センター試験から大学入学共通テストに変わり、2021年度・22年度と2回実施され、共通テストの傾向がはっきりしてきました。
ここでは大学入学共通テスト 倫理の対策について、2021年度・22年度の共通テスト出題傾向などを解説していきます。共通テストの傾向をしっかりと把握して正しい共通テスト対策を行っていきましょう。
2022年共通テスト倫理の解説

共通テスト2年目となる2022年度の倫理はどのようになっていたのでしょうか。項目ごとに解説します。
前年度より難化!2022年度共通テスト倫理の平均点と2021年からの推移
2022年度大学入学共通テストの倫理は、前年度の平均と比較すると8.67のマイナスで、前年度よりは難化したと言えます。
倫理の平均点推移
科目 | 満点 | 2022年度 平均点 | 2021年度 平均点 | 前年度との差 |
---|---|---|---|---|
倫理 | 100 | 63.29 | 71.96 | -8.67 |
倫理は平均点が前年より8.67点ダウンしたとはいえ、現代社会、倫理、政治・経済の3科目の中ではもっとも高い平均点でした。(倫理 63.29点に対し、現代社会 60.83点、政治・経済 56.79点)。
共通テストの全体的な傾向どおり、基本的な知識をみにつけていることを前提として論理的な思考力や応用力が求められる出題でした。しかしセンター試験の際の問題に近い出題も多く、読解力があれば読み解くことのできる問題が多かったのが他の科目とは異なっていました。
共通テスト倫理の分析と2023年度の予想
2022年の共通テスト倫理の構成は、大問数4題、33問の出題で昨年と同様でした。
センター試験倫理では各大問の冒頭に1ページ分のリード文を配置してその趣旨を読解させるという設問がありましたが、2022年の共通テストでは観られなくなりました。昨年・2021年の共通テストでは大問1題だけにリード文が配置され、かつ趣旨読解問題はなしになったことをあわせると、共通テストの傾向が見えてきました。
また、センター試験で出題されていたの短文の正誤問題が昨年よりやや多くなり、他の科目とは異なりセンター試験との類似性が観られたのが特徴です。
2022年度共通テスト倫理の問題・配点
2022年度共通テスト倫理は、上述通り大問数4題、小問数33問と、前年度と問題数は同じでした。大問ごとの配点は下記のとおりとなっています。
2022年度共通テスト倫理 大問ごとの配点
大問 | 内容 | 配点 |
---|---|---|
1 | 源流となった思想 | 24 |
2 | 日本の思想 | 24 |
3 | 西洋の思想(近代) | 24 |
4 | 青年期と人間の特質、現代社会の諸課題 | 28 |
2023年度共通テスト倫理の対策
共通テスト倫理の問題傾向や配点などをお伝えしてきました。それではどのように準備・対策をしていけばよいのでしょうか。
共通テスト倫理 おすすめの勉強の仕方
ここでは、共通テスト 倫理のおすすめの勉強法を紹介します。

まずは覚えること!基礎的な知識の徹底
共通テストの傾向として、思考力や応用力を問う出題がされますが、基礎的なことができている前提となっています。まずは基礎的な知識を徹底して身につけ、教科書で問われている知識については間違いなく理解できるようにしましょう。
できない分野をつぶす
幅広い分野から偏りなく出題されるため、苦手分野を残すと得点に響きます。基礎的な事項から丁寧に理解し、演習を繰り返し、苦手分野をなくしましょう。
難易度の高い問題集より、簡単な参考書を徹底する
共通テストは教科書の範囲からの出題が基本です。難解な問題集にチャレンジするよりも、基本的な問題集・参考書を徹底的に理解するほうが、結局高得点に繋がります。
試行調査、共通テスト模試、予想問題集、過去問を利用
基礎を抑えたら、次に演習です。その際には共通テストの過去問にも積極的に取り組みましょう。共通テストとセンター試験は傾向が異なる部分もありますが、十分参考になります。
時間内に問題解決に導けるスピードを身につけるため、時間を測りながらの演習も必須です。
理系の受験生はいつから共通テスト対策に取り組むべき?1週間に何時間学習すればいい?
理系の生徒で共通テストでのみ倫理を受験する場合、できれば春から、遅くとも夏ぐらいからは取り組みましょう。直前期でいいというアドバイスがされることもありますが、基本的な知識が身につけたうえでの演習が大切。早めに取り組み知識の定着を図った上で演習に取り組みましょう。
現在の知識レベルによって何時間の学習をすればよいかは異なりますが、ベースがなければその分習得時間を割かなければいけなくなります。英語・数学・理科に割く時間が少なくなってしまうので、少しづつでもいいので早めに取り組むことをおすすめします。
共通テスト倫理 直前対策
共通テスト直前になったら、できなかった問題を繰り返しやり、確実に解けるようにしておきましょう。何度も間違ってしまう問題は、基本的なことが理解できていない可能性があります。放置すると他にも解けない問題が出てくる可能性があるため、さかのぼって復習することも忘れずに。
また、過去問や模試を使っての時間配分の確認も重要です。
せっかく解ける問題を時間切れで解けないのはもったいないので、時間内に解ききることができるようにトレーニングをしておきましょう。
共通テスト倫理 独学でやるならどんな問題集? 対策問題集・参考書
基礎基本を固めた上で読解力・理解力が求められていることを踏まえて、共通テストの傾向に沿った解説・アドバイスをしてくれる教材を吟味して、徹底的に使い倒しましょう。
人気の参考書やオリジナルで制作されたものなどが悪いわけではありませんが、自分の実力にあったものを徹底するほうが地力はつきます。
2022年度共通テスト倫理 時間配分
共通テストはセンター試験に比べて読解量が多くなり、時間がタイトになっている傾向にあります。ここでは時間配分の例を紹介します。
共通テスト倫理 時間配分例
共通テスト政治・経済の時間配分例は下記のとおりです。
試験時間は60分。
見直し・チェックは余裕を持って行いたいところなので、時間を短縮できるよう工夫が必要です。
共通テスト 倫理 時間配分例
大問1 | 13分 |
---|---|
大問2 | 13分 |
大問3 | 14分 |
大問4 | 14分 |
見直し | 6分 |
計 | 60分 |

上記はあくまで目安です。
得意な問題傾向の設問は時間を短縮して、苦手問題傾向の設問には時間を余分にとるなどの調整は必要になります。あと、見直しの時間も最初から考慮した時間配分で取り組めるとミスもなくなり高得点に繋がります。
過去問や予想問題などで解き方のコツをつかもう
時間内に解ききるためのコツをいくつかご紹介します。
設問・選択肢を先に読む
まず設問・選択肢を先に読んで、「何が問われているか」を把握したうえで問題文を読みましょう。
まず簡単な問題から!難しい問題はとばす
わからない問題にこだわって時間がなくなってしまうとあとの大問をまるまる解けないということもありえます。
わからない問題は潔く飛ばして、解ける問題から解いていきましょう。
受験を考えた時、公民科目は何を選択するべき?
共通テスト、さらにその先にある個別試験を考えた時、公民科目はどの科目を選択するのがよいでしょうか。
倫理だけで受験できる?使える大学は?
倫理は、「倫理・政治経済」に比べて政治・経済分野がない分学習範囲が狭く、必要な勉強量を最小限でという場合にはおすすめです。共通テストでしか地歴公民科目を使わない理系の人などには向いているでしょう。
ただ、倫理を選択可能な科目に入れてない大学も多く、注意が必要です。志望・受験大学が代わった際に倫理だと受験できないとなるとたいへんですので、その点は考慮しておきましょう。
倫理と政経 どっちがいい?
政治経済に比べ、倫理のほうが範囲が狭く、公民科目に時間をかけられない人にとってはよいでしょう。しかし上述の理由で倫理を選択可能な科目に入れていない場合もあり、その点は注意が必要です。
倫理以外の他教科の大学入学共通テスト対策
2021年・22年と実施された共通テストも傾向がはっきりしてきました。基礎的な知識が身についていることを前提に、思考力や応用力を問われるというのが全教科・科目を通じての傾向です。
受験対策も暗記中心のセンター試験対応のものから、共通テストに対応して行う対策に切り替えて行う必要があります。
倫理以外の他の教科の共通テストの科目別問題傾向と対策を詳しく説明していますので、是非参考にして共通テスト対策の勉強を進めていきましょう。
倫理以外の他教科の大学入学共通テスト対策
2021年・22年と実施された共通テストも傾向がはっきりしてきました。基礎的な知識が身についていることを前提に、思考力や応用力を問われるというのが全教科・科目を通じての傾向です。 受験対策も暗記中心のセンター試験対応のものから、共通テストに対応して行う対策に切り替えて行う必要があります。 倫理以外の他の教科の共通テストの科目別問題傾向と対策を詳しく説明していますので、是非参考にして共通テスト対策の勉強を進めていきましょう。