。共通テストでは、基本問題で確実に得点する力に加えて、資料や実験結果を読み取り、複数の知識を組み合わせて考える力が求められます。そのため、7割を目指す対策と、8割以上を目指す対策では、必要な学習の深さが変わります。
非難関大学を目指す場合は、標準的な共通テスト対策を丁寧に進めることで十分に得点源にしやすい科目です。一方、難関大学を目指す場合は、基礎・標準問題を素早く解ける状態にしたうえで、個別試験レベルの演習も並行して行う必要があります。

2026年度の共通テスト化学は、2025年度に比べると解きやすい問題が多く、典型問題の理解や基本事項の定着がそのまま得点につながりやすい出題でした。
一方で、共通テスト化学では、単純な暗記だけで解ける問題ばかりではありません。問題文、図表、実験結果、グラフなどから必要な情報を読み取り、化学の知識と結びつけて判断する問題は今後も出題されると考えられます。
大学入試センターの問題作成方針でも、理科では基本的な概念や原理・法則の理解に加えて、観察・実験・調査の結果を分析・解釈する力、既知ではない資料をもとに考察する力が重視されています。したがって、2027年度の化学でも、教科書内容の理解を前提に、資料読解や実験考察を含む出題が続くと考えてよいでしょう。
2027年度に向けては、「2026年度が解きやすかったから化学だけを重視すればよい」と考えるのは危険です。共通テストでは年度によって科目ごとの難易度が上下します。化学で得点しやすい年度もあれば、物理や生物、地学など他の科目との難易度差が変わる年度もあります。そのため、理科選択全体として満遍なく対策し、どの科目でも基本問題を落とさない力をつけることが重要です。
2026年度共通テスト化学の大問ごとの配点は、平均点表とあわせて確認しておきましょう。
2025年度は新課程と旧課程の移行期で、大問5が新課程、大問6が旧課程として出題され、一方を選択する形でした。2027年度に向けては、新課程の出題に対応した対策を進める必要があります。
出題分野としては、物質の構成、物質の状態、化学反応とエネルギー、化学平衡、無機物質、有機化合物、高分子化合物など、幅広い範囲から出題されます。特定分野に偏った対策ではなく、全範囲をバランスよく学習することが大切です。

物質の構成や状態、化学の基本事項に関する問題が中心でした。基礎知識をそのまま問うだけでなく、問題文や図表をもとに判断する問題も見られました。
この大問では、教科書レベルの知識を正確に理解しているかが得点の土台になります。物質量、原子・分子、化学結合、結晶、気体、溶液などの基本事項は、暗記だけでなく、計算や図表と結びつけて理解しておく必要があります。
化学反応、電池、電気分解、反応速度、化学平衡など、理論化学の重要分野からの出題が中心でした。2026年度は、標準的な考え方を使えば解きやすい問題も多く、典型問題をしっかり固めていた受験生にとっては得点しやすかったといえます。
一方で、理論化学は計算ミスや条件の読み落としで失点しやすい分野です。共通テストでは、限られた時間の中で正確に処理する力が求められるため、普段から計算過程を整理し、素早く解く練習をしておくことが大切です。
無機化学の分野では、物質の性質、反応、沈殿、気体の発生、金属イオンの反応など、知識をもとに判断する問題が出題されました。
無機化学は暗記量が多い分野ですが、単に用語や反応を覚えるだけでは不十分です。なぜその反応が起こるのか、どの物質がどのような性質をもつのかを整理しておくと、初見の設定でも対応しやすくなります。
有機化学・高分子化合物の分野では、構造、反応、官能基、性質などをもとに考える問題が出題されました。標準的な知識を使って解ける問題が多い一方で、条件を整理して構造を判断する問題では時間がかかることがあります。
有機化学では、反応の流れや官能基の性質を体系的に理解することが重要です。問題文に示された条件を一つずつ整理し、候補を絞り込む練習をしておきましょう。
複数分野をまたぐ総合問題として、理論・無機・有機の知識を組み合わせて考える問題が出題されました。共通テスト化学では、単元ごとの知識だけでなく、複数の分野を横断して考える力が求められます。
2026年度は比較的取り組みやすい問題も多かったものの、高得点を狙うには、単元別の演習だけでなく、総合問題や実験考察問題にも慣れておく必要があります。
共通テスト化学の問題傾向や配点などをお伝えしてきました。それでは、2027年度に向けてどのように準備・対策をしていけばよいのでしょうか。
2026年度の化学は解きやすい問題が多く、基礎・標準問題をしっかり固めていた受験生が得点しやすい出題でした。したがって、まずは教科書内容と標準的な問題集を徹底することが最も重要です。
ただし、難関大学を目指す場合はそれだけでは不十分です。共通テストで8割以上を安定して取るためには、典型問題を素早く処理する力に加えて、実験設定やグラフ、資料を読み取り、知識を応用する力が必要になります。
ここでは、共通テスト化学のおすすめの勉強法を紹介します。

共通テスト化学では、基礎知識が得点の土台になります。2026年度のように解きやすい問題が多い年度では、基礎・標準レベルの問題を確実に取れるかどうかが点数に直結します。
物質量、化学反応式、酸化還元、電池、電気分解、化学平衡、無機物質、有機化合物、高分子化合物など、出題範囲は広いため、全範囲を抜けもれなく学習することが大切です。
ただし、化学は丸暗記だけで対応できる科目ではありません。基本事項を覚えたうえで、「なぜそうなるのか」「どの条件でその考え方を使うのか」まで理解しておく必要があります。
共通テスト化学は幅広い分野から出題されるため、苦手分野を残すと得点が安定しません。特に、理論化学の計算、無機化学の知識、有機化学の構造決定などは、苦手なまま放置すると大きな失点につながりやすい分野です。
まずは模試や過去問、問題集の結果を見直し、どの分野で失点しているのかを確認しましょう。そのうえで、分野ごとに教科書や参考書へ戻り、基礎から復習することが重要です。
共通テスト化学で7割前後を目指す段階では、難しい問題集に手を出すよりも、基本的な参考書や標準問題集を徹底するほうが効果的です。
2026年度のように解きやすい問題が多い年度では、標準問題を確実に解ける受験生が得点を伸ばしやすくなります。基礎が不十分なまま応用問題に進むと、問題ごとの解法暗記になってしまい、初見問題に対応しにくくなります。
まずは一冊の基本問題集を繰り返し、どの問題も自力で解ける状態を目指しましょう。
共通テスト化学では、見た目は資料読解型や実験考察型であっても、土台にあるのは典型問題であることが多いです。
物質量計算、濃度計算、中和滴定、酸化還元滴定、気体、溶解度、電池、電気分解、化学平衡、有機化合物の反応など、頻出テーマの典型問題は、迷わず解ける状態にしておく必要があります。
典型問題を素早く処理できるようになると、資料を読み取る問題や考察問題に時間を残しやすくなります。共通テストでは、単に解けるだけでなく、時間内に正確に解く力が重要です。
難関大学を目指す場合は、共通テスト対策だけでなく、個別試験を想定した演習も早めに取り入れましょう。
2026年度の化学は解きやすい問題が多かったものの、共通テスト全体としては8割以上の高得点を取るのは簡単ではありません。旧帝大や都市部の難関国公立大学など、共通テストで高得点が必要な大学を目指す場合、標準的な共通テスト教材だけでは対応しきれない可能性があります。
個別試験レベルの典型問題や、少し複雑な計算問題、実験考察問題にも取り組み、化学の理解を深めておきましょう。
基礎を押さえたら、共通テスト模試、予想問題集、過去問を使って実戦演習を行いましょう。
共通テスト化学では、問題文が長い問題や、図表・グラフ・実験結果を読み取る問題が出題されます。知識があっても、形式に慣れていないと時間が足りなくなることがあります。
演習では、必ず時間を測って取り組みましょう。解き終わった後は、正解・不正解だけでなく、どの問題に時間がかかったのか、どの問題を先に解くべきだったのかも確認することが大切です。

文系の生徒で、共通テストでのみ化学を受験する場合は、できれば春から、遅くとも夏までには対策を始めましょう。
化学は、短期間で暗記だけを詰め込めば安定して得点できる科目ではありません。計算、理論理解、無機・有機の知識整理など、段階的な学習が必要です。
ただし、非難関大学を目指す場合は、すべての難問を解けるようにする必要はありません。基礎・標準問題を確実に取り、他科目と合わせて総合点を安定させることが重要です。
一方、難関大学を目指す場合は、化学を得点源にするだけでなく、8割以上を狙えるレベルまで仕上げる必要があります。その場合は、早い時期から週に一定時間を確保し、共通テスト対策と二次試験対策を並行して進めましょう。

共通テスト直前期は、新しい問題集に手を広げるよりも、これまでに間違えた問題を確実に解けるようにすることが重要です。
特に、何度も間違える問題は、基本事項の理解が不十分な可能性があります。その場合は、解説を読むだけで終わらせず、教科書や参考書に戻って、根本から確認しましょう。
また、直前期には時間配分の確認も欠かせません。共通テスト化学は、解ける問題でも時間がかかりすぎると最後まで解ききれなくなります。過去問や予想問題を使い、時間内に解き切る練習をしておきましょう。

共通テスト化学では、基礎基本を固めたうえで、読解力・思考力・実験考察力を伸ばせる教材を選ぶことが大切です。
最初から難しい問題集に取り組むよりも、自分のレベルに合った参考書・問題集を一冊ずつ完成させるほうが効果的です。基本事項の解説がわかりやすく、標準問題を十分に演習できる教材を選びましょう。
そのうえで、共通テスト形式の問題集や予想問題集に取り組み、資料やグラフ、実験設定を読み取る問題に慣れていくとよいです。
難関大学志望者は、共通テスト対策用の問題集だけでなく、個別試験レベルの標準問題集も並行して進めることをおすすめします。
共通テスト化学の試験時間は60分です。2026年度は解きやすい問題が多かったとはいえ、問題文や資料を読む時間、計算を処理する時間を考えると、時間配分は非常に重要です。
大問1 11分
大問2 11分
大問3 11分
大問4 11分
大問5 11分
見直し 5分
計 60分

これはあくまで目安です。得意な分野は短時間で処理し、時間がかかる問題に余裕を残すように調整しましょう。
共通テストでは、わからない問題にこだわりすぎると、後半の解ける問題を落としてしまうことがあります。難しい問題や時間がかかりそうな問題は一度飛ばし、解ける問題から確実に得点することが大切です。
特に7割を目指す受験生は、すべての問題を完璧に解こうとするよりも、基本問題・標準問題を落とさない戦略が有効です。8割以上を目指す受験生は、典型問題を短時間で処理し、考察問題に時間を残す練習を積みましょう。

共通テスト化学で満点や9割以上を目指すには、単なる暗記では不十分です。
まず、全分野の教科書内容を正確に理解し、標準問題を迷わず解ける状態にする必要があります。物質量計算、酸化還元、電池、電気分解、化学平衡、無機化学、有機化学、高分子化合物など、頻出分野の典型問題は、解法がすぐに浮かぶまで繰り返し練習しましょう。
そのうえで、実験考察問題や資料読解型の問題に対応する力を伸ばす必要があります。共通テストでは、教科書で見たことのない設定や資料が出されることもあります。そのような問題でも、基本原理に戻って考え、必要な情報を整理する力が求められます。
難関大学を目指す場合は、共通テスト対策だけでなく、個別試験レベルの問題演習も早めに進めましょう。共通テストで8割以上を安定して取るには、標準問題を素早く正確に解く力と、初見の考察問題に対応する力の両方が必要です。

物理・化学・生物・地学のどれを選択するのが最適かは、志望大学・学部、得意不得意、二次試験で必要な科目、他教科との学習負担によって変わります。
2026年度の化学は解きやすい問題が多く、基礎・標準問題をしっかり固めていた受験生にとっては得点しやすい科目でした。しかし、年度によって科目ごとの難易度は変わります。今回得点しやすかったからといって、2027年度も同じように得点しやすいとは限りません。
化学を選ぶメリットは、理系学部で利用できる大学・学部が多く、二次試験にもつながりやすいことです。また、標準問題をしっかり固めれば、共通テストでも安定した得点を狙いやすい科目です。
一方で、理論・無機・有機・高分子と学習範囲が広く、計算力と暗記力の両方が必要です。短期間で仕上げるには負担が大きくなる場合もあります。
科目選択では、「その年に得点しやすそうか」だけで判断するのではなく、志望校で利用できるか、二次試験に必要か、自分の得意不得意に合っているかを確認しましょう。

共通テスト理科では、以下のような科目選択の形があります。
・文系:基礎科目から2科目、または基礎を付さない科目から1科目
・理系:基礎を付さない科目から2科目、または基礎科目2科目と基礎を付さない科目1科目
2027年度共通テストでは、理科は『物理基礎/化学基礎/生物基礎/地学基礎』『物理』『化学』『生物』『地学』から最大2科目を選択して解答します。基礎科目では、『物理基礎/化学基礎/生物基礎/地学基礎』の中から2つを選択して解答する形です。
化学基礎は、化学の基本内容に絞った科目です。文系受験生が理科基礎として選択することも多く、学習範囲は化学より狭くなります。
一方、化学は、化学基礎の内容に加えて、理論化学、無機化学、有機化学、高分子化合物などを広く学習する科目です。理系の国公立大学や私立大学の個別試験では、化学基礎だけでなく化学全範囲から出題されることが多いため、志望校の入試科目を必ず確認しておきましょう。
自分が受験しようと考える大学・学部に必要な科目は何かを把握し、出願時や受験時に必要な科目を選べるように準備しておくことが大切です。
共通テストは読解量が多くなり、時間がタイトになっている傾向にあります。試験時間は60分。各問題11分ずつを目安に解くと、見直しに5分残すことができます。ただし、これはあくまで目安です。得意な問題傾向の設問は時間を短縮して、苦手な問題傾向の設問には時間を余分にとるなどの調整が必要になります。
また、わからない問題にこだわって時間がなくなってしまうとあとの大問をまるまる解けないということもありえます。わからない問題は潔く飛ばして、解ける問題から解いていきましょう。
共通テスト直前になったら、できなかった問題を繰り返し解き、確実に解けるようにしておきましょう。何度も間違ってしまう問題は、基本的なことが理解できていない可能性があります。放置すると他にも解けない問題が出てくる可能性があるため、さかのぼって復習することも忘れずに。
また、過去問や模試を使っての時間配分の確認も重要です。
せっかく解ける問題を時間切れで解けないのはもったいないので、時間内に解ききることができるようにトレーニングをしておきましょう。
基礎的な知識が身についていることを前提に、思考力や応用力を問われるというのが全教科・科目を通じての共通テストの傾向となっています。
他教科の共通テストの科目別問題傾向と対策も詳しく説明していますので、是非参考にして共通テスト対策の勉強を進めていきましょう。
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