看護学部受験対策講座のための勉強法

看護学部に受かるには?受験勉強の「戦略」と「いつから始めるべきか」

講師

本ページでは以下のことがわかります。

看護学部に受かるには、いつから受験勉強を開始したらいいのか?看護学部合格を目指す学生にとって気になるポイントだと思います。ここでは受験勉強の開始時期に応じた看護学部受験に向けた勉強の進め方と、受験科目の特徴に合わせた受験戦略について案内します。

目次

看護学部に受かるには、入試科目、入試範囲、入試傾向、問題難易度に合わせた対策が重要

看護学部・看護学科は、看護師を目指す受験生が集まる人気の高い学部であり、多くの大学で入試倍率の高さから合格難易度も高くなっています。

志望大学の看護学部に受かるには、目指す看護学部の受験科目や入試範囲、入試傾向をしっかりと把握して、その大学に入る為の勉強を進める必要があります。

看護学部・看護学科入試の特徴

入試科目国立大学看護学部・看護学科:
共通テスト5教科7科目。2次試験は英語+数学+理科
私立大学看護学部・看護学科:
英語は必須、国語、数学、理科は選択となることが多い。
入試範囲国立大学看護学部・看護学科:
数Ⅰ・Ⅱ・A・B・Cが主流
私立大学看護学部・看護学科:
数Ⅰ・Aが主流
入試傾向英語の長文は医療系が出題される大学もある。面接や小論文が実施される大学もある
問題難易度どの科目も標準レベルが多い

国立大学看護学部・看護学科の入試科目は、『「英語」+「数学」+「理科」』の3科目の組み合わせが多いです。

また、私立大学看護学部・看護学科の入試は3科目型または2科目型を取っている大学が多く、英語を必須としている大学がほとんどです。

3科目型の場合は『「英語」+「国語」+「数学または理科」』、『「英語」+「国語または数学」+「理科」』、2科目型の場合は、『「英語」+「国語・数学・理科から1科目選択」』という受験科目のパターンが多いです。

数学や理科といった理系科目が必須の大学がほとんどですが、文系科目だけで受験できる大学も一部有ります。

入試範囲について、数学以外は国立大学の個別入試と私立大学に大きな違いはありません。国公立大学の看護学部では、数Ⅰ・Ⅱ・A・B・Cが出題範囲で、私立大学の看護学部では、数Ⅰ・Aが出題範囲となっている大学がほとんどです。国公立、私立いずれにしても数Ⅲはほとんどの大学で必要ありません。

もっとも、名古屋大学のように2次試験で数Ⅲが出題範囲に含まれる大学、慶応義塾大学のように私立でも数Ⅰ・Ⅱ・A・B・Cが出題範囲となる大学があります。必ず自分の志望校の募集要項を見て出題範囲を確認してください。

看護学部・看護学科特有の出題傾向がある大学は多く有りませんが、英語の長文で医療系の内容が出題される大学もあります。

学力検査に加え、国立大学の2次試験(特に後期)や一部の私立大学では、面接や小論文が実施されるのも看護学部・看護学科の入試傾向といえるでしょう。日頃の学習に加え、しっかりと対策をしましょう。

問題難易度は大学によってさまざまですが、標準レベルの問題を出題する大学が多いです。解ける問題をミスなく確実に解き、得点を積み重ねる力が求められます。

各大学看護学部・看護学科ごとに出題傾向は大きく異なるため、合格ラインを超える点数をとるためには、各大学ごとの対策が必須になります。

看護学部受験対策の進め方の手順

看護学部受験対策の進め方の手順

1.志望大学看護学部を決める

1.志望大学看護学部を決める

まず最初に行うべきは、志望する看護大学(看護学部・看護学科)を選定することです。大学の選択は、地理的な場所、入学後の学習環境、費用、将来のキャリアプラン、入試倍率などの受験戦略視点など、様々な要因を考慮して決定します。自分自身の大学選びにとって重要なポイントを明確にして志望大学を絞りましょう。その上で、オープンキャンパスや大学のウェブサイト、先輩の体験談などを参考にして、自分に合った大学を選びましょう。

志望大学看護学部選び

2.看護学部の入試科目と入試範囲を把握

2.看護学部の入試科目と入試範囲を把握

国公立大学か私立大学か、どの大学を目指すかによって入試科目は異なります。まずは志望校の入試科目と入試範囲を把握することが大切です。この情報は効率的な学習計画の基礎となります。また入試科目が同じ大学でも入試傾向・範囲が異なる場合がありますので、必ず志望大学看護学部・看護学科の入試範囲を確認しましょう。

3.各科目の合格最低点をチェック

3.各科目の合格最低点をチェック

合格するための合格最低点を把握し、その合格最低点を取るにはどの程度の学習が必要なのか考えましょう。

特に国公立大学の場合、共通テストの得点が重要視されるため、具体的な合格ボーダーラインを把握しておく必要があります。

2次試験の入試科目には選択科目も多いです。合格最低点を把握する事でどの科目なら合格できるかが分かってきます。私立大学の場合は苦手科目や合格最低点の獲得が難しそうな科目での受験は避け、受験科目を整理することも大切です。

入試科目(自分の受験科目)、入試範囲、自分の学習できる勉強時間を把握して、勉強計画作成を行いましょう。

4.自己分析を行い自身の得意・苦手を正確に把握

4.自己分析を行い自身の得意・苦手を正確に把握

自己の学力を正確に把握するために、今までの定期テストや定期的な模擬試験、そして志望している看護大学の過去問の演習を通じて得意科目と苦手科目を明確にします。これにより、苦手分野を克服し、得意分野をさらに伸ばすための具体的な対策を立てることができます。

5.学習計画の作成を行い学習スケジュールを立てる

5.学習計画の作成を行い学習スケジュールを立てる

効果的な学習には、長期的な計画が不可欠です。志望大学看護学部入試までの学習計画を立て、現実的かつ柔軟性を持たせた月間、週間、日々の学習スケジュールを作成し、実行に移します。また、疲労の蓄積を避けるために、休息やリフレッシュの時間もスケジュールに組み込むことが重要です。

6.基礎から学習を始め、復習と反復学習を徹底する

6.基礎から学習を始め、復習と反復学習を徹底する

看護学部・看護学科の入試では、標準的な問題が多く出題されるため、基礎知識の徹底が非常に重要です。受験勉強を開始する際は、まず基礎を確実に理解することから始めましょう。基礎がしっかりしていれば、標準的な問題に効率的に対応することができます。

また、問題を解く際は、復習や反復学習を必ず行いましょう。問題を解く上で分からなかった事項について、意味や解法を調べてノートに記しまとめておくと良いです。そのノートを何度も見直し、解きなおして覚えることで問題の理解が深まり、看護学部入試で頻出の標準問題に対する対策が自然と身につきます。

入りやすい看護学部は?人気の看護学部は?国立大学、私立大学の入試倍率から考察

入りやすい看護学部は?人気の看護学部は?国立大学、私立大学の入試倍率から考察

看護師は人気の職業のため、看護学部・看護学科の入試倍率も高くなる傾向にあります。以下の通り、人気大学の看護学部・看護学科の入試倍率は約2~8倍です。また、以下の表からは、全体的に国立大学より私立大学の方が高いことがわかります。ただし、入試倍率だけで合格難易度が決まるわけではありません。入試倍率がそれほど高くなくても受験科目数が多く試験難易度が高い国公立大学の方が合格が難しく、受験科目が2,3科目で受験しやすく、複数校受験できる私立大学の入試倍率が高いということも言えます。

偏差値・入試倍率の高い大学の看護学部・看護学科に合格するためには、しっかりと志望大学専門の対策を取る必要があります。

国立大学看護学部・看護学科の入試倍率【2024年度(令和6年度入試)】:一般入試合計倍率

国立大学入試倍率
北海道大学2.2倍
東北大学2.9倍
山形大学2.9倍
千葉大学2.3倍
信州大学2.4倍
名古屋大学2.7倍
大阪大学1.5倍
神戸大学1.6倍
徳島大学1.8倍
広島大学1.5倍
九州大学2.0倍
宮﨑大学3.1倍

私立大学看護学部・看護学科の入試倍率【2024年度(令和6年度入試)】:一般入試倍率

大学名入試倍率
弘前学院大学3.0倍
慶應義塾大学7.3倍
日本赤十字看護大学1.8倍
帝京大学1.7倍
金沢医科大学1.5倍
愛知医科大学1.9倍
佛教大学4.4倍
同志社女子大学4.1倍
広島国際大学1.6倍(2023年度)
西南女学院大学1.8倍(2023年度)

看護学部の受験科目と大学別入試科目の特徴について

看護学部・看護学科受験は国公立大学と私立大学で対策方法が大きく異なります。それぞれどのような受験科目が必要か、どのような入試範囲が出やすいのか、確認しましょう。

国立大学(前期)看護学部・看護学科の受験科目一覧と入試範囲

国立大学(前期)看護学部・看護学科の受験科目一覧と入試範囲

国公立大学(前期)の看護学部・看護学科の個別試験科目は、『「英語」+「数学」+「理科」』の3科目の組み合わせであることが多く、受験科目として数学を必須としている大学が多いです。東北大学や大阪大学、神戸大学、九州大学など多くの国公立大学では、出題範囲は数Ⅰ・Ⅱ・A・B・Cで、数Ⅲの学習が必要な大学は少数です。

しかし、名古屋大学のように数Ⅲが出題範囲に含まれる大学もあります。志望大学の試験範囲を募集要項で必ず確認し、学習を進めましょう。

理科は、物理・化学・生物から2科目または1科目選択で受験可能な大学が多く、必須科目を設けている大学はほとんどありません。自身の得意な2科目を重点的に学習するとよいでしょう。一方で私立大学の一般入試を併願する場合は、物理を選択できない大学も有りますので、国公立二次も化学・生物の対策を進めるのが得策でしょう。

その他、山形大学、東北大学、千葉大学、鳥取大学、筑波大学のように面接試験を実施する大学もあります。また、弘前大学や島根大学では小論文の試験を実施しています。

志望校で面接や小論文を課される場合は、学力検査の対策に加えて、面接や小論文もしっかりと対策しておきましょう。

≪主な国立大学看護学部(前期):2次(個別)試験入試科目(2025年度)一覧≫

大学名入試科目
山形大学英語+面接
弘前大学数学(Ⅰ・Ⅱ・A・B・C)または英語から1科目+小論文
東北大学英語+数学(Ⅰ・Ⅱ・A・B・C)+理科2科目選択(物理基礎・物理、化学基礎・化学、生物基礎・生物)+面接
千葉大学英語+理科2科目選択(物理基礎・物理、化学基礎・化学、生物基礎・生物)+面接
信州大学英語+数学(Ⅰ・Ⅱ・A・B・C)+調査書
名古屋大学英語+国語+数学(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B・C)+理科2科目選択(物理基礎・物理、化学基礎・化学、生物基礎・生物)
大阪大学数学(Ⅰ・Ⅱ・A・B・C)+理科1科目選択(物理基礎・物理、化学基礎・化学、生物基礎・生物)+英語
神戸大学数学(Ⅰ・Ⅱ・A・B・C)+英語+理科1科目選択(物理基礎・物理、化学基礎・化学、生物基礎・生物から1つ)+面接
島根大学小論文+面接
徳島大学英語+集団面接
九州大学英語、ドイツ語、フランス語+数学(Ⅰ・Ⅱ・A・B・C)+理科2科目選択(物理基礎・物理、化学基礎・化学、生物基礎・生物)
宮﨑大学面接

国立大学(後期)看護学部の受験科目一覧と入試範囲

国立大学(後期)看護学部・看護学科の個別試験科目は、ほとんどの大学で面接が実施されています。

山形大学や信州大学、島根大学のように面接のみの大学もあれば、徳島大学や宮崎大学のように面接に加えて小論文を実施する大学もあります。また、神戸大学では面接と英語を必須としています。

≪主な国立大学看護学部(後期):2次(個別)試験入試科目(2021年度)一覧≫

大学名入試科目
山形大学面接
信州大学面接+調査書(面接の参考資料として活用)
神戸大学後期試験記載なし
島根大学面接
徳島大学小論文+個人面接+集団討論
宮﨑大学小論文+面接

私立大学看護学部の入試科目と入試範囲

私立大学看護学部の入試科目と入試範囲

私立大学看護学部・看護学科の受験科目はさまざまですが、英語はほとんどの大学で必須です。英語の苦手は克服しておきましょう。

国語はほとんどの大学で選択科目の1つで必須科目ではありません。しかし、弘前学院大学や日本赤十字看護大学、佛教大学(3教科型)など国語を必須としている大学もありますので、注意しましょう。

また、北海道医療大学や同志社女子大学、西南女学院大学などは、文系科目のみでの受験が可能です。理系科目が苦手な方はぜひ利用しましょう。地歴公民で受験可能な大学はほとんどありませんが、北海道医療大学は日本史B、政治経済が選択科目に含まれています。

看護学部では、数学と理科の両方を必須としている大学は少なく、選択科目の1つとして受験科目に含まれている場合が多いです。

私立大学看護学部の入試科目と入試範囲

数学を選択して受験する場合、出題範囲は数Ⅰ・Aのみの大学が多いので、数Ⅰ・Aを重点的に学習するとよいでしょう。ただし、慶応義塾大学は数Ⅰ・Ⅱ・A・B・Cが出題範囲です。数学の出題範囲に数Ⅱ、数Ⅱ・B・Cが含まれている場合は、その対策もしっかりとしておきましょう。

理科を選択して受験する場合、物理・化学・生物から1科目選択、もしくは化学・生物から1科目選択する方式が多いです。慶応義塾大学、日本赤十字看護大学など、物理が選択科目にない大学もありますので、化学又は生物を選択しておくと多くの看護学部に対応することができます。 また、西南女学院(後期)では面接が行われます。日本赤十字看護大学は学科試験通過者のみ2次試験の面接が行われます。

このように大学によって入試科目や入試範囲は異なります。まずは志望校の看護学部・看護学科の入試科目や入試範囲を確認し、それに合わせた受験勉強を進めていくことが重要です。

≪主な私立大学看護学部:入試科目(2025年度)一覧≫

大学名入試科目
北海道医療大学英語+数学(Ⅰ・A)または国語から1科目選択+ 化学基礎、生物基礎、物理基礎、日本史探求、政治経済から1科目
弘前学院大学2025年度掲載され次第追記します。
慶應義塾大学英語+ 数学(Ⅰ・Ⅱ・A・B・C)、理科(化学基礎・化学)、理科(生物基礎・生物)から1科目+小論文
日本赤十字看護大学英語+国語総合(近代以降の文章)(記述式問題を含む)+数学(Ⅰ・A)、化学基礎・化学、生物基礎・生物、生物基礎・化学基礎から1科目+面接(グループ討議・個人面接)【2024年度】
帝京大学英語+国語総合(古文・漢文を除く)、数学(Ⅰ・A)、物理基礎・物理、化学基礎・化学、生物基礎・生物から2科目【2024年度】
金沢医科大学英語+数学(Ⅰ・A)、物理基礎、化学基礎、生物基礎から1科目+面接
佛教大学(2科目型)英語+国語、数学(Ⅰ・A)から1科目
佛教大学(3科目型)英語+国語+数学(Ⅰ・A)、生物基礎、化学基礎から1科目
同志社女子大学(前期・2教科入試)英語+国語(古文・漢文を除く)、数学(Ⅰ・A)から1科目
同志社女子大学(前期・3教科入試)英語+国語(古文・漢文を除く)、数学(Ⅰ・A)から1科目+理科1科目(化学基礎・化学、生物基礎・生物から1つ)
広島国際大学英語+数学(Ⅰ・A)または数学(Ⅰ・Ⅱ・A・B・C)から1科目+物理基礎・物理、化学基礎・化学、生物基礎・生物、国語、公共から1科目
西南女学院大学 英語+国語総合(古文・漢文を除く)、化学基礎・化学、生物基礎・生物から1科目

受験科目で選ぶ看護大学(看護学部・看護学科)選択ガイド。「入試科目の要件」と「自分の強み」から受験戦略を立てる

特定の科目を必要としない、または受験科目が選択可能な看護学部を紹介します。自分の強みを生かして受験できる看護学部・看護学科選択の参考にしてください。

自分の強みを生かした得意科目で受験にのぞむ受験戦略は看護学部合格率を大きく高める事に繋がります。

文系科目だけで受験できる看護学部・看護学科の主な大学一覧

理系の看護学部ですが、文系科目だけで受験できる大学もあります。どうしても理系科目が苦手だという受験生は、文系科目のみの受験でこれらの大学を目指すのも良いでしょう。ただし、あくまでも看護学部は理系学部ですので、入学してから理系科目が苦手とは言っていられません。特に高校の数学、生物、化学については、合格した後でも構いませんので受験科目外であっても復習を行っておきましょう。

文系科目だけで受験できる看護学部は以下の通りです。

<国公立大学>

<私立大学>

生物・化学・物理の3科目から1科目選択受験できる看護学部・看護学科の主な大学一覧

<国公立大学>

<私立大学

生物・化学・物理の3科目から2科目選択受験できる看護学部・看護学科の主な大学一覧

<国公立大学>

<私立大学>

数学なしで受験できる看護学部・看護学科の主な大学一覧

数学なしで受験できる看護学部・看護学科の主な大学一覧

<国公立大学>

<私立大学>

共通テスト利用のある私立大学看護学部・看護学科

慶応義塾大学には共通テスト利用入試がありませんが、ほとんどの私立大学看護学部・看護学科で共通テスト利用入試を実施しています。

私立大学の共通テスト利用入試は、国公立大学を受験する場合に必須で受験する共通テストの点数を利用できる、一般入試に加えて選抜回数を増やせる、共通テスト対策で複数の私立大学を受験できるというメリットがあります。一方で、共通テストと大学の個別試験とでは入試傾向が大きく異なるため、一般入試と共通テスト利用入試両方を受験する場合、両方の対策を行う必要があります。

国公立大学を第一志望として共通テストを受験する場合は、積極的に併願私立大学の共通テスト利用入試を受験することをおすすめします。

私立大学を第一志望とする場合、共通テスト利用入試は比較的募集人数が少なく、偏差値も高い傾向にあるため、個別試験の対策に学習時間を向ける方がいいでしょう。ただ、共通テスト利用入試は共通テスト一回の受験で多数の大学に出願することができるため、私立大学の受験メインでも共通テスト利用入試を有効に使うことはできます。

国公立大学看護学部の大学入学共通テストと2次試験対策

国公立大学看護学部・看護学科に合格するためには、『大学入学共通テスト』と『2次試験(個別試験)』の両方で高得点を取らないといけません。国公立大学は私立大学に比べて学費が安いため目指す受験生が多いです。しかし、地方国立大学でも入試範囲は私立大学看護学部・看護学科より広いことから、合格するためには戦略的で効果の高い勉強方法に取り組む必要があります。

大学入学共通テストの得点率ボーダーについて

大学入学共通テストの得点率ボーダーについて

弘前大学や富山大学、徳島大学などの一部の地方国立大学の看護学部・看護学科は、共通テストの得点率6割強がボーダーですが、ほとんどの大学は共通テストの得点率7割がボーダーです。余裕をもって2次試験に挑むためにも、できれば7割半ば~8割の点数を取っておきたいです。

つまり1000点満点だとすると700点以上の点数を取らないといけません。余裕を持って2次試験に挑むためにも、できれば7割半ばくらいの点数を取っておきたいです。

偏差値最上位の東京大学や京都大学の看護学部を目指す場合は、共通テストで8割半ば前後の得点率が求められます。

とりわけ東大は8割6分以上の点数がボーダーになってきますので、「9割で入学できるぞ」くらいに思っておいた方が良いかもしれません。

2次試験(個別試験)の得点率ボーダーについて

国公立大学看護学部・看護学科の2次試験(個別試験)は大学によって試験問題、難易度が異なりますが、合格最低点は5割前後となる大学が多いです。共通テストの結果にもよりますが、2次試験においては「6割で合格が見える」というのを一つの目安としてよいでしょう。

信州大学や大阪市立大学は、4割前半の得点でも合格可能性があります。ただし愛媛大学は6割の得点がボーダーとなる傾向があり、高得点勝負になります。 ただし、ボーダーの得点率が低いから易しいわけではありませんので、ボーダーを見て難易度を把握するのではなく、問題とボーダーのバランスを確認するようにしましょう。難問型や出題数が多い高速処理型の出題で得点率が低くなるパターンもあります。

このように2次試験の問題難易度や入試傾向は大学によってさまざまです。必ず2次試験の合格最低点を把握した上で、志望大学に合わせた対策を進めましょう。

看護学部受験対策はいつから始める?

志望学部を看護学部・看護学科に絞っているのであれば、早い時期から看護学部に特化した勉強法を確立すると非常に有利です。

国立大学看護学部・看護学科を受験する場合は、5教科7科目+2次試験の対策が必要です。2次試験の科目は大学によって異なり英語・数学・理科の3科目受験または、英語・数学・理科(2科目)の4科目受験となる大学が多いです。中には小論文や面接を行う大学もあるので、合わせて対策しておきましょう。国公立の看護学部の場合、難易度にもよりますが、遅くとも高校2年の冬休み頃から受験勉強に取り組むことをおすすめします。

私立大学看護学部・看護学科のみの受験を考えている場合、英語はほとんどの大学で必要ですが、国語、数学、理科は大学によっては選択科目になることが多く、苦手であれば避けて受験することも可能です。また、数学の出題範囲が数Ⅰ・Aのみの大学や文系科目のみで受験できる大学もあるため、国立大学看護学部・看護学科の受験に比べて、戦略的に科目を絞って受験勉強することが可能です。私立の看護学部を目指す場合、遅くとも高校3年に進級した時点で看護学部・看護学科の受験対策を始めましょう。

高1から始める看護学部受験対策

高1から始める看護学部受験対策

高1で習う内容は、各教科の基礎となる部分です。高校の授業についていくこと、教科書の内容をしっかり理解することを最優先してください。 特に力を入れたい科目は英語と数学です。英語はほとんどの大学で必須となるため、理解を深め、早めに苦手をなくしておきましょう。また、数学なしでも受験できる私立大学看護学部・看護学科はありますが、必要となる大学も多いです。特に国立大学の看護学部・看護学科を目指す場合は必ず受験科目に含まれますので、基礎をしっかりと理解しましょう。高2、高3の学習理解にも役立ちます。

国立大学の看護学部・看護学科を目指す場合や志望する私立大学入試で国語の受験が必要な場合は、国語の対策も進めておきましょう。英語の読解力強化にもつながります。英語・数学の2教科に国語を加えた3教科に関して、共通テストの出題範囲の基礎学習を進められれば、高1から始める看護学部・看護学科の受験対策としては十分でしょう。

>高1から万全の看護学部対策を始める         >高1から始める勉強時間の目安

高2から始める看護学部受験対策

高2から始める看護学部受験対策

高2から看護学部・看護学科受験対策を始める場合は、高1同様、英語・数学の2教科+国語(国公立や私立で必要な場合)の基礎固めに力を入れるとよいでしょう。数学・英語・国語の基礎を定着させることができれば、理科の基礎固めに移行します。看護学部・看護学科受験の場合、理科は物理・化学・生物から1科目または2科目選択する大学がほとんどです。

国立の看護学部・看護学科は理科2科目選択の大学が多い一方、私立看護学部・看護学科は、理科1科目選択の大学が多いです。中には化学・生物から1科目選択する大学もあります。

そのため、特に化学・生物の出題範囲を網羅した基礎学習を進めましょう。「数学・英語 (国語)→ 化学または生物」の順で対策していきます。理科を地学で受験できる看護学部・看護学科は少ないため、どうしても化学、生物が苦手という場合以外は、受験勉強としての地学は除外して考えてよいでしょう。高2の冬までに化学が対策できていれば生物、生物が対策できていれば化学、と学習を進めましょう。

高3になってからスムーズに共通テスト対策を進めるためにも、高2の間にできる限り英語・数学・化学または生物の基礎力を強化しておきましょう。

>高2から手堅く看護学部対策を始める         >高2から始める勉強時間の目安

高3から始める看護学部受験対策

高3から始める看護学部受験対策

高3から看護学部・看護学科の受験勉強を始める場合は、早急に英語・数学・化学または生物の基礎固めに取り組まないといけません。国公立大学の受験を希望する場合は、国語(現代文)も優先して進めておきましょう。私立大学の受験を希望する場合は、志望大学によって数学や理科なしで受験することも可能です。文系科目のみで受験可能な大学もありますので、志望大学の受験に必要な科目を調べ、その科目から学習を進めましょう。

夏休みに入る頃までには、必ず英語、数学、化学または生物の教科書レベルの力を身に付けることを目標にして進めていきます。国立大学看護学部・看護学科を受験する場合は、遅くとも高3の夏から共通テスト対策として国語(古典)、社会、理科(化学、生物、物理で対策がまだの科目)の勉強も進めていきましょう。

秋から冬は志望大学の過去問に取り組み、志望大学の入試問題傾向をつかみましょう。頻出単元に関しては、他の大学の過去問やそれをベースにした問題集に載っている類似問題に挑戦してみても良いです。過去問や問題集で解けなかった苦手分野は、解答解説や参考書も利用してしっかりと自身の力で解けるようにしておきましょう。

>高3から始める勉強時間の目安

看護学部合格に向けた勉強時間の目安と学習計画の作り方について

看護学部合格に向けた勉強時間の目安と学習計画の作り方について

看護大学(看護学部・看護学科)に合格する為の勉強時間はどのぐらい?

国立大学看護学部・看護学科および高偏差値の私立大学看護学部・看護学科を目指す場合、高校2年生の勉強時間の目安は、平日2~3時間、休日4~5時間程です。高校3年生は、平日3~4時間、休日5〜8時間程、夏休みには毎日6時間~を意識してみてください。看護学部・看護学科合格に向けた学習計画として、まずは自分の志望校の募集要項をチェックし、受験科目や出題範囲をきちんと把握することが大切です。

各学年別の勉強時間の詳細は以下の記事を参考にしてください。

看護大学(看護学部・看護学科)に受かる為の学習計画表の作り方

国立大学看護学部・看護学科を受験する場合、高3の春~夏には、英数に加えて共通テスト対策として国語・社会・理科(化学・生物・物理で対策がまだの科目)の対策も進めていきたいです。秋頃からは過去問や同様のレベルの問題集を使った演習を進め、解いたことのある問題パターンを増やすことが大切です。苦手単元や抜け漏れは参考書等を辞書的に使いながら、徹底的に潰しておきましょう。また、2次試験で面接や小論文を行う大学が多いため、面接や小論文の対策も進めましょう。

私立大学看護学部・看護学科の多くは「英語・数学・理科1科目(物理・化学・生物から1科目選択もしくは化学・生物から1科目選択」の3科目受験です。高3の夏までに英語・数学・化学または生物の基礎を固める学習スケジュールを組むとよいでしょう。大切なのは志望校の受験科目に合った学習計画を立てることです。受験勉強序盤では、出題範囲を網羅的に学習できる講義系の参考書や基礎問題集を使うと効果的です。

より詳細な学習計画とそれに基づく学習スケジュールの立て方は以下の記事を参考にしてください。

看護学部合格のための効果的な勉強法

看護学部・看護学科受験に向けた効率的な勉強法は合格率を大きく高めます。看護学部は国公立、私立にかかわらず英語、数学、理科が中心であり、それぞれの科目に応じた学習戦略が必要です。

自分の得意不得意の科目と分野を正確に把握した上で、志望大学の入試科目、入試傾向、問題難易度に合わせて勉強していく勉強法が学習効率と効果を最大化します。

以下には科目別の勉強法のコツ、塾・予備校なしで志望大学の看護学部・看護学科合格を目指す場合の勉強の進め方についても紹介していますので参考にしてください。

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