2026年度大学入学共通テスト
物理の傾向から考察

本ページでは以下のことがわかります。
大学入学共通テストも5年目となり、知識の量ではなく、応用力や分析力を問う傾向が定着してきました。
ここでは、大学入学共通テストの物理の出題傾向・対策などを解説していきます。共通テスト物理の傾向をしっかりと把握して、正しい対策を行っていきましょう。
目次
2026年度の共通テスト物理はどのような傾向だったのでしょうか。項目ごとに解説します。
2026年度大学入学共通テストの物理は、平均点が45.55点となり、2025年度の58.96点から13.41点下がりました。
| 科目 | 満点 | 2025年度平均点 | 2026年度平均点 | 前年度との差 |
|---|---|---|---|---|
| 物理 | 100 | 58.96 | 45.55 | -13.41 |
2026年度の物理は、理科科目の中でも難易度が高い科目だったと言えます。全体として、基本的な知識や公式を覚えているだけでは対応しにくく、問題文の条件を整理し、図・グラフ・実験設定を読み取りながら考える力が求められました。
一方で、共通テスト全体としては「7割程度は狙いやすいが、8割以上の高得点は難しい」という傾向が見られました。物理についても、基本問題や典型的な考え方で対応できる問題を確実に取ることで、一定の得点は狙えます。しかし、難関大志望で8割以上を目指す場合は、共通テスト対策教材だけでなく、早い段階から二次試験レベルの演習にも取り組む必要があります。

2026年度の共通テスト物理は、前年と比べても難易度が高く、受験生にとって得点しにくい問題構成でした。
共通テスト物理では、基本的な知識や公式の理解を前提として、実験設定、グラフ、図、表、文章から必要な情報を読み取り、物理法則と結びつけて考える力が求められます。2026年度もこの傾向は強く、単に公式を暗記して当てはめるだけではなく、「なぜその式を使うのか」「どの条件に注目すべきか」を判断する力が重要でした。
また、問題文の読解量が多く、初見の設定や実験を題材にした問題もあるため、時間内に条件を整理しながら解き進める力が必要です。計算量だけでなく、問題の意図を素早く把握する読解力、グラフや図から関係性を読み取る力、途中で方針を立て直す判断力も得点差につながりました。
特に、難関大志望者にとっては、物理で高得点を取る難易度が高くなっています。共通テスト教材で標準的な問題に対応できる力を固めたうえで、二次試験レベルの問題にも早めに触れ、物理現象を本質的に理解する学習が必要です。
2026年度共通テスト物理も、特定の分野だけに偏るのではなく、物理の幅広い範囲から出題されました。
共通テスト物理では、力学、熱、波動、電磁気、原子などの各分野について、基本的な概念や原理・法則を理解していることが前提になります。さらに、実験や身近な現象、図表、グラフなどを題材にして、知識をどのように使うかが問われます。
そのため、得意分野だけで得点を稼ぐというよりも、苦手分野を残さず、全分野をバランスよく仕上げることが重要です。特に2026年度は物理の難易度が高かったため、苦手分野があると大きく失点しやすい試験だったと言えます。

2027年度の共通テスト物理も、2026年度と同様に、基本的な知識を前提としながら、思考力・判断力・読解力を問う出題が続くと考えられます。
大学入試センターの問題作成方針でも、理科では基本的な概念や原理・法則の理解だけでなく、観察・実験・調査の結果を分析し、考察する力を問うことが示されています。そのため、2027年度も、実験、グラフ、図、表、身近な現象などを題材にした問題への対応力が必要です。
2026年度の物理は難易度が高かったため、2027年度も高得点を目指す場合は注意が必要です。特に旧帝大、都市部の難関公立大、横浜国立大学など、共通テストで8割以上を求められる大学を志望する場合、共通テスト対策だけで高得点を狙うのは簡単ではありません。早い時期から二次試験対策も並行し、物理現象を深く理解しておくことが重要です。
一方で、非難関の国公立大学を志望する場合は、物理の難問で得点できなくても、基本問題や他科目でカバーできる可能性があります。難しい問題にこだわりすぎず、まずは全体で7割前後を安定して取れる状態を目指すことが大切です。
対策については次から解説していますので、参考にしてください。
共通テスト物理の問題傾向や配点などをお伝えしてきました。それでは、どのように準備・対策をしていけばよいのでしょうか。

ここでは、共通テスト 物理のおすすめの勉強法を紹介します。
共通テスト物理では、思考力や応用力を問う出題がされますが、その前提として基礎的な知識や公式の理解が必要です。まずは、各分野の基本事項を徹底して身につけましょう。
ただし、公式を丸暗記するだけでは不十分です。どのような条件でその公式が使えるのか、どの物理量とどの物理量が関係しているのかを理解しておくことが大切です。
2026年度のように難易度が高い年は、見慣れない設定や実験問題が出題されたときに、公式暗記だけでは対応しにくくなります。公式の意味、グラフの意味、現象の流れを説明できる状態を目指しましょう。
できない分野をつぶす
共通テスト物理は、幅広い分野から出題されます。力学だけ、電磁気だけといった偏った学習では安定した得点につながりません。
2026年度のように物理全体の難易度が高い場合、苦手分野がそのまま大きな失点につながります。まずは、力学、熱、波動、電磁気、原子の各分野について、基本問題を解ける状態にしましょう。
特に、物理が苦手な受験生は、難問演習に入る前に、各分野の典型問題を繰り返し解くことが重要です。苦手分野を完全に避けるのではなく、基本レベルだけでも確実に得点できるようにしておくことで、7割前後の得点を狙いやすくなります。
共通テスト物理は教科書の範囲からの出題が基本です。最初から難しい問題集に取り組むよりも、基本的な参考書や問題集を徹底的に理解するほうが、結果的に得点につながります。
特に、7割前後を目指す段階では、標準的な共通テスト対策教材を丁寧に仕上げることが重要です。典型問題の解法、公式の使い方、グラフの読み取り、実験設定の整理を確実にできるようにしましょう。
一方で、8割以上や9割を目指す場合は、基本問題だけでは不十分です。2026年度の物理のように難易度が高い年でも得点するには、共通テスト対策教材に加えて、二次試験レベルの問題にも取り組み、物理現象を深く理解しておく必要があります。
共通テストで出題される実験や身近な現象を題材にした問題も、根本にあるのは典型問題です。高校1年生、2年生のうちから典型問題に数多く触れ、解き方を覚えるくらい繰り返し解いておくことがおすすめです。
典型問題が身についていれば、見慣れない実験設定が出題されても、「これは力学の保存則を使う問題だ」「これは電磁気の基本法則を読み替える問題だ」と判断しやすくなります。
2027年度に向けても、物理を高得点科目にしたい場合は、早い段階から基本問題を終わらせ、秋以降は共通テスト形式や二次試験レベルの演習に時間を使える状態を作っておきましょう。
基礎を押さえたら、次に演習です。共通テスト模試、予想問題集、共通テストの過去問に積極的に取り組みましょう。
近年の共通テスト物理では、見慣れない実験、グラフ、図、表と絡めた問題が出題され、問題の意図を把握するのに時間がかかります。知識があっても、問題文を読むのに時間がかかり、解き切れないケースもあります。
そのため、演習では「解けたかどうか」だけでなく、「どの情報に注目すべきだったか」「どの条件を読み落としたか」「どの問題に時間をかけすぎたか」まで確認しましょう。
また、2026年度のように物理の難易度が高い年もあります。難問にこだわりすぎると、取れる問題を落としてしまう可能性があります。時間を測って演習し、解ける問題を確実に取り切る練習も必要です。

共通テストのみで物理を使う受験生の場合でも、できれば春から、遅くとも夏前からは取り組みましょう。物理は短期間で暗記だけすれば得点できる科目ではなく、公式の理解、典型問題の習得、グラフや実験問題への対応に時間がかかります。
現在の知識レベルによって必要な学習時間は異なりますが、物理を共通テストで得点源にしたい場合は、少なくとも週に5時間程度は確保したいところです。基礎が不足している場合は、さらに多くの時間が必要になります。
特に、難関大志望で8割以上を目指す場合は、共通テスト対策だけでなく二次試験対策も必要です。高3の秋以降に物理を本格的に始めると間に合いにくいため、早めに基礎を固め、夏以降は演習量を増やせる状態にしておきましょう。
一方で、非難関の国公立大学を目指す場合は、難問まで完璧にするよりも、基本問題を確実に得点し、他科目との合計点で合格ラインを超える戦略も有効です。物理だけに偏りすぎず、全科目のバランスを見ながら学習計画を立てましょう。

共通テスト直前になったら、できなかった問題を繰り返し解き、確実に解ける問題を増やしましょう。何度も間違える問題は、基本的な理解が不十分な可能性があります。解説を読んで終わりにせず、教科書や参考書に戻って、公式や考え方を確認しましょう。
直前期は、新しい難問に手を出しすぎるよりも、これまでに解いた問題の復習を優先することが大切です。特に、基本問題や標準問題を落とさないことが、7割前後の得点を安定させるうえで重要です。
また、過去問や模試を使って時間配分の確認も行いましょう。2026年度のように難易度が高い場合、すべての問題を完璧に解こうとすると時間が足りなくなる可能性があります。
わからない問題にこだわりすぎず、解ける問題から確実に得点する練習をしておきましょう。難問を見極めて後回しにする判断も、共通テスト本番では重要です。
共通テスト物理の対策では、まず基礎基本を固められる参考書・問題集を選びましょう。公式の意味、典型問題の解き方、グラフや図の読み取り方が丁寧に解説されている教材がおすすめです。
共通テストでは、読解力や理解力も求められます。そのため、単に計算問題が多い教材だけでなく、実験設定やグラフ問題、会話文形式、身近な現象を扱った問題にも触れられる教材を選ぶとよいでしょう。
ただし、人気の参考書や難しい問題集を使えばよいわけではありません。自分の実力に合った教材を徹底することが大切です。
7割前後を目指す場合は、標準的な共通テスト対策教材を繰り返し解き、基本問題を確実に取れるようにしましょう。8割以上を目指す場合は、共通テスト対策に加えて、二次試験向けの標準〜応用問題にも取り組み、初見問題に対応できる力をつける必要があります。
共通テスト物理は試験時間60分です。近年は問題文、図、グラフ、実験設定を読み取る必要があり、時間に余裕がある試験ではありません。
2026年度のように難易度が高い場合、難しい問題に時間を使いすぎると、後半の解ける問題に手が回らない可能性があります。そのため、最初から完璧に解こうとするのではなく、解ける問題を優先して進める意識が必要です。

時間配分の目安は、各大問に10〜15分程度、最後の見直しに5分前後を残すイメージです。ただし、年度によって大問ごとの難易度や分量は変わるため、固定した時間配分にこだわりすぎないようにしましょう。
わからない問題にこだわって時間がなくなってしまうと、後の大問を解けないまま終えることになります。問題を見たときに、すぐに方針が立たない場合は一度飛ばし、解ける問題から確実に得点することが大切です。
特に物理では、1つの設問に時間をかけすぎると全体の得点が下がりやすくなります。普段の演習から時間を測り、問題の見極めと優先順位づけの練習をしておきましょう。

共通テストの理科では、令和9年度入試においても、「物理基礎/化学基礎/生物基礎/地学基礎」「物理」「化学」「生物」「地学」の中から最大2科目を選択して解答します。
「物理基礎/化学基礎/生物基礎/地学基礎」は、4つの基礎科目の中から2つを選択して解答する科目です。一方、「物理」「化学」「生物」「地学」は、それぞれ基礎を付さない科目として出題されます。
理系の国公立大学や私立大学の個別試験では、理科のうち1科目または2科目を課す大学が多くあります。物理を選択するかどうかは、共通テストだけでなく、志望大学の個別試験で必要かどうかも確認したうえで判断しましょう。
2026年度の実績を見ると、物理は難易度が高い科目でした。一方で、物理基礎は比較的得点しやすい傾向がありました。ただし、ある年度に得点しやすかった科目だけを選べばよいというわけではありません。年度によって科目ごとの難易度は変わるため、志望校で必要な科目を確認し、満遍なく対策することが大切です。
非難関の国公立大学を目指す場合は、難易度の高い科目や問題で大きく得点できなくても、他科目でカバーできる可能性があります。自分の得意不得意、志望校の配点、二次試験で必要な科目を踏まえて、最も合格可能性が高くなる科目選択を行いましょう。
共通テスト直前になったら、できなかった問題を繰り返しやり、確実に解けるようにしておきましょう。何度も間違ってしまう問題は、基本的なことが理解できていない可能性があります。放置すると他にも解けない問題が出てくる可能性があるため、さかのぼって復習することも忘れずに。
また、過去問や模試を使っての時間配分の確認も重要です。本番と同じ形式の問題を時間を測りながら解き、自分に合った時間配分を見つけましょう。
せっかく解けるようになった問題を、時間切れで解けないのはもったいないので、時間内に解ききることができるように優先順位の見極めなど、トレーニングをしておきましょう。
共通テストの理科では、下記のパターンから科目を選択します。
・文系:基礎科目から2分野 または 基礎を付さない科目から1科目
・理系:基礎を付さない科目から2科目 または 基礎2分野と基礎を付さない科目1科目
理系の国立・公立大2次試験や私立大個別試験では、理科のうち1科目または2科目選択しますが、多くの場合、基礎科目と基礎を付さない科目の全範囲から出題されます。
物理に限らず理科は、特別な理由がある場合を除いて、授業でとった選択科目を選択し、内容を復習しつつ共通テスト対策に臨むのがベターです。また、受験する大学の受験科目になっているかも事前に調査した上で、慎重に検討しましょう。
基礎的な知識が身についていることを前提に、思考力や応用力を問われるというのが全教科・科目を通じての共通テストの傾向となっています。
他教科の共通テストの科目別問題傾向と対策も詳しく説明していますので、是非参考にして共通テスト対策の勉強を進めていきましょう。
共通テストを完全攻略できる学習に取り組んでみませんか?