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目次
2024年度の共通テストでは、英語リーディングの難化や資料等を使った出題など、変化した点や共通テストとしての方針が維持されている点が見えてきました。ここでは、前年の共通テストとの傾向の違いや難易度の変化について解説します。
2024年度の共通テストは、引き続き「思考力」「判断力」「表現力」を問う方針で、必須の知識や解法を身につけた上で、文書や図表、資料の内容を正確に把握して解く力を問う問題が多く出題されました。どの科目でも文章量が多く、見たことがない資料も多用されているため、スピーディーに内容を把握して解答を導く流れを見出せるかどうかがカギとなりました。
また、身近な内容に絡めた出題も見受けられ、単なる机上の知識ではなく、実際に使える知識を問う傾向も、共通テストならではのものとなってきました。
2024年度の共通テストでは、難化した科目もありましたが、前年まで難易度が高いと言われていた生物のように易化している科目もありました。とはいえ、模試や予想問題の範囲内でしっかり対策を行なっていれば十分に対応でき番場対応範囲だったといえます。
2024年度の共通テストでは、以下のような難易度の変化がありました。
「英語(リーディング)」「日本史」「政経」
「生物」「生物基礎」「国語」「世界史」「地理」「地学」「英語(リスニング)」
教科 | 科目 | 2024年度平均点 | 2023年度平均点 | 前年差 | |
---|---|---|---|---|---|
外国語(英語) | リーディング | 51.54 | 53.81 | -2.27 | |
リスニング | 67.24 | 62.35 | +4.89 | ||
数学 | 数学Ⅰ | 34.62 | 37.84 | -3.22 | |
数学Ⅰ・数学A | 51.38 | 55.65 | -4.27 | ||
数学Ⅱ | 35.43 | 37.65 | -2.22 | ||
数学Ⅱ・数学B | 57.74 | 61.48 | -3.74 | ||
国語 | 国語 | 116.50 | 105.74 | +10.76 | |
理科 | 物理基礎 | 28.72 | 28.19 | +0.53 | |
化学基礎 | 27.31 | 29.42 | -2.11 | ||
生物基礎 | 31.57 | 24.66 | +6.91 | ||
地学基礎 | 35.56 | 35.03 | +0.53 | ||
物理 | 62.97 | 63.39 | -0.42 | ||
化学 | 54.77 | 54.01 | +0.76 | ||
生物 | +0.76 | 48.46 | +6.36 | ||
地学 | 56.62 | 49.85 | +6.77 | ||
地理歴史 | 世界史A | 42.16 | 36.32 | +5.84 | |
世界史B | 60.28 | 58.43 | +1.85 | ||
日本史A | 42.04 | 45.38 | -3.34 | ||
日本史B | 56.27 | 59.75 | -3.48 | ||
地理A | 55.75 | 55.19 | +0.56 | ||
地理B | 65.74 | 60.46 | +5.28 | ||
公民 | 現代社会 | 55.94 | 59.46 | -3.52 | |
倫理 | 56.44 | 59.02 | -2.58 | ||
政治・経済 | 44.35 | 50.96 | -6.61 | ||
倫理,政治・経済 | 61.26 | 60.59 | +0.67 |
英語のリーディングの難化や、難易度が高く得点調整が行われていた生物の易化、国語の現代文・古文の易化など、平均点の変化だけでなく、問題自体の難易度や傾向の変化がありました。
英語のリーディングでは、全体の語数の増加、一部問題で時間がかかる出題内容があったことにより、難化したと感じる受験生が多かったようです。実際には難易度が高くなったというより、より読解力を問う傾向に寄ったため、力を伸ばしきれていない生徒にとって解きにくい、時間内に解けない状況が難化を感じさせた、という方が適切と考えられます。出題傾向としては、引き続き資料を読み取る形式の問題が出題されており、共通テストの出題方針が固まってきたように見られます。
生物の易化は明確で、問題数の減少に加え、考察問題の減少かつ知識問題の増加により、解きやすい構成となりました。
国語についても、現代文・古文共に選択肢の正誤判断がややこしい問題が少なく、それが平均点アップに繋がったと考えられます。
今回の難化、易化や平均点の上下は、科目間のバランス調整や、思考力・判断力を明確に問うための出題により近づくための変更と考えられます。
一方で、全体的に出題難易度そのものは以前のセンター試験より高く、全体の学習がおぼつかない段階で予想問題を解いてもわからないことが多いため、必須知識や必須解法の学習を全科目において早めに終わらせる必要があります。特に遅れがちな理科、社会や古典で十分な学習をこなし、ひねり方の部分を分析できる状態で試験レベルの問題集や予想問題、模試に臨むことができて初めて高得点につながったということです。それができる受験生は決して多くないので、対策はされていたはずなのにもかかわらず平均点があまり上がらなかったという科目が多かったと考えられます。
共通テストでの高得点が必要な難関大学志望者は、英語や数学だけでなく国語や理科、社会もある程度早めに取り組むようすべきであると言えるでしょう。
2024年度の出題傾向を見ると、共通テストの問題作成方針が固まって、2025年度の出題傾向もそれを踏襲すると予想されます。文章量や資料が多く、多くの情報から必要な情報を選んで活用し問題を解く力が求められるでしょう。「思考力・判断力・表現力」に加え、読解力や処理能力といった力が必要です。 英語リーディングで資料や記事などが与えられた出題は引き続き出題され、日本史Bでは特に史料を用いた出題が増えました。
全科目において、必須知識や必須解法の全体学習は3年の春に終わらせて、これまでに実施された共通テストの出題形式に慣れておくこと、予想問題や模試に取り組むことが重要な対策になるでしょう。
英語(リーディング)のアンケート結果を読んで答える問題、化学の実用電池、冷却剤、医薬品といった身近な物を題材とした問題といった身近な題材や実践的な題材が、前年に引き続き出題されています。この傾向は2025年度も引き継がれ、どの科目でも、学習した知識を実生活や実践的な場面に結びつけて考えられる力が問われていくでしょう。
共通テストで思考力や読解力、処理能力といった力が重視されていることは間違いありませんが、基本知識を軽視することはできません。必須の知識や解法を身につけていることを前提に、文章や図表、資料を読み解いて、持っている知識をいかに活用して問題を解くかが重要になってきます。
ボーダーラインは各予備校が設定した、合格者の割合が”指定した割合”になる点数のことを指します。前年度の入試結果や募集人員など様々な要素を分析して設定されます。
この”指定した割合”は予備校によって異なり、河合塾の場合は合格者の割合が50%になる点数を、駿台・ベネッセは合格者の割合が60%になる点数をそれぞれボーダーラインに設定しています。
共通テストでボーダーラインを割る点数であっても、二次試験で良い点数を取ることで合格する場合もあります。
大手予備校の模試を受けると志望校の合格可能性を判定してくれます。A判定・B判定・C判定等の指標がありますが、あくまでもその模試の受験者の得点から算出されたものです。指標の1つとして活用しつつも、実際の志望大学のボーダーを念頭に置いて準備を進めましょう。
各大学のボーダーは、大学の公式WEBサイトや赤本等にも「合格最低点」「得点率」などの項目で掲載されている場合があります。ぜひ、志望校のボーダーをチェックして模試や過去問に挑みましょう。
共通テストのボーダーが90%以上の大学は次の通りです。
共通テストのボーダーが85%以上の大学は次の通りです。
共通テストのボーダーが80%以上の大学は次の通りです。
共通テストのボーダーが75%以上の大学は次の通りです。
共通テストのボーダーが70%以上の大学は、その他の国公立大学です。
共通テスト対策は、いつから取り組むのがよいのでしょうか。
ここでは国公立・私立および最難関・医学部にわけて、それぞれいつごろから始めるのがよいかについて記載しました。
ご自身の第一志望がどこかによって取り組むのが良い時期も変わってきますので、参考にしてください。
英語・数学・現代文を除く2次試験の受験科目でない科目については、遅くとも夏以降は対策が必要です。理系の場合は古文・漢文と社会科目、文系の場合は理科・社会の2次試験受験科目でない科目については、遅くても夏休みから取り組むようにしましょう。
2次試験の受験科目については基礎固めは早急に終わらせて2次試験対策を行い、11月頃から共通テスト対策を始めましょう。2次試験対策がそのまま共通テスト対策になりますが、基礎固めができていないまま取り組んでも結果が出にくいので注意しましょう。
私立大学を第一志望にする場合は、基本的には一般入試を重視するのが鉄則です。そのため、共通テスト対策は直前期に行います。
個別の入試の過去問演習を優先しながら、余裕がある場合は11月くらいから共通テストの勉強も始めるといいでしょう。
注意したいのが、一部の大学や学部・学科では共通テスト受験が必須となっていることです。
たとえば立教大学は、全学部で大学独自の英語試験を廃止し、共通テストの英語か英検やTOEICなどの外部検定を判定に用いることになっています。
志望大学・学部の受験科目などはあらかじめチェックしておきましょう。
東大・京大を受験するためにはもちろん共通テストの受験が必要ですが、配点は2次試験のほうが高めです。ただ足切りがありますので、共通テストで十分な高得点を得る必要があります。
2次試験に必要でない科目についても遅くとも夏頃から準備を始め、11月ごろからすべての科目で本格的に共通テスト対策を始めましょう。
とくに国公立大学の医学部を受験する場合、個別(二次)試験の勉強については十分に対策ができているという前提で考えるなら、11月頃から始めることをおすすめします。センター試験のときと同様、共通テストでも足切りがあります。共通テストで十分な高得点を見込めるよう、11月ごろには共通テスト対策を始めましょう。
11月・12月に大手予備校の共通テスト模試が開催されます。これを受験して自分に足りないもの、苦手な科目や問題などを把握・分析し、早急に対策をしなくてはなりません。
じゅけラボでは、2023/4/26~2023/5/2の期間で、大学入学共通テストを受験したことがある方を対象に、大学入学共通テストに関するアンケートを実施しました。
「大学入学共通テストの勉強はいつから始めましたか?」という質問では、ボリュームゾーンが高3の4月~6月、高3の7月~9月、高2の10月~12月という結果になりました。
「共通テストの勉強はいつから始めるのが良いと思いますか?」という質問では、ボリュームゾーンは高2の10月~12月、高2の7月~9月、高1の4月~6月という結果になりました。
この結果から、実際に共通テストの勉強を始めた時期と、勉強を始めるのに最適だと思う時期にずれがあることが分かります。
個別の回答を見ても、「勉強をいつから始めるのが良いか」の質問で回答した時期より実際に勉強を始めた時期の方が遅かった人が半数以上を占め、共通テストの勉強を始める時期は早ければ早いほど良いということが分かります。
上記のアンケート結果を見ても分かるように、共通テスト対策は早めに取り組んだほうが有効です。
ただ、基礎的なことができていないままに闇雲に過去問に取り組んでも効果はありません。
受験大学や教科・科目によって取り組む時期に差はありますが、基本的な知識を身につけたうえで余裕を持って対策を始めましょう。
共通テスト対策に引き続き有効なセンター試験の過去問には、時間をかけて作成された良問が多く存在します。なぜかというと、ほとんどの受験生が受験するだけでなく、その得点はそれぞれの大学の入試結果に大きく影響するからです。
センター試験の過去問には、学力の基礎となる要素が随所にみられます。また、今年実施された共通テストに関しても同様です。共通テストに向けた対策をすることは、結果として基礎固めに繋がるのです。浪人生・現役生問わず必携の問題集であることは間違いないでしょう。
授業で基礎基本を習得するのはもちろんのこと、センター試験・共通テスト対策に取り組むことで基礎固めを徹底的に行うことは、合格・高得点への欠かせないルートです。
2025年度の共通テストの出題方針は、2024年度から大きく変わらないと予想されます。そのため2025年度の共通テスト対策の勉強法としては、これまでの共通テストの過去問の傾向を分析して対策を進めていくとよいでしょう。また、予想問題や模試を有効活用していきましょう。
ただし、なるべく早い段階で、全科目において必須知識や必須解法を網羅的に学習しておくことが演習や予想問題、模試を有効に利用できるかどうかのカギとなりますので、特定科目のみ最初にいれるといった進め方ではなく、序盤は全科目の土台がために集中して早く仕上げることが得策です。
そして、知識をもとにした応用力・思考力を試される問題が出題されるため、知識・公式の暗記にとどまらず、身につけた知識をどのように活用して問題を解くのかを意識した学習を普段から心がける必要があります。
2021年〜2024年の共通テストの出題形式、出題傾向、難易度等を基にして、2025年の共通テスト対策を科目ごとに最適な対策を行いましょう。正しい分析、早い時期からの対策が必須です。共通テストの科目別問題傾向と対策を詳しく説明していますので、是非参考にしていち早く共通テスト対策を進めていきましょう。
2024年度の共通テスト英語は、2023年度と大きな傾向の変化は見られませんでした。プレゼン資料、アンケート、パンフレット、記事といった様々な資料が与えられる問題は2025年度今日鬱テストでも必ず出題されると考えておいた方が良いでしょう。単なる英語の知識だけではなく、資料を読み取る力、必要情報を取捨選択、組み合わせて整理する力も問われていきます。
リーディングに関しては語数が多く、読解のスピードが求められています。2024年度は難しく感じた受験生が多かったようで、平均点も下がりましたが、十分に予想されていた形式・内容の出題で、2025年度共通テストも大きく易化・難化することはないものと予想されます。
英語は積み重ねが必要な教科のため、早いうちから基礎・基本の定着を図り、その上でセンター試験・共通テスト過去問および問題集で演習を積んでいきましょう。
2024年の数学の難易度は前年から維持と言えるでしょう。
引き続き文章量が多い出題ですが、比較的誘導が丁寧な問題が多めです。また、身近な事象を題材とした問題として、2024年度は電柱の影の測量に関する問題が出題されました。2025年度も身近な事象を題材とした問題の出題は続くと予想されます。
数学だからといって、計算や解答暗記だけにとどまらず、必要な情報は何か、解くために必要な要素は何かといった、読解力が必要な問題で必要情報を取捨選択、整理することを意識して取り組みましょう。また、思考力・応用力が問われる問題が出題されるため、マークに絞った対策問題よりしっかり答案を書く練習をするほうが有効です。
2023年度と比較してややこしい選択や正誤判断が必要な問題は減っています。複数の文章を比較して検討する問題の出題はありませんでしたが、今後もないとはいえませんので、2025年度以降も出題パターンの1つとして想定しておく必要があります。資料等を利用した出題形式は2025年も踏襲され、引き続き出題されることが予想されます。
漢文についてはややこしい選択肢が見られ、
基本的な語彙や知識をベースにした思考力・応用力を身につけることが今後の学習ではますます欠かせなくなっています。
2024年度の生物は易化傾向にありました。
ややこしいデータ読み取り問題や考察問題が減り、知識問題が増える変化が見られました。2025年度は、どちらかが急に増減するということはないと予想されますが、知識問題だけ対策していても点数を伸ばすことは難しいため、引き続きデータ読み取り問題、実験結果の考察問題の対策は必須です。また、分野に跨がる融合問題や、文章量が多い問題は継続して出題される見通しですので、読解力・処理能力共に強化が必要です。
他の科目と同じように、図やグラフなどから読み取り答えさせる問題や文章量の多い問題が出題されており、思考力や応用力が問われています。2025年度も傾向は変わらないと考えられます。知識や公式の暗記だけでは太刀打ちできない、分野に渡った融合問題や考察問題が出題されるため、決して油断せず入念な準備をしましょう。
2024年度は、引き続き公式や解法を丸暗記しただけでは対応できない応用力を問われる問題が出題されました。また、物理の全範囲からの出題で、特定分野だけに偏った出題がされることはありません。2025年度もその傾向は続くと思われます。
大問1は小問集合、大問2〜5は各分野からの出題で、その傾向は続くと考えられます。
2024年度の共通テスト地学は大問数は5題で、第1問は総合問題として基本的な知識問題・考察問題が出題され、第2問〜第5問は各分野からの出題と、各分野からバランスよく出題されました。
前年度に引き続き単純な知識問題は減少し、考察問題、図やグラフから必要な情報を抽出して関係性や傾向をとらえる問題を中心に出題されました。この傾向は2025年度も続くと思われます。
2024年の生物基礎は、生物同様、考察問題が減り、知識問題が増えることにより、易化したといえます。生物の基本的な知識・用語を正しく理解し、それを活用できているかを問う設問が目立ちました。考察問題がなくなったわけではありませんので、基本的な知識を基にした応用力や思考力を問うという、共通テストの方針に沿った出題は維持されています。
特定の分野に偏ることなく幅広い分野から出題され、教科書の内容が身についているかどうかで点数を伸ばせるかどうかが決まる内容でした。
2024年の化学基礎は、前年度と同じく大問1は小問集合形式、大問2が総合問題でした。大問2は宇宙ステーションの空気制御システムを取り上げた総合問題で、1つの題材について複数単元の内容を問う形式です。基本的な知識を基にした思考力・応用力を問うという共通テスト全体の傾向どおりの出題でした。この傾向は2025年度も続くと思われます。
2024年の物理基礎は、公式を用いるだけで解けるような設問が少なく、思考力・判断力を必要とする考察問題が増えました。また計算問題や思考力を問われる問題などさまざまな形式の問題が出題されました。
基礎的な知識を基にした応用力や判断力などを問う共通テスト全体の傾向に沿った出題で、この傾向は2025年度も変わらないと思われます。
2024年の地学基礎は前年度と同じ大問4つの構成が引き継がれ、各分野からバランスよく出題されました。難易度も維持されています。
地学の基本的な知識・用語を正しく理解し、それを活用できているかを問う設問が目立ちました。考察問題の比率が増えており、基本的な知識を基にした応用力や思考力を問うという、共通テストの傾向通りの出題でした。
2024年度の日本史Bは正確な歴史知識をもとにした思考力や推論する力が試される出題は変わっていないものの、史料の読み取り問題が明らかに増えました。
1つのテーマについてさまざまな角度から考察させる問題が出題され、地図や絵図、写真・グラフなどを駆使した出題は定着したと考えられます。
今後も知識をもとに思考力を試す傾向は変わらず、一問一答などの暗記中心の学習では共通テストには対応できないと思われるため、正確な知識を身につけた上でその知識を応用できるように準備しましょう。2025年度は「歴史総合・日本史探求」へ変更されることにより、歴史総合には旧過程の世界史Aの範囲も含まれます。より広い範囲の知識を必要とすること、世界と日本との関連部分の知識が求められるという点で変更がありますが、問われる能力として「思考力・判断力」を問うことは変わらないため、同様に対策を講じていきましょう。
共通テスト 歴史総合・日本史探求の対策について詳しくはこちら
2024年度の世界史Bは前年と比べて難度に大きな差はなく、地図や資料などの資料を用いた考察問題・応用力を問う問題が多く出題され、正確な知識をもとにした思考力や応用力を問うという共通テストの傾向も変わっていません。ただ、ややこしい問題や会話文が減ったことにより、比較的易しくなった印象です。2025年度は「歴史総合・世界史探求」へ変更されることにより、歴史総合には旧過程の日本史Aの範囲も含まれます。より広い範囲の知識を必要とすること、世界と日本との関連部分の知識が求められるという点で変更がありますが、出題地域や分野、時代の違いは見られるかもしれませんが、複数の資料から必要な情報を読み取って判断する問題の傾向は変わらないでしょう。
共通テスト 歴史総合・世界史探求の対策について詳しくはこちら
2024年度の地理は前年度から引き続き、正確な知識を基にして各統計・資料から論理的に正解を導く必要がある問題が出題されました。この傾向は固まっており、2025年度もまずは地理に関する正確な知識を身につけることを前提として、思考力・応用力が求められる出題がされると考えられます。
2025年度は「地理総合・地理探求」へ変更されますが、大きな変更はなく統計・資料の読み取り問題で構成されると考えられるため、統計資料の確認、問題対策が必須です。また、教科書の知識だけでなく、時事的なテーマや身近な体験から考えさせる問題も見られるため、地理的な事象を日常から問題意識をもって観察することが有効と言えます。
2024年度は、問題の傾向として他の科目と同じく、正確な知識をもとにして資料等を読み取る思考力や応用力を求める問題で、この傾向は2025年度も続くと思われます。
特徴として、選択肢が増えたことにより、より正確な知識が求められ、かつ時間も要するようになっていると言えます。出題範囲は教科書を超えることはありませんが、曖昧に覚えているだけでは太刀打ちできないと言えるでしょう。
2025年度は「公共・政治経済」へ変更されますが、実質的にそれほど範囲が変わるわけではありませんので、対策としては上記のように正確な知識を定着させること、知識を持って資料や図表を読み取ることを押さえておけば問題ありません。なお、時事問題についても扱われる可能性があるため、日頃からアンテナをはっておきましょう。
2024年度の共通テスト倫理は前年度と出題範囲や設問数、問題の構成に変化はありませんでした。資料・統計に関する問題も出題され、難易度は維持されています。他の科目と同じように、正確な知識をもとにした応用力・思考力を求める共通テストの趣旨に沿った出題で、この傾向は2025年も同様と思われます。
2025年度は「公共・倫理」へ変更され、試験範囲は公共も含まれるようになります。倫理だけで受験することはできなくなり、必要な知識も拡大します。倫理範囲については、細かい知識を問うよりも、現代の事例・具体例に沿って出題する例が目立ち、この傾向も続くと思われます。時事や社会的な事象に目を向けておくことが対策になりますので、日頃から社会に関心を持っておくことが大事です。
2024年度の「倫理、政治・経済」は、前年度と同様、会話文・資料文を読ませる設問が多く出題されました。難易度は前年度からほぼ変化なしといっていいでしょう。基本的な知識を身につけていることを前提として論理的な思考力や応用力が求められる共通テストの全体的な傾向どおりでした。
また、倫理、政治経済の単独科目との共通問題で、2025年度(旧課程履修者の経過措置)も同様であると考えられます。なお、新課程の共通テストでは、「倫理、政治・経済」は、選択科目からなくなります。
会話文や資料文を読ませる設問が多く出題され、読解力・速読力がないと回答に時間がかかると予想されます。読解力・速読力を鍛えることが求められます。
2024年度の共通テスト現代社会は、前年度と比較して問題の構成や出題範囲、設問数に変化はなく、2025年度(旧課程履修者の経過措置)も大きな変化はないものと予想されます。概ね半分が知識が身についているかを問う問題、半分が知識を身に着けた上での資料等を読み取って分析する思考力・応用力を問う問題で、他の科目と同様に共通テストの趣旨に沿うものとなっています。
なお、新課程の共通テストでは、「現代社会」は、選択科目からなくなります。
2025年度の共通テストは、2025年1月18日(土)・19日(日)で実施予定です。
出願期間は、令和6年9月25日(水)から10月7日(月)までとされています。
そして共通テストの自己採点結果をもとに最終的な出願校を選定していきます。
2025年度の共通テストは上述通り2025年1月18日(土)・19日(日)の2日間で実施。
出題教科と試験時間は下記のとおりとなっています
試験日 | 教科 | 科目 | 試験時間 |
---|---|---|---|
1月18日(土) | 地理歴史公民 | 『地理総合,地理探究』『歴史総合,日本史探究』『歴史総合,世界史探究』『公共,倫理』『公共,政治・経済』『地理総合/歴史総合/公共』『旧世界史 A』『旧世界史 B』『旧日本史 A』『旧日本史 B』『旧地理 A』『旧地理 B』『旧現代社会』『旧倫理』『旧政治・経済』『旧倫理,旧政治・経済』 | 2科目選択9:30 – 11:40 1科目選択10:40 – 11:40 |
国語 | 『国語』 | 13:00 – 14:30 | |
外国語 | 『英語』『ドイツ語』『フランス語』『中国語』『韓国語』 | 英語(リーディング) ドイツ語 フランス語 中国語 韓国語15:20 – 16:40 英語(リスニング)17:20 – 18:20 | |
1月19日(日) | 理科① | 『物理基礎/化学基礎/生物基礎/地学基礎』『物理』『化学』『生物』『地学』 | 2科目選択9:30 – 10:40 1科目選択10:40 – 11:40 |
数学① | 『数学Ⅰ,数学 A』『数学Ⅰ』『旧数学Ⅰ・旧数学 A』『旧数学Ⅰ』 | 13:00 – 14:10 | |
数学② | 『数学Ⅱ,数学 B,数学 C』『旧数学Ⅱ・旧数学 B』『旧数学Ⅱ』『旧簿記・会計』『旧情報関係基礎』 | 15:00 – 16:00 | |
情報 | 『情報Ⅰ』『旧情報』 | 17:00 – 18:00 |
志望大学・学部が決まり、合格に必要な共通テストボーダーがはっきりしたら、現在の学力と照らし合わせて合格するためにはどんな勉強をしなければいけないのか、どれくらいの時間と量の学習をしなければいけないのかを把握しましょう。
ひたすら問題演習をくりかえしたりたくさんの参考書を読んだりしても必要な学力は身につきません。
何をどれくらい勉強しなければいけないのかを正確に把握し計画を立てましょう。
これまで実施されてきた許通テストではっきりしてきたのが、共通テストの趣旨に沿って単に知識を覚えるだけでは対応できない問題が出題され、思考力や判断力・応用力が問われるということです。
正確な知識・理解は当然として、それを基にした応用力・思考力です。そのため、単に暗記量を増やすだけでは太刀打ちできません。
共通テストの傾向と照らし合わせて、最短の時間で合格できるよう効率的な学習を行いましょう。
各種の資料や統計・グラフから読み解く、会話文や長文から出題意図などを正確に読み解くなど、単なる知識・公式の暗記だけでは太刀打ちできない出題がされています。
まずは教科書内容の正確な理解と知識の確実な定着のうえで、思考力・応用力を身に着けられるよう準備することが求められます。
単なる暗記や問題をひたすら解くといった学習では合格は覚尽きません。共通テストで求められる学力を身に着けられるような学習をこころがけましょう。
大切なのは、早期に対策を始めること。そして共通テストで求められる学力が身につけられるように計画を立て学習をすすめることです。
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共通テストの対策をするには、過去問を通じて出題傾向をしっかりと分析して、共通テストに必要な学習に絞って進めていきましょう。
多くの私立大学で共通テストを利用した入試が実施されており、さらに拡大しています。
共通テストのボーダーは大学ごとに異なります。9割以上の得点が必要な大学もあれば、6〜7割程度の得点で合格可能性がある大学もあります。
共通テストではセンター試験から形式や傾向が変わった部分がありますが、センター試験の過去問は共通テスト対策になります。英語のリーディングのように問題構成が大きく変わっている科目もありますので、時間を測って時間配分や解答順の対策を立てるためには使えませんが、一問一問は良問が多いため、解ける問題を増やす、スピーディーに解けるようにする練習としてセンター過去問を使うと良いでしょう。
共通テスト対策は今からでもすぐに始めましょう。できるだけ早く傾向把握に取り組むことが大切です。
共通テストの対策をするには、過去問を通じて出題傾向をしっかりと分析して、共通テストに必要な学習に絞って進めていきましょう。
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