2024年度大学入学共通テスト
地学の傾向から考察
大学入学共通テストも3年目となり、知識の量ではなく、応用力や分析力を問う傾向が定着してきましたた。
ここでは大学入学共通テスト・地学の出題傾向・対策などを解説していきます。共通テストの傾向をしっかりと把握して正しい共通テスト対策を行っていきましょう。
目次
2023年度の地学はどのようになっていたのでしょうか。
項目ごとに解説します。
2023年度大学入学共通テストの地学は、前年度の平均と比較すると2.87点のマイナスでしたが、難易度としてはさほど変わりませんでした。
科目 | 満点 | 2023年度平均点 | 2022年度平均点 | 前年度との差 |
---|---|---|---|---|
地学 | 100 | 49.85 | 52.72 | ▲2.87 |
2023年の共通テスト地学の構成は、大問数は5題、マーク数は27で、マーク数は前年より3つ減りました。
大問1は様々な分野における平面図と立体図を相互に置きかえるというやや難易度の高い考察問題が出題されましたが、大問2以降は取り組みやすい問題が出題され、前年と難易度に大きな差はなかったと思われます。
2023年度共通テスト地学は、固体地球の概観・固体地球の活動・地球の歴史・大気と海洋・宇宙の構成という教科書の5分野のすべてから出題され、また前年同様に知識問題・ 読図問題・計算問題がバランスよく出題されました。出題範囲・出題形式ともに偏りなく出題されたといえ、2024年度もこの傾向は続くと思われます。
大問 | 内容 | 配点 |
---|---|---|
1 | 平面図と立体図の置き換え | 20点 |
2 | 地球 | 18点 |
3 | 地質地史 | 22点 |
4 | 大気・海洋 | 18点 |
5 | 天文・宇宙 | 22点 |
共通テスト全体の傾向として、知識が定着していることを前提とした考察問題が多く出されます。地学もその傾向の出題がされ、問題文や図・グラフから情報を読み取って考察する問題が出題されています。2024年度もこの傾向は変わらないと予想されるため、まずは地学知識の定着を図った上で、教科書や参考書・問題集などで図やグラフを読み取る演習を繰り返しましょう。
共通テスト地学の問題傾向や配点などをお伝えしてきました。
それではどのように準備・対策をしていけばよいのでしょうか。
ここでは、共通テスト 地学のおすすめの勉強法を紹介します。
共通テストの傾向として、思考力や応用力を問う出題がされますが、基礎的なことができている前提となっています。まずは基礎的な知識を徹底して身につけ、教科書で問われている知識については間違いなく理解できるようにしましょう。
幅広い分野から偏りなく出題されるため、苦手分野を残すと得点に響きます。基礎的な事項から丁寧に理解し、演習を繰り返し、苦手分野をなくしましょう。
共通テストは教科書の範囲からの出題が基本です。難解な問題集にチャレンジするよりも、基本的な問題集・参考書を徹底的に理解するほうが、結局高得点に繋がります。
基礎を抑えたら、次に演習です。その際には共通テストの過去問にも積極的に取り組みましょう。共通テストとセンター試験は傾向が異なる部分もありますが、十分参考になります。
時間内に問題解決に導けるスピードを身につけるため、時間を測りながらの演習も必須です。
文系の生徒で共通テストでのみ地学を受験する場合、できれば春から、遅くとも夏ぐらいからは取り組みましょう。早めに取り組み知識の定着を図った上で演習に取り組みましょう。
現在の知識レベルによって何時間の学習をすればよいかは異なりますが、ベースがなければその分習得時間を割かなければいけなくなります。主要教科に割く時間が少なくなってしまうので、少しづつでもいいので早めに取り組むことをおすすめします。
共通テスト直前になったら、できなかった問題を繰り返しやり、確実に解けるようにしておきましょう。何度も間違ってしまう問題は、基本的なことが理解できていない可能性があります。放置すると他にも解けない問題が出てくる可能性があるため、さかのぼって復習することも忘れずに。
また、過去問や模試を使っての時間配分の確認も重要です。
せっかく解ける問題を時間切れで解けないのはもったいないので、時間内に解ききることができるようにトレーニングをしておきましょう。
基礎基本を固めた上で読解力・理解力が求められていることを踏まえて、共通テストの傾向に沿った解説・アドバイスをしてくれる教材を吟味して、徹底的に使い倒しましょう。
人気の参考書やオリジナルで制作されたものなどが悪いわけではありませんが、自分の実力にあったものを徹底するほうが地力はつきます。
共通テストはセンター試験に比べて読解量が多くなり、時間がタイトになっている傾向にあります。ここでは時間配分の例を紹介します。
共通テスト物理の時間配分例は下記のとおりです。
試験時間は60分。
見直し・チェックは余裕を持って行いたいところなので、時間を短縮できるよう工夫が必要です。
大問1 | 10分 |
---|---|
大問2 | 11分 |
大問3 | 11分 |
大問4 | 11分 |
大問5 | 12分 |
見直し | 5分 |
計 | 60分 |
上記はあくまで目安です。
得意な問題傾向の設問は時間を短縮して、苦手問題傾向の設問には時間を余分にとるなどの調整は必要になります。あと、見直しの時間も最初から考慮した時間配分で取り組めるとミスもなくなり高得点に繋がります。
時間内に解ききるためのコツをいくつかご紹介します。
まず設問・選択肢を先に読んで、「何が問われているか」を把握したうえで問題文を読みましょう。
わからない問題にこだわって時間がなくなってしまうとあとの大問をまるまる解けないということもありえます。
わからない問題は潔く飛ばして、解ける問題から解いていきましょう。
物理・化学・生物・地学のどれを選択するのが最も最適なのでしょうか。これは一概には言えず、自分が受験したい大学の受験科目か、得意不得意はどうか、理系の場合は組み合わせをどうするかなど、いろんな観点で選択する必要があります。
他の科目の学習負担や受験する大学で利用できるかどうかなどを確認した上で選択しましょう。
地学は理科の中では暗記よりの科目となっています。そのためまずは教科書内容を確実に理解することが大切です。基礎的な内容の参考書や問題集を確実に理解することからスタートしましょう。学校の定期テストも定着を図る重要な機会です。
そのうえで共通テストレベルの問題集や過去問を繰り返し解き、問題のパターンに慣れていきましょう。いくら知識を暗記しても、問題文や図・グラフから情報を読み取って考察する問題には対応できません。演習を繰り返すことでパターンに慣れていきましょう。
共通テストでは、下記のパターンから科目を選択します。
・文系:基礎科目から2科目 または 基礎を付さない科目から1科目
・理系:基礎を付さない科目から2科目 または 基礎科目2科目と基礎を付さない科目1科目
理系の国立・公立大2次試験や私立大個別試験では、理科のうち1か2科目選択すしますが、多くの場合、基礎科目と基礎を付さない科目の全範囲から出題されます。
自分が受験しようと考える大学・学部に必要な科目は何かを把握し、いざ受検というときに必要科目を受けられるように選択しましょう。
基礎的な知識が身についていることを前提に、思考力や応用力を問われるというのが全教科・科目を通じての共通テストの傾向となっています。
受験対策も暗記中心のセンター試験対応のものから、共通テストに対応して行う対策に切り替えて行う必要があります。
他教科の共通テストの科目別問題傾向と対策も詳しく説明していますので、是非参考にして共通テスト対策の勉強を進めていきましょう。
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