マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)と難易度について
マイクロソフトオフィススペシャリスト(Microsoft Office Specialist)とは、WordやExcel、PowerPointなどのパソコンソフトの操作スキルを証明する、マイクロソフトが認定する国際資格です。
Microsoft Office Specialistの略の「MOS」として認知度の高い資格で、世界約200ヶ国において同一の実施基準のため、海外でもスキルを証明することができます。事務職やオフィスワークではパソコンが必須のため、就職や転職にも役立ち面接などにもスキルをアピールすることができて有利です。学生や社会人など、誰でも資格に挑戦することができ、2020年12月末時点でMOSの類型受験者数は450万人を突破するほど人気の資格です。
MOSには、Word、Excel、PowerPoint、Access、Outlookの5つのソフトで試験があります。この5つのソフトはバージョンアップされるため、最新バージョンで試験が行われます。ソフトの種類やバージョン、難易度により23種類の科目があるため、職場や自宅で使用しているOfficeのバージョンを選択することもできます。
〇POINT…年数が経過すると古いバージョンは使われなくなるため、最新版を取得するのがおすすめです。
受験方法は、コンピュータでの試験(CBT)で、マークシートの問題や記述問題などはありません。
試験に合格すると、試験結果レポート、合格認定証、デジタル認定証の3種類の合格書類が利用できます。試験結果レポートは、受験者全員に受験当日試験会場で渡されます。合格認定証は、合格者に6週間以内にゆうそうされるもので、デジタル認定証はWeb上で受験当日からすぐに閲覧可能です。デジタル認定証は印刷もできるため、受験当日から履歴書などに記載でき、提出することもできます。
<MOS試験科目のソフト内容>
- Word(ワード)…文書作成ソフト
- Excel(エクセル)…表計算ソフト
- PowerPoint(パワーポイント)…プレゼンテーションソフト
- Access(アクセス)…データベース管理ソフト
- Outlook(アウトルック)…電子メール・情報管理ソフト
<資格の体系と難易度>
MOS 365&2019の資格一覧
〇一般レベル(アソシエイト) ・Excel ・Word ・PowerPoint ・Outlook
文書の表示の変更、表の作成、テキストボックスの挿入、関数、グラフの作成などといった、一般的な基本機能が出題され、初心者からでも合格を目指すことができるレベルです。
各科目に合格するとそれぞれ合格認定証が発行され、上記のいずれか4科目のうち3科目取得すると、「MOS Associate」の認定証が発行されます。
〇上級レベル(エキスパート) ・Excel Expert ・Word Expert ・Access Expert
組織内での文書管理、データ集計などのグループで行う作業や管理などの高度な機能について出題される、難易度の高い試験です。
各科目に合格するとそれぞれ合格認定証が発行され、上記の3科目のうち2科目を取得すると「MOS Expert」の認定証が発行されます。
最新のMOS資格は、「MOS 365&2019」が最新のバージョンの試験です。このバージョンからレベル名や位置づけが変更となりました。
「スペシャリスト(Specialist)」と呼ばれた一般レベルを、「アソシエイト(Associate)」とし、ソフトの1つであるAccessを上級レベルに位置づけが変わりました。
<受験方法>
MOSの受験方法には「全国一斉試験」と「随時試験」の2種類があります。
・全国一斉試験
全国一斉試験は、オンラインや郵送で申し込みができ、毎月1~2回試験が実施されます。試験会場は全国の一斉試験実施会場より選択します。
・随時試験
最寄りの試験会場へ直接申し込みし、試験会場が設定した日程で試験が実施されます。試験会場は全国約1,700から選択します。
<必要な勉強時間>
・1日に平均1.5時間の勉強時間が確保できる場合
一般レベル「アソシエイト」と上級レベル「エキスパート」のどちらも、初心者の場合でも独学で2~3ヶ月程度で合格を目指すことが可能です。Officeソフトの経験者であれば、1~2ヶ月ほど必要です。アソシエイトを受けずに、いきなりエキスパートを受験することも可能です。ただし、普段からWordやExcelを使用していても、試験対策をせずに合格することは難しいです。勉強方法としては、MOS試験は過去問が公開されていないため、模擬試験の問題集や参考書などで、少しでも多くの問題に触れるのがいいでしょう。
<合格率>
公式の発表はありませんが、「MOS2013」「MOS2016」の一般レベル「スペシャリスト」の合格率は約8割、上級レベル「エキスパート」の合格率は約6割と言われています。
マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)が取れる大学の主な学部
MOSは、事務職だけでなくオフィスワークをする全ての業界に提示することができる資格です。そのため、MOSは就職したい業種の関連分野が学べる大学・学部に進学して取得するのがベストです。
MOSが取れる大学の主な学部を具体的に上げるとすれば
- 経済学部
- 経営学部
- 法学部
- 文学部
- 商学部
- 外国語学部
- 社会学部
- 教育学部
- 工学部
などです。
マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)資格取得者が多い大学ランキング10選
MOSの資格取得者を公開している大学は、ほとんどありません。MOS受験者が多い・取得支援を積極的にしているなど、MOSの試験を実施している株式会社オデッセイコミュニケーションズが公開する教育機関の活用事例として、以下の大学が挙げられています。
武庫川女子大学・短期大学部 |
成蹊大学 |
城西大学 |
学習院大学 |
九州産業大学 |
電気通信大学 |
岡山大学 |
東北福祉大学 |
金沢工業大学 |
神奈川工科大学 |
など
2020年に、株式会社オデッセイコミュニケーションズが調査したデータを参考にすると、単位認定や点数加点、取得推奨としてMOSを採用する学校は103校で、経済学部が最も多い結果となりました。
マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)資格取得が単位になる大学
国公立大学
国公立大学で、MOS資格取得が単位になる大学はありません。
私立大学
沖縄大学 |
東海学院大学(Word Expert、Exce Expert) |
創価大学(Excel(一般レベル)) |
十文字学園女子大学(Outlookを除く) |
北海学園大学(Outlookを除く一般レベル) |
新潟産業大学(Word、Excelの一般レベル) |
マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)資格取得を支援する大学
北海道・東北
北海道情報大学 | 釧路公立大学 | 東北文化学園大学 |
八戸工業大学 | 石巻専修大学 |
関東・北関東
埼玉学園大学 | 跡見学園女子大学 | 江戸川大学 |
産業能率大学 | 共栄大学 | 淑徳大学 |
実践女子大学 | 横浜商科大学 | 文京学院大学 |
東京成徳大学 | 十文字学園女子大学 | 共立女子大学 |
城西大学 | 常磐大学 | 尚美学園大学 |
多摩大学 | 敬愛大学 | 日本経済大学 |
東京国際大学 | 高千穂大学 | 明海大学 |
埼玉工業大学 | 立正大学 | 昭和女子大学 |
東洋学園大学 | 愛国学園大学 | 秀明大学 |
文教大学 | 帝京平成大学 | 目白大学 |
共愛学園前橋国際大学 | 関東学院大学 |
東海・甲信越
名古屋外国語大学 | 山梨英和大学 | 金城学院大学 |
敬和学園大学 | 東海学園大学 | 福井工業大学 |
中京学院大学 | 山梨学院大学 | 浜松学院大学 |
新潟産業大学 | 大同大学 | 新潟工科大学 |
椙山女学園大学 | 金沢工業大学 | 人間環境大学 |
新潟経営大学 | 愛知東邦大学 | 愛知みずほ大学 |
関西
大谷大学 | 芦屋大学 | 羽衣国際大学 |
四日市大学 | 奈良大学 | 神戸医療福祉大学 |
阪南大学 | 京都精華大学 | 武庫川女子大学 |
大手前大学 | 神戸国際大学 | 京都光華女子大学 |
帝塚山学院大学 | 甲南女子大学 | 高野山大学 |
中国
吉備国際大学 | 福山大学 | 東亜大学 |
広島経済大学 | 福山平成大学 |
四国
松山大学 | 徳島文理大学 |
九州・沖縄
久留米工業大学 | 沖縄大学 | 福岡工業大学 |
宮崎産業経営大学 |
マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)資格取得に大学進学が有利な理由
2020年の株式会社オデッセイコミュニケーションズによるMOSの活用に関する調査結果では、AO入試や推薦入試でMOSを点数換算、出願要件、合否判定考慮、参考程度に活用している学校が52校ありました。Outlookを除いたOfficeソフトが対象となるため、受験する学部学科の入試・選考を調べて、MOSの資格取得を目指しましょう。また、資格に合格できた能力がある事も証明できるため、大学進学や就職で有利となる理由です。
大学では、単位認定や奨励金の対象資格となることもあるため、どの進路にも役立つ資格です。
マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)受験概要
マイクロソフトオフィススペシャリスト(Microsoft Office Specialist)は、「MOS」という略称で呼ばれることが多く、マイクロソフトのソフトウェアの操作スキルを証明できる国際資格です。ソフトの種類やバージョン、難易度により23種類の科目があり、コンピュータでの試験(CBT)です。
試験科目(資格一覧)
Word
- 一般レベル…Word 365&2019、Word 2016、Word 2013
- 上級レベル(エキスパート)…Word 365&2019 エキスパート、Word 2016 エキスパート、Word 2013 エキスパート
Excel
- 一般レベル…Excel 365&2019、Excel 2016、Excel 2013
- 上級レベル(エキスパート)…Excel 365&2019 エキスパート、Excel 2016 エキスパート、Excel 2013 エキスパート
PowerPoint
- 一般レベル…PowerPoint 365&2019、PowerPoint 2016、PowerPoint 2013
Access
- 一般レベル…Access 2016、Access 2013
- 上級レベル(エキスパート)…Access 365&2019 エキスパート
Outlook
- 一般レベル…Outlook 2016、Word 2013
受験料
- 一般レベル…一般価格:10,780円(税込)、学割価格:8,580円(税込)
- 上級レベル(エキスパート)…一般価格:12,980円(税込)、学割価格:10,780円(税込)
試験内容
- MOS 2013…1つのファイルを完成させる「ファイル完成型」
- MOS 2016…MOS 2013のより広範囲な操作スキルを問う「マルチプロジェクト」形式
- MOS 365&2019…MOS 2016と同様の「マルチプロジェクト」形式
どのバージョンや科目も、試験時間は50分です。
一般レベル
- Word…文字サイズやフォントの変更、表の作成・編集、文書の印刷などの基本的な編集機能を問う
- Excel…数式や基本的な関数の作成、セルの書式設定、グラフの作成などの基本的な操作を問う
- PowerPoint…プレゼンテーションの作成と管理、テキストや図形・画像の挿入と書式設定、表やグラフ・メディアなどの納入、画面切り替え、アニメーションの適用などの基本的な操作を問う
- Access(MOS 2016まで)…データベース作成と管理、テーブルの作成、クエリの作成、フォームの作成、レポートの作成などの基本的な操作を問う
- Outlook…Outlookの環境の管理、メッセージの管理、スケジュールの管理、連絡先やグループの管理などの基本的な管理機能を問う
上級レベル(エキスパート)
- Word…スタイル機能や目次・索引作成などの長文機能、他のアプリケーションソフトからのデータ取り込みなどの、高度な機能を問う
- Excel…ピボットテーブルなどのデータ分析、条件付き書式や入力規則の設定、マクロの作成・編集などの、高度な機能を問う
- Access(MOS 365&2019)…問われる内容は、MOS 2016までの一般レベルの内容と同様。難易度などに変更はありません。
有利な就職業種・就職業界一覧
業界問わず、一般企業や医療福祉分野・司法分野・商社・外資系・多国籍企業などの事務職・営業職・管理職と、オフィスワーク全般で使えます。
オフィスワークでは、資料の作成などでExcelやWord、PowerPointの使用率が高いです。このうちのいずれかの資格であっても、資格を取得していることで就職や業務が有利になり、役に立たないことはありません。
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