センター試験から大学入学共通テストに変わり、2021年度・22年度と2回実施され、共通テストの傾向がはっきりしてきました。
ここでは大学入学共通テスト・地理の対策について、2021年度・22年度の共通テスト出題傾向などを解説していきます。共通テストの傾向をしっかりと把握して正しい共通テスト対策を行っていきましょう。
2022年共通テスト地理(地理B)の解説

共通テスト2年目となる2022年度の地理はどのようになっていたのか。項目ごとに解説します。
2022年度共通テスト地理の平均点と2021年からの推移
2022年度大学入学共通テストの地理(地理B)は、前年度の平均と比較すると1.07点のマイナスで、ほぼ前年並みの難易度だったと言えます。
地理Bの平均点推移
科目 | 満点 | 2022年度 平均点 |
2021年度 平均点 |
前年度との差 |
---|---|---|---|---|
地理B | 100 | 58.99 | 60.06 | -1.07 |
すべての問題で資料が使用され、センター試験や試行調査はもちろん、2021年度の共通テストよりも増加しました。出題形式は、30問中19問が組合せ形式の問題でした。
共通テスト地理の分析と2023年度の予想
2022年の共通テスト地理Bの構成は、大問数5題、小問数30問、マーク数31でした。マーク数は前年より一つ減少しましたが、大問構成は2021年度と同様、自然環境と自然災害、産業分野、村落・都市と人口、地誌、地域調査でした。
上述通り資料を用いた問題が多く出題され、他教科・科目同様、教科書の知識を習得していることを前提に資料を読みとき回答を導く思考力・応用力を問うという問題形式が目立ちました。資料を読解しなければ解けない問題が多く、曖昧な知識のまま臨むと回答が難しかったと予想されます。
ただ、細かい知識が必要なわけではなく、教科書の記載の基本的な知識があれば解答できる問題が出題されており、まずは基礎基本をしっかり身につけることが大切です。
資料の読み込みと、問題文の分量増加によって、回答に要する時間がセンター試験と比べると増加しており、速読力や読解力も試されていると言えます。その分問題数は減少しましたが、決して余裕があるわけではありませんので注意してください。
2022年度共通テスト地理の配点は何点?
2022年度共通テスト地理(地理B)は、上述通り大問数5題、小問数30問と、前年度より問題数は1題減少しました。大問ごとの配点は下記のとおりとなっています。
2022年度共通テスト政治・経済 大問ごとの配点、出題分野・範囲
第1問 世界の自然環境や自然災害 20点
世界の自然環境・自然災害について出題されました。世界・日本の地域性の理解を前提とした資料の読み取りが中心でした。
第2問 産業分野(資源と産業) 20点
大問のテーマとしてSDGsをもとにした「持続可能な資源利用」が挙げられ、各設問は環境問題に関連づけられていました。
第3問 村落・都市と人口 20点
標準的な難易度でしたが、問3では資料の年次に注意が必要した。また統計を判別する問4や、人口ピラミッドを判別する問5は難易度が高い問題でした。
第4問 地誌(ラテンアメリカ) 20点
2022年の地誌の大問はラテンアメリカが取り上げられました。センター試験で出題されていた比較地誌の大問は前年の共通テストでは観られませんでしたが、地理とニュージーランドをテーマにしたB問題では復活していました。
第5問 地域調査(苫小牧市とその周辺) 20点 ※地理A 第5問と共通
北海道苫小牧市の周辺を題材とした地域調査の問題でした。問4の苫小牧市の製造品出荷額に関する統計問題などはやや判定に迷う問題だったと言えます。
2022年度共通テスト世界史B 大問ごとの配点
大問 | 内容 | 配点 |
---|---|---|
1 | 世界の自然環境や自然災害 | 20 |
2 | 産業分野(資源と産業) | 20 |
3 | 村落・都市と人口 | 20 |
4 | 地誌(ラテンアメリカ) | 20 |
5 | 地域調査(苫小牧市とその周辺) | 20 |
2023年度共通テスト地理の対策
共通テスト地理Bの問題傾向や配点などをお伝えしてきました。それではどのように準備・対策をしていけばよいのでしょうか。
共通テスト地理Bで確実に7割以上特典するためのおすすめの勉強法まとめ
ここでは、共通テスト 地理のおすすめの勉強法を紹介します。

まずは覚えること!基礎的な知識の徹底
共通テストの傾向として、思考力や応用力を問う出題がされますが、基礎的なことができている前提となっています。まずは基礎的な知識を徹底して身につけ、教科書で問われている知識については間違いなく理解できるようにしましょう。
できない分野をつぶす
幅広い分野から偏りなく出題されるため、苦手分野を残すと得点に響きます。基礎的な事項から丁寧に理解し、演習を繰り返し、苦手分野をなくしましょう。
難しい問題集より、簡単な参考書を徹底する
共通テストは教科書の範囲からの出題が基本です。難解な問題集にチャレンジするよりも、基本的な問題集・参考書を徹底的に理解するほうが、結局高得点に繋がります。
試行調査、共通テスト模試、予想問題集、過去問を利用
基礎を抑えたら、次に演習です。その際には共通テストの過去問にも積極的に取り組みましょう。共通テストとセンター試験は傾向が異なる部分もありますが、十分参考になります。
時間内に問題解決に導けるスピードを身につけるため、時間を測りながらの演習も必須です。
理系の受験生はいつから共通テスト対策に取り組むべき?1週間に何時間学習すればいい?
理系の生徒で共通テストでのみ地理を受験する場合、できれば春から、遅くとも夏ぐらいからは取り組みましょう。直前期でいいというアドバイスがされることもありますが、地理は基本的な知識が身につけたうえでの演習が大切。早めに取り組み知識の定着を図った上で演習に取り組みましょう。
現在の知識レベルによって何時間の学習をすればよいかは異なりますが、ベースがなければその分習得時間を割かなければいけなくなります。英語・数学・理科に割く時間が少なくなってしまうので、少しづつでもいいので早めに取り組むことをおすすめします。
共通テスト地理 直前対策
共通テスト直前になったら、できなかった問題を繰り返しやり、確実に解けるようにしておきましょう。何度も間違ってしまう問題は、基本的なことが理解できていない可能性があります。放置すると他にも解けない問題が出てくる可能性があるため、さかのぼって復習することも忘れずに。
また、過去問や模試を使っての時間配分の確認も重要です。
せっかく解ける問題を時間切れで解けないのはもったいないので、時間内に解ききることができるようにトレーニングをしておきましょう。
共通テスト地理 どんな問題集がいい? 対策問題集・参考書
基礎基本を固めた上で読解力・理解力が求められていることを踏まえて、共通テストの傾向に沿った解説・アドバイスをしてくれる教材を吟味して、徹底的に使い倒しましょう。
人気の参考書やオリジナルで制作されたものなどが悪いわけではありませんが、自分の実力にあったものを徹底するほうが地力はつきます。
2022年度共通テスト地理 時間配分
共通テストはセンター試験に比べて読解量が多くなり、時間がタイトになっている傾向にあります。ここでは時間配分の例を紹介します。
共通テスト地理 時間配分例
共通テスト地理の時間配分例は下記のとおりです。
試験時間は60分。
見直し・チェックは余裕を持って行いたいところなので、時間を短縮できるよう工夫が必要です。
共通テスト 地理 時間配分例
大問1 | 11分 |
---|---|
大問2 | 11分 |
大問3 | 11分 |
大問4 | 11分 |
大問5 | 11分 |
見直し | 5分 |
計 | 60分 |
上記はあくまで目安です。
得意な問題傾向の設問は時間を短縮して、苦手問題傾向の設問には時間を余分にとるなどの調整は必要になります。あと、見直しの時間も最初から考慮した時間配分で取り組めるとミスもなくなり高得点に繋がります。
過去問や予想問題などで解き方のコツをつかもう
時間内に解ききるためのコツをいくつかご紹介します。
設問・選択肢を先に読む
まず設問・選択肢を先に読んで、「何が問われているか」を把握したうえで問題文を読みましょう。
わからない問題はとばす
わからない問題にこだわって時間がなくなってしまうとあとの大問をまるまる解けないということもありえます。
わからない問題は潔く飛ばして、解ける問題から解いていきましょう。
地理以外の他教科の大学入学共通テスト対策
2021年・22年と実施された共通テストも傾向がはっきりしてきました。基礎的な知識が身についていることを前提に、思考力や応用力を問われるというのが全教科・科目を通じての傾向です。
受験対策も暗記中心のセンター試験対応のものから、共通テストに対応して行う対策に切り替えて行う必要があります。
地理以外の他の教科の共通テストの科目別問題傾向と対策を詳しく説明していますので、是非参考にして共通テスト対策の勉強を進めていきましょう。
地理B以外の他教科の大学入学共通テスト対策
2021年・22年と実施された共通テストも傾向がはっきりしてきました。基礎的な知識が身についていることを前提に、思考力や応用力を問われるというのが全教科・科目を通じての傾向です。 受験対策も暗記中心のセンター試験対応のものから、共通テストに対応して行う対策に切り替えて行う必要があります。 地理B以外の他の教科の共通テストの科目別問題傾向と対策を詳しく説明していますので、是非参考にして共通テスト対策の勉強を進めていきましょう。