2024年度大学入学共通テスト
地理の傾向から考察
大学入学共通テストも3年目となり、知識の量ではなく、応用力や分析力を問う傾向が定着してきましたた。
ここでは大学入学共通テスト・地理の対策について、2021年度・22年度の共通テスト出題傾向などを解説していきます。共通テストの傾向をしっかりと把握して正しい共通テスト対策を行っていきましょう。
目次
2023年度の地理はどのようになっていたのか。
項目ごとに解説します。
2023年度大学入学共通テストの地理(地理B)は、前年度の平均と比較すると1.47点のプラスで、ほぼ前年並みの難易度だったと言えます。
科目 | 満点 | 2023年度 平均点 |
2022年度 平均点 |
前年度との差 |
---|---|---|---|---|
地理B | 100 | 60.46 | 58.99 | 1.47 |
2023年の共通テスト地理Bの構成は、大問数5題、小問数30問、マーク数31で、2022年度と同様でした。大問構成でも2021年度から同じで、自然環境と自然災害、産業分野、村落・都市と人口、地誌、地域調査でした。
資料を用いた問題が多く出題され、教科書の知識を習得していることを前提に資料を読みとき回答を導く思考力・応用力を問うという傾向が続きました。資料を読解しなければ解けない問題が多く、曖昧な知識のまま臨むと回答が難しかったと予想されます。
ただ、細かい知識が必要なわけではなく、教科書の記載の基本的な知識があれば解答できる問題が出題されており、まずは基礎基本をしっかり身につけることが大切です。
資料の読み込みと、問題文の分量増加によって、回答に要する時間がセンター試験と比べると増加しており、速読力や読解力も試されていると言えます。その分問題数は減少しましたが、決して余裕があるわけではありませんので注意してください。
2023年度共通テスト地理(地理B)は、上述通り大問数5題、小問数30問で、前年度と同じでした。大問ごとの配点は下記のとおりとなっています。
大問 | 内容 | 配点 |
---|---|---|
1 | 自然環境・自然災害 | 20 |
2 | 産業分野(資源と産業) | 20 |
3 | 都市・人口問題 | 20 |
4 | 地誌(インド・中国) | 20 |
5 | 地域調査(利根川下流域) | 20 |
共通テスト地理Bの問題傾向や配点などをお伝えしてきました。それではどのように準備・対策をしていけばよいのでしょうか。
ここでは、共通テスト 地理のおすすめの勉強法を紹介します。
共通テストの傾向として、思考力や応用力を問う出題がされますが、基礎的なことができている前提となっています。まずは基礎的な知識を徹底して身につけ、教科書で問われている知識については間違いなく理解できるようにしましょう。
幅広い分野から偏りなく出題されるため、苦手分野を残すと得点に響きます。基礎的な事項から丁寧に理解し、演習を繰り返し、苦手分野をなくしましょう。
共通テストは教科書の範囲からの出題が基本です。難解な問題集にチャレンジするよりも、基本的な問題集・参考書を徹底的に理解するほうが、結局高得点に繋がります。
基礎を抑えたら、次に演習です。その際には共通テストの過去問にも積極的に取り組みましょう。共通テストとセンター試験は傾向が異なる部分もありますが、十分参考になります。
時間内に問題解決に導けるスピードを身につけるため、時間を測りながらの演習も必須です。
理系の生徒で共通テストでのみ地理を受験する場合、できれば春から、遅くとも夏ぐらいからは取り組みましょう。直前期でいいというアドバイスがされることもありますが、地理は基本的な知識が身につけたうえでの演習が大切。早めに取り組み知識の定着を図った上で演習に取り組みましょう。
現在の知識レベルによって何時間の学習をすればよいかは異なりますが、ベースがなければその分習得時間を割かなければいけなくなります。英語・数学・理科に割く時間が少なくなってしまうので、少しづつでもいいので早めに取り組むことをおすすめします。
共通テスト直前になったら、できなかった問題を繰り返しやり、確実に解けるようにしておきましょう。何度も間違ってしまう問題は、基本的なことが理解できていない可能性があります。放置すると他にも解けない問題が出てくる可能性があるため、さかのぼって復習することも忘れずに。
また、過去問や模試を使っての時間配分の確認も重要です。
せっかく解ける問題を時間切れで解けないのはもったいないので、時間内に解ききることができるようにトレーニングをしておきましょう。
基礎基本を固めた上で読解力・理解力が求められていることを踏まえて、共通テストの傾向に沿った解説・アドバイスをしてくれる教材を吟味して、徹底的に使い倒しましょう。
人気の参考書やオリジナルで制作されたものなどが悪いわけではありませんが、自分の実力にあったものを徹底するほうが地力はつきます。
共通テストはセンター試験に比べて読解量が多くなり、時間がタイトになっている傾向にあります。ここでは時間配分の例を紹介します。
共通テスト地理の時間配分例は下記のとおりです。
試験時間は60分。
見直し・チェックは余裕を持って行いたいところなので、時間を短縮できるよう工夫が必要です。
大問1 | 11分 |
---|---|
大問2 | 11分 |
大問3 | 11分 |
大問4 | 11分 |
大問5 | 11分 |
見直し | 5分 |
計 | 60分 |
上記はあくまで目安です。
得意な問題傾向の設問は時間を短縮して、苦手問題傾向の設問には時間を余分にとるなどの調整は必要になります。あと、見直しの時間も最初から考慮した時間配分で取り組めるとミスもなくなり高得点に繋がります。
時間内に解ききるためのコツをいくつかご紹介します。
まず設問・選択肢を先に読んで、「何が問われているか」を把握したうえで問題文を読みましょう。
わからない問題にこだわって時間がなくなってしまうとあとの大問をまるまる解けないということもありえます。
わからない問題は潔く飛ばして、解ける問題から解いていきましょう。
共通テスト・地理で高得点を取るためには、①系統地理 → ②地誌 の順で学習を進めるのがおすすめです。系統地理で身につけた知識で地誌の問題が概ね解けるため、効率的です。まずはこの順で前提となる教科書内容の知識を身に着けましょう。地理に限らず共通テストで高得点を取れない人は、基本的な知識が身についていないからということがほとんどです。難しい問題集に当たる前に、基本をしっかり身につけましょう。
そのうえで、標準問題集を活用し、問題演習を行いましょう。そこまでを確実にやれば、8割の得点を挙げることが可能です。
さらに9割・満点を目指すには、問題をたくさん解いてさまざまな資料やグラフを読み溶けるようにする必要があります。問題集や過去問はもちろん、資料集や統計などにあたり、データをおさえていきましょう。
2021年・22年と実施された共通テストも傾向がはっきりしてきました。基礎的な知識が身についていることを前提に、思考力や応用力を問われるというのが全教科・科目を通じての傾向です。
受験対策も暗記中心のセンター試験対応のものから、共通テストに対応して行う対策に切り替えて行う必要があります。
地理以外の他の教科の共通テストの科目別問題傾向と対策を詳しく説明していますので、是非参考にして共通テスト対策の勉強を進めていきましょう。
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