2024年度大学入学共通テスト
倫理、政治・経済の傾向から考察
大学入学共通テストも3年目となり、知識の量ではなく、応用力や分析力を問う傾向が定着してきましたた。
ここでは大学入学共通テスト 倫理、政治・経済の対策について、2021年度・22年度の共通テスト出題傾向などを解説していきます。共通テストの傾向をしっかりと把握して正しい共通テスト対策を行っていきましょう。
2023年度の倫理、政治・経済はどのようになっていたのでしょうか。
項目ごとに解説します。
倫理政経(倫理、政治経済)とは、文字通り「倫理」と「政治・経済」両方の範囲から出題される科目で、現代社会よりは内容が濃く、一方で倫理、政治経済それぞれの科目よりは詳細までは問わない科目です。
2023年度大学入学共通テストの倫理、政治・経済は、前年度の平均と比較すると9.14点のマイナスで、前年に比べて難化しました。
科目 | 満点 | 2023年度 平均点 |
2022年度 平均点 |
前年度との差 |
---|---|---|---|---|
倫理、政治経済 | 100 | 60.59 | 69.73 | ▲9.14 |
前年度と同様、会話文・資料文を読ませる設問が多く、読解力・速読力が必要でした。読解文や会話文の増加・知識と知識を組み合わせて解く問題の増加で問題を解くのに時間がかかったこともあり、平均点が大きく下がりました。
大問数7題、マーク数32問の出題で、2022年度と変化はありませんでした。
大問1から4が倫理から、大問5〜7が政治・経済からそれぞれ抜粋され出題されました。2022年同様、会話文や資料文を読ませる設問が多く出題されました。その分解答に時間がかかったかもしれません。
2023年度共通テスト倫理、政治・経済は、上述通り大問数7題、小問数32問。倫理から4題、政治・経済から3題が出題され、配点はそれぞれ50点づつの出題でした。
大問 | 内容 | 配点 |
---|---|---|
1 | 源流の思想 | 12 |
2 | 日本思想 | 12 |
3 | 西洋思想(近代) | 12 |
4 | 青年期と人間の特質、現代社会の諸課題 | 14 |
5 | 政治経済の学習 | 19 |
6 | 模擬授業 | 19 |
7 | SDGs | 12 |
共通テスト倫理・政経は、多少の上下は有るもののおおむね平均点6割台で安定しています。出題ポイントも大きく変化することはないため、下記の「2024年度共通テスト倫理、政治・経済の対策」を参考に、しっかり対策をしましょう。
共通テスト倫理、政治・経済の問題傾向や配点などをお伝えしてきました。それではどのように準備・対策をしていけばよいのでしょうか。
ここでは、共通テスト 倫理、政治・経済のおすすめの勉強法を紹介します。
共通テストの傾向として、思考力や応用力を問う出題がされますが、基礎的なことができている前提となっています。まずは基礎的な知識を徹底して身につけ、教科書で問われている知識については間違いなく理解できるようにしましょう。
幅広い分野から偏りなく出題されるため、苦手分野を残すと得点に響きます。基礎的な事項から丁寧に理解し、演習を繰り返し、苦手分野をなくしましょう。
共通テストは教科書の範囲からの出題が基本です。難解な問題集にチャレンジするよりも、基本的な問題集・参考書を徹底的に理解するほうが、結局高得点に繋がります。
基礎を抑えたら、次に演習です。その際には共通テストの過去問にも積極的に取り組みましょう。共通テストとセンター試験は傾向が異なる部分もありますが、十分参考になります。
時間内に問題解決に導けるスピードを身につけるため、時間を測りながらの演習も必須です。
理系の生徒で共通テストでのみ倫理、政治・経済を受験する場合、できれば春から、遅くとも夏ぐらいからは取り組みましょう。直前期でいいというアドバイスがされることもありますが、基本的な知識が身につけたうえでの演習が大切。早めに取り組み知識の定着を図った上で演習に取り組みましょう。
現在の知識レベルによって何時間の学習をすればよいかは異なりますが、ベースがなければその分習得時間を割かなければいけなくなります。英語・数学・理科に割く時間が少なくなってしまうので、少しずつでもいいので早めに取り組むことをおすすめします。
共通テスト直前になったら、できなかった問題を繰り返しやり、確実に解けるようにしておきましょう。何度も間違ってしまう問題は、基本的なことが理解できていない可能性があります。放置すると他にも解けない問題が出てくる可能性があるため、さかのぼって復習することも忘れずに。
また、過去問や模試を使っての時間配分の確認も重要です。
せっかく解ける問題を時間切れで解けないのはもったいないので、時間内に解ききることができるようにトレーニングをしておきましょう。
基礎基本を固めた上で読解力・理解力が求められていることを踏まえて、共通テストの傾向に沿った解説・アドバイスをしてくれる教材を吟味して、徹底的に使い倒しましょう。
人気の参考書やオリジナルで制作されたものなどが悪いわけではありませんが、自分の実力にあったものを徹底するほうが地力はつきます。
共通テストはセンター試験に比べて読解量が多くなり、時間がタイトになっている傾向にあります。ここでは時間配分の例を紹介します。
共通テスト倫理、政治・経済の時間配分例は下記のとおりです。
試験時間は60分。
見直し・チェックは余裕を持って行いたいところなので、時間を短縮できるよう工夫が必要です。
大問1 | 8分 |
---|---|
大問2 | 8分 |
大問3 | 8分 |
大問4 | 7分 |
大問5 | 8分 |
大問6 | 8分 |
大問7 | 7分 |
見直し | 6分 |
計 | 60分 |
上記はあくまで目安です。
得意な問題傾向の設問は時間を短縮して、苦手問題傾向の設問には時間を余分にとるなどの調整は必要になります。あと、見直しの時間も最初から考慮した時間配分で取り組めるとミスもなくなり高得点に繋がります。
時間内に解ききるためのコツをいくつかご紹介します。
まず設問・選択肢を先に読んで、「何が問われているか」を把握したうえで問題文を読みましょう。
わからない問題にこだわって時間がなくなってしまうとあとの大問をまるまる解けないということもありえます。
わからない問題は潔く飛ばして、解ける問題から解いていきましょう。
共通テスト倫理政経は、例年出題ポイントが大きく変わることはありません。そのためいろんな問題集や参考書に手を出すのではなく、基本的なことを繰り返し行うことが近道です。
まずは教科書または参考書を3周しましょう。一周目は浅くでいいので全体を掴み、二周目はコラムなど細かなところにも目を通しましょう。そして三周目で重要語句をしっかり暗記していきましょう。
ここまでできたら、問題集にあたり、まだ理解できていないところを確認しましょう。そしてできていないところを再度確認・暗記することを繰り返すことで、5割以上の得点を目指しましょう。
倫理、政治・経済は上述通り、倫理、政治経済両方から出題されるため、範囲は広くなります。一方で倫理、政治経済それぞれの科目よりは詳細までは問わない科目です。他の科目の学習負担や受験する大学で利用できるかどうかなどを確認した上で選択しましょう。
公民科目は、国公立理系・文系、私立大学それぞれ、また共通テスト・二次試験それぞれで、受験科目として使えるかどうかが異なります。自分が志望する大学が倫理政経を使って受験できるかどうか、必ず事前に確認しておきましょう。。
基礎的な知識が身についていることを前提に、思考力や応用力を問われるというのが全教科・科目を通じての共通テストの傾向となっています。
受験対策も暗記中心のセンター試験対応のものから、共通テストに対応して行う対策に切り替えて行う必要があります。
倫理・政治経済以外の他の教科の共通テストの科目別問題傾向と対策を詳しく説明していますので、是非参考にして共通テスト対策の勉強を進めていきましょう。
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