センター試験から大学入学共通テストに変わり、2021年度・22年度と2回実施され、共通テストの傾向がはっきりしてきました。
ここでは大学入学共通テスト 倫理、政治・経済の対策について、2021年度・22年度の共通テスト出題傾向などを解説していきます。共通テストの傾向をしっかりと把握して正しい共通テスト対策を行っていきましょう。
2022年共通テスト倫理、政治・経済の解説

共通テスト2年目となる2022年度の倫理、政治・経済はどのようになっていたのでしょうか。項目ごとに解説します。
倫理政経とはどんな教科?倫理政経の特徴
倫理政経(倫理、政治経済)とは、文字通り「倫理」と「政治・経済」両方の範囲から出題される科目で、2022年から「公共」に変わる現代社会よりは内容が濃く、一方で倫理、政治経済それぞれの科目よりは詳細までは問わない科目です。
2022年度共通テスト倫理、政治・経済の平均点と2021年からの推移・難易度
2022年度大学入学共通テストの倫理、政治・経済は、前年度の平均と比較すると0.47点のプラスで、ほぼ前年並みの難易度だったと言えます。
倫理政経の平均点推移
科目 | 満点 | 2022年度 平均点 |
2021年度 平均点 |
前年度との差 |
---|---|---|---|---|
倫理、政治経済 | 100 | 69.73 | 69.26 | 0.47 |
2021年度と同様、会話文・資料文を読ませる設問が多く、読解力・速読力が必要でした。特に政治経済分野では知識に加えて文章読解力・資料読解力・論理的思考力などが必要とされ、基本的な知識を身につけていることを前提として論理的な思考力や応用力が求められる共通テストの全体的な傾向どおりでした。
共通テスト倫理政経の分析と2023年度の予想
2022年の共通テスト倫理、政治・経済の構成は昨年同様大問数7題、マーク数は一つ減って32問の出題でした。すべて倫理、政治・経済と共通の問題が出題されました。
大問1から4が倫理から、大問5〜7が政治・経済の大問1・2および第4問からそれぞれ抜粋され出題されました。前述通り2021年同様、会話文や資料文を読ませる設問が多く出題されました。その分解答に時間がかかったかもしれません。
2022年度共通テスト倫理、政治・経済の配点・出題範囲
2022年度共通テスト倫理、政治・経済は、上述通り大問数7題、小問数32問。倫理から4題・16のマーク数、政治・経済から3題・16のマーク数が出題され、配点はそれぞれ50点づつの出題でした。
大問ごとの配点と出題項目は下記のとおりとなっています。
2022年度共通テスト倫理、政治・経済 大問ごとの配点
大問 | 内容 | 配点 |
---|---|---|
1 | 源流となった思想 | 12 |
2 | 日本の思想 | 12 |
3 | 西洋の思想(近代) | 12 |
4 | 青年期と人間の特質、現代社会の諸課題 | 14 |
5 | まちづくりの取り組み | 19 |
6 | 経済主体 | 19 |
7 | 地方自治への住民参加 | 12 |
2023年度共通テスト倫理、政治・経済の対策
共通テスト倫理、政治・経済の問題傾向や配点などをお伝えしてきました。それではどのように準備・対策をしていけばよいのでしょうか。
共通テスト倫理、政治経済で9割以上を目指すためのおすすめの勉強法まとめ
ここでは、共通テスト 倫理、政治・経済のおすすめの勉強法を紹介します。

まずは覚えること!基礎的な知識の徹底
共通テストの傾向として、思考力や応用力を問う出題がされますが、基礎的なことができている前提となっています。まずは基礎的な知識を徹底して身につけ、教科書で問われている知識については間違いなく理解できるようにしましょう。
できない分野をつぶす
幅広い分野から偏りなく出題されるため、苦手分野を残すと得点に響きます。基礎的な事項から丁寧に理解し、演習を繰り返し、苦手分野をなくしましょう。
難易度の高い問題集より、簡単な参考書を徹底する
共通テストは教科書の範囲からの出題が基本です。難解な問題集にチャレンジするよりも、基本的な問題集・参考書を徹底的に理解するほうが、結局高得点に繋がります。
試行調査、共通テスト模試、予想問題集、過去問を利用
基礎を抑えたら、次に演習です。その際には共通テストの過去問にも積極的に取り組みましょう。共通テストとセンター試験は傾向が異なる部分もありますが、十分参考になります。
時間内に問題解決に導けるスピードを身につけるため、時間を測りながらの演習も必須です。
理系の受験生はいつから共通テスト対策に取り組むべき?1週間に何時間学習すればいい?
理系の生徒で共通テストでのみ倫理、政治・経済を受験する場合、できれば春から、遅くとも夏ぐらいからは取り組みましょう。直前期でいいというアドバイスがされることもありますが、基本的な知識が身につけたうえでの演習が大切。早めに取り組み知識の定着を図った上で演習に取り組みましょう。
現在の知識レベルによって何時間の学習をすればよいかは異なりますが、ベースがなければその分習得時間を割かなければいけなくなります。英語・数学・理科に割く時間が少なくなってしまうので、少しずつでもいいので早めに取り組むことをおすすめします。
共通テスト倫理、政治・経済 直前対策
共通テスト直前になったら、できなかった問題を繰り返しやり、確実に解けるようにしておきましょう。何度も間違ってしまう問題は、基本的なことが理解できていない可能性があります。放置すると他にも解けない問題が出てくる可能性があるため、さかのぼって復習することも忘れずに。
また、過去問や模試を使っての時間配分の確認も重要です。
せっかく解ける問題を時間切れで解けないのはもったいないので、時間内に解ききることができるようにトレーニングをしておきましょう。
共通テスト倫理、政治・経済 どんな問題集がいい? 対策問題集・参考書
基礎基本を固めた上で読解力・理解力が求められていることを踏まえて、共通テストの傾向に沿った解説・アドバイスをしてくれる教材を吟味して、徹底的に使い倒しましょう。
人気の参考書やオリジナルで制作されたものなどが悪いわけではありませんが、自分の実力にあったものを徹底するほうが地力はつきます。
2022年度共通テスト倫理、政治・経済 時間配分
共通テストはセンター試験に比べて読解量が多くなり、時間がタイトになっている傾向にあります。ここでは時間配分の例を紹介します。
共通テスト倫理、政治・経済 時間配分例
共通テスト倫理、政治・経済の時間配分例は下記のとおりです。
試験時間は60分。
見直し・チェックは余裕を持って行いたいところなので、時間を短縮できるよう工夫が必要です。
共通テスト 倫理・政治経済 時間配分例
大問1 | 8分 |
---|---|
大問2 | 8分 |
大問3 | 8分 |
大問4 | 7分 |
大問5 | 8分 |
大問6 | 8分 |
大問7 | 7分 |
見直し | 6分 |
計 | 60分 |

上記はあくまで目安です。
得意な問題傾向の設問は時間を短縮して、苦手問題傾向の設問には時間を余分にとるなどの調整は必要になります。あと、見直しの時間も最初から考慮した時間配分で取り組めるとミスもなくなり高得点に繋がります。
過去問や予想問題などで解き方のコツをつかもう
時間内に解ききるためのコツをいくつかご紹介します。
設問・選択肢を先に読む
まず設問・選択肢を先に読んで、「何が問われているか」を把握したうえで問題文を読みましょう。
わからない問題はとばす
わからない問題にこだわって時間がなくなってしまうとあとの大問をまるまる解けないということもありえます。
わからない問題は潔く飛ばして、解ける問題から解いていきましょう。
倫理と政経 倫理、政治経済 どっちがいい?
倫理、政治・経済は上述通り、倫理、政治経済両方から出題されるため、範囲は広くなります。一方で倫理、政治経済それぞれの科目よりは詳細までは問わない科目です。他の科目の学習負担や受験する大学で利用できるかどうかなどを確認した上で選択しましょう。
倫理、政治・経済以外の他教科の大学入学共通テスト対策
2021年・22年と実施された共通テストも傾向がはっきりしてきました。基礎的な知識が身についていることを前提に、思考力や応用力を問われるというのが全教科・科目を通じての傾向です。
受験対策も暗記中心のセンター試験対応のものから、共通テストに対応して行う対策に切り替えて行う必要があります。
倫理・政治経済以外の他の教科の共通テストの科目別問題傾向と対策を詳しく説明していますので、是非参考にして共通テスト対策の勉強を進めていきましょう。
倫理、政治・経済以外の他教科の大学入学共通テスト対策
2021年・22年と実施された共通テストも傾向がはっきりしてきました。基礎的な知識が身についていることを前提に、思考力や応用力を問われるというのが全教科・科目を通じての傾向です。 受験対策も暗記中心のセンター試験対応のものから、共通テストに対応して行う対策に切り替えて行う必要があります。 倫理、政治・経済以外の他の教科の共通テストの科目別問題傾向と対策を詳しく説明していますので、是非参考にして共通テスト対策の勉強を進めていきましょう。